第116話

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応援頂きました皆様ありがとうございます。

これから鬼門(確定申告)に入りますのでUPやお返事等に影響出ましたらすみません。

出来るだけUPはしていきますが、14日位までは影響出ますのでご理解いただけましたら幸いです。


◇~~~~~~◇


3日間の弟子(忍軍含む)と参加者たちの熱い戦いは生き残り20名となった。

最初の規定通りにトーナメント方式での試合となる。

しかし、俺・美羽・真里を入れて23名と人数的な問題で1人追加招集的に入れることとした。

さて、誰を入れるか・・・負けなかった者が5名居るのでその中から選ぶことにするが、何時もの如くジャンケンからのあっち向いてホイで決めることになった、意外とそれが民衆にウケた。

やり方を知りたいという事でレクチャーすることになりルール説明などをすることとなったのだが、意外な物が意外な所でウケる物だな~と改めて思う。

さて、勝者は寿斎じゅさいとなった。

という事で、24名のトーナメントとなる。

これだと最終は3人残る形になるので3人で勝ち抜き戦、2勝連続した者が優勝となる。

こうなって来たら俺の為のと言うより俺主催の剣術大会の様な感じになったが、これはこれでありだなと思う。

さて、くじ引きして俺・美羽・真里・寿斎が被らないようにしたいが、こればかりは運だから仕方ない。

そして、予選会で目立っていた伊勢太郎さん、胤栄さん(武蔵坊弁慶)、柳生宗厳むねとしさん、柳生勝厳かつとし君(宗厳さんの長男)、林崎はやしざき勘助かんすけさんは順当に残っている。

残った者の中で気になる名前が幾つかある。

しま左近丞さこんのじょう北畠きたばたけ権中納言ごんちゅうなごんの二人だがあのしま左近さこん北畠きたばたけ具教とものりかな?

字が違うのと官職名・・・よく解らん・・・

官位持ちならばお公家さんに聞くのが一番と思い山科様に聞いてみればやはり伊勢国司いせこくし北畠きたばたけ具教とものりで間違いないようだ。

国司がよく来れたな~とか思うけど、剣豪大名と呼ばれる程の剣術好きだ、来れたのだから来れたのであろう。

俺でも知っているビッグネームだが・・・しま左近丞さこんのじょうさんは確認しようも無かった。

後は・・・佐々木ささき小次郎こじろうって人居るんだけど・・・あの佐々木さんじゃないよね・・・多分、同姓同名の別人だろう・・・確か宮本武蔵との巌流島の戦いの時に18歳位だったと聞くし・・・対戦時に見かけた時は小太刀使ってたしな~

佐々木小次郎と言えば物干し竿と呼ばれるほど長い長刀もちだしな~違うよね・・・

俺が観た中でめぼしい人物たちは以上であるが、ダークホースが潜んでいてもおかしくない。

このトーナメントは3日間で行われる。

1日目で1試合12名になる。

2日目で1試合6名になるが、そのままもう1試合して3名になる。

3日目は3人の2勝勝ち抜け戦となるが、その後は宴会を予定している。

勝っても負けてもお互い様、水に流して楽しみましょうという事で剣士同士交流を深める意味でも宴会となる。

さて、今日は中日として試合は無いが抽選日として割り当てている。

抽選会すら娯楽となるのだから本当に戦国時代は娯楽少ないよね~とか思ったけど、格闘技とかのトーナメントとかでは抽選会ですら興業の一つとして盛り上げていたことを思い出し、運営の宗さんたちに話したらこうなった訳だ。

最初にくじを引くのは俺からで弟子たちが引いてからは後は通し番号の早い順で引いて行くこととなった。


「ではお引きください!!」


箱の中から番号札を選ぶ、よし!これに決めた!!

1番を俺は引いた。

弟子たちも順に引いて行ったが、寿斎が俺と同じ山に入った1回戦で2人とも勝てば当たる。

美羽と真里はまた別々の組に入ったので順当に勝ち上がれば決勝で当たることとなる。

そして、残りの出場者たちが続々とくじを引きトーナメントの山を埋めて行った。

俺は1回戦で佐々木ささき小次郎こじろうさんと当たった。

凄い美男子で予選から黄色い歓声が飛び交い彼は早くも女性ファンが付いた様である。

くじを引いた瞬間ににやりと笑い挑戦的な目で俺を見てきた。

多分、2番を引いたのだろう。

その後はゆっくりとそれを主催者に渡すと組み合わせ表の俺の横に「佐々木小次郎」と書かれたので間違いない。

勝ち残ったので実力も確か、それに美男子・・・女性ファンから「小次郎様~助平剣豪なんて倒して~」とか色々な彼を応援しつつ俺をなじる女性の声援が飛ぶ。

その度に弟子の女性たちが殺気立つのですけど・・・まぁ小次郎君、お互いに頑張ろうよ!!

さて、寿斎は謎の覆面剣聖「伊勢太郎」がお相手になった・・・寿斎よ見せ場は作れよ。

一回戦で他に注目カードとしては美羽VS北畠きたばたけ具教とものり、真里VS柳生勝厳かつとし君(宗厳さんの長男)だろうか?

まぁ全試合が注目と言えば注目かな?

明日は早くも12名になるのだが、大会主催でオープニング試合とか何か神がかってるね~


★~~~~~~★


「それで何時狙う?」

「流石に天子様が居る場では不味かろう」

「そうか?」

「当たり前だ!馬鹿者が!!」

「馬鹿言う奴が馬鹿~」

「ぐぬぬぬぬ~・・・まぁよい・・・野試合が全て終わった後は宴席が設けられると聞く」

「へ~そうなんか~美味い物でも食えそうじゃな」

「そう・・・だな・・・」

「何じゃどうした?」

「いや・・・暢気じゃと思うてな」

「いや、これを見てみい」


男はそう言うと震える指先を見せる。

なんじゃ緊張しておるのか?・・・まだ計画の話し合いの段階ぞ・・・


「震えとるな・・・」

「おう!武者震いぞ」

「左様か・・・」


柄にもなく儂も緊張しておるのやもしれぬ。

何故か喉が渇く。

話しながら盃の酒を飲み干して喉を潤す。


「そんなんで大丈夫なのか?」

「あ~何時もの事じゃ」

「左様か・・・」


後は信じるより他に無いが、不安に駆られる。

暢気に振舞っているのも心を落ち着け平常心を取り戻すためのこ奴の儀式的な事なのかもしれぬ。

儂も本番に下手を打たぬように気を引き締めて挑まねばならぬ。

四位蔵人様には多くの忍び者が着いておる。

本人も剣豪として名を馳せた人物だが、俺には同業の者たちがまた恐ろしい。

捕まればどんな責め苦が待つか・・・考えただけでも身の毛のよ立つことよ・・・


〇~~~~~~〇


今回は色々な登場人物が出て来ましたが、中でも、佐々木ささき小次郎こじろう出て来ました!!

豊田とよだ景英かげひでが編纂した『二天記にてんき』では武蔵と戦った時は18歳との記載があるようです。

しかし、これは他の資料を確認した際に七十八78歳の七を見落として十八18歳と記載してしまったのではないかとも言われます。

それが本当なら当時29歳の武蔵はよぼよぼのお爺さん剣士を寒い海沿いで長時間待たせて遅れた来た上に力に任せて船の漕ぎ棒を削って作った木刀擬きの棍棒で撲殺したことになります。

確かに、名門の剣術家一家に生まれた訳でもないのに18歳で小倉藩の剣術師範って少し違和感ではありますね・・・

それだけ天才だった?・・・武蔵はそんな天才に勝ったのにどの藩の剣術師範にもなれていません。

中々にミステリーな話ですが、実は武蔵の遅刻話も微妙なんですよね~

武蔵の死後9年目に弟子にして養子の宮本伊織いおりにより建立された小倉碑文こくらひぶんと言うモニュメントがあります。

ここには「両雄同時に相会し」とあるようですが、武蔵の弟子で養子の者の主張なので・・・

そしてさらに面白いのが、小倉藩家老で門司城代の沼田延元の家人による『沼田家記』と言う沼田延元さん観察日記があり、そこには1:1の戦いと言う話なのに4人の弟子を引き連れた武蔵が巌流島に現れて武蔵は小次郎さんを仕留めることが出来ず、小次郎さんを寄って集って武蔵の弟子らに撲殺させたとの記載があるようです。

ただし、これがまた面白いのが、小次郎さんの弟子らは決闘の真相を知り、敵討ちの為に武蔵を襲撃しましたが、武蔵たちは門司城に逃げ込み、これを匿い助けたのが沼田延元なのです。

そして、この決闘の大本の原因は弟子同士の諍いで、互いの師の優劣で揉めたことが発端との事らしいのですが・・・

また、他の資料でも地元民の証言が残っており、武蔵が約束を破って島に複数人で行ったことを小次郎に伝えたが、「武士が約束を破るのは恥だ」的な事を言い止めるのも聞かずに島に小次郎さんは1人で向かったことが記載されているようです。

これらの事を見ると・・・武蔵遅刻して無いじゃん!!先に島で待ってるじゃん!!と思いますよね。

そう、実は吉川英治先生の小説『宮本武蔵』で「決闘にわざと遅れた」と言う創作を行ったことが有名となり事実がまがったのではないかと言われています。

そして、この作品で主人公がパクった「燕返し」ですが、実はこれも全て吉川先生の創作で、実際には「虎切」と呼ばれる剣法の型であるのですが・・・それは中条流に伝わる剣技なんですよね~

小次郎さんは中条流の富田勢源の弟子ともその弟子の鐘捲流かねまきりゅうの鐘捲自斎の弟子とも言われますので「虎切」知っていた可能性高いし、小次郎さんがそこからインスピレーションを受けて更に発展させ作ったのが「燕返し」で、似てるだけで非なる技と言う人も居ます。

何処までが本当で何処までが創作か・・・もう訳の分からなくなった剣豪、(巌流)佐々木小次郎、実に興味深いですね~

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