第115話
やはりと言うか何と言うか不正者がやはり出た。
その為の木札なんだけどね~不正者は勿論の事失格である。
通し番号で割り印まで押しているので流石にしないだろうとか思わないよ!!
人数多ければそう言うことに長けた者が何か遣らかすのは世の常。
通過者は128名であるから弟子たち一人辺り6~7人の相手をする。
人数も減ったので会場を3か所にして3組づつ立合って行く。
試合は3日間で行われる為一日に42試合もある訳だ。
ここに残る者たちはそれなりの実力者であろうし、弟子や忍軍の良い練習相手に・・・え?俺が金出したから馬の目の前の人参の様にちらついているので皆そんなに悠長な感じでは無いと?・・・
まぁ是非とも頑張って欲しい!!
注目選手は伊勢太郎さん、武蔵坊弁慶(胤栄さん)、柳生
見て廻った限りではそんな感じであるが、他にも隠れた剣豪が居るかもしれない。
それにしても・・・柳生
然も登録はしっかりと柳生
息子さんも10歳少しで勝ち残ったの凄いけど、親父(
謎の覆面4人が勝ち残って来るのかもしれない・・・
「朕は楽しみにしておった!!」
「左様ですか・・・」
あれ?美羽・真里の試合からって話だった気がするけど・・・
近衛殿下、山科様の話では天子様がどうしても見たいと駄々・・・ご要望で今日より御臨席となる。
来てしまったものは仕方なし、櫓の上は3試合の会場が一望できる絶景スポットなので是非とも楽しんで欲しいものだ。
早速、試合が始まった。
注目は初っ端からの好カード、藤林忍軍棟梁、藤林長門守VS伊勢太郎。
注目カードを殿上人たちにお知らせすると注目が集まった。
長門守は斜めに構え木刀が相手から見えないように構えている。
対して伊勢太郎さんは上段斜めに構えて睨み合う。
お互いが隙が無くじりじりと時間だけが過ぎるが、大会の関係上、30分程としている。
え?戦国時代に時間とか無きに等し気だろうと?
ふふふふふ~この晴れの舞台の為に無い知恵絞って考えました!!
名付けて水時計!!
要は簡単、そうめん流し宜しく竹に水を流して下で受けて水が溢れたら試合終了!!
画期的とは言わないが中々に良いだろ?
その内そうめん流ししたいな~とか思ったけど、生水怖いので諦めた。
最低でも水の綺麗な山奥でしないとな~あ~その前にそうめん・・・作り方よく解らんが、うどん流しなら出来るか?
半分の時間が過ぎた時点で太鼓が1回叩かれた。
他の会場の試合は既に終わっているがこの注目の試合はまだ一太刀も無いが
あまりの静けさに遊びに来ていた童が泣き出した。
母親らしき者があやすが泣き止まないが、鳴き声と同時に長門守が仕掛けた。
実に綺麗なすり足での移動。
滑る様にと言うのはこういう事と言うように滑らかに間合いを詰める。
次の瞬間攻撃した木刀を巻き取る様にして伊勢太郎が長門守の木刀を手から奪い去った。
「勝者!!伊勢!!」
主審には勝ち名乗りをする様にしている。
意外とこれ重要!!場が盛り上がる。
それ見た事か!「ワァー-!!」っと歓声が木霊した。
伊勢太郎師匠・・・伊勢太郎さんが此方に微笑んだ気がしたが・・・まぁいいか。
中々のいい試合だったと思う。
会場も興奮が冷めやらぬ様子でどよめいている。
さて、試合は順調に進み、今日2回目の好カード!!
咲耶VS武蔵坊弁慶(胤栄さん)が第二会場で始まろうとしている。
咲耶が頭を下げ何かを言っているが遠いのでよく聞こえないが、武蔵坊弁慶(胤栄さん)が「違うぞ!!そのような槍の名手ではない!!」とか叫んでいるので・・・「お久しぶりです!胤栄師匠」とでも咲耶が言ったのかもしれないな~
胤栄さんの所に通い詰めた咲耶と吉兵衛は宝蔵院の槍の粗方を伝授された。
槍の達人である胤栄さんが言うのだから間違いないだろうが二人とも槍に適性が高い様だ。
今回も槍に見立てた長い棒で戦っている。
此方の試合は先程のひりつくような雰囲気とは打って変わり、飛んだり跳ねたりしながらお互いが動き回る。
躱しては槍を繰り出し、時には足払いなども混じる。
目まぐるしく攻防が移り変わり一つ一つの動作で歓声が上がる。
有効打がお互いに無いままに前半終了の太鼓が成ると武蔵坊弁慶(胤栄さん)・・・面倒臭い、胤栄さんがピタリと動きを止める。
それに釣られたように咲耶も動きを止めた。
次の瞬間にお互いが槍を繰り出したが、咲耶の槍が弾かれてそっと咲耶の首の辺りに胤栄さんさんの穂先が添えられた。
「勝者!!武蔵坊弁慶!!」
「ワァー-!!」っと歓声が木霊した。
弁慶さんは動き過ぎて暑かった様で覆面を取り、その覆面で汗を拭う・・・
おい!胤栄さん!!何してるのよ~・・・まぁいいか。
咲耶がまた話しかけて・・・ハッとした顔で「しまったーー!!」と叫んでいるので・・・うん、次からは顔隠さなくていいね。
〇~~~~~~〇
戦闘描写らしき物久しぶりに書いた気がします・・・
さて、野試合の大規模な物調べてみましたが特に無いようですが、御前試合として行われた記録が残っておりました。
「駿河城御前試合」・・・あれ?何処かで見たぞ・・・私は山口貴由先生の漫画「シグルイ」で20年位前に見て登場人物の
流石にフィクションでした・・・しかし、その調べる過程で江戸幕府三代将軍の徳川家光が「寛永御前試合」という剣術の大規模な大会を行ったことを知りました。
出て来る面子が凄いので「スゲー!!」と思ったら・・・これも架空の物・・・
上記に上げたような大規模な物は流石に流派の面子など色々な諸事情により開催されなかったようです。
しかし、将軍や大名などの前で行われる試合が御前試合と呼ばれ、余興や仕官の実力確認の為に小規模ですが行われたようです。
また、天皇が観覧する場合は、天覧試合と呼び格が上がるようです。
丸目蔵人は師の上泉信綱と共に正親町天皇を前に剣技を披露しております。
これが一応は天覧試合の一種に該当するようです。
今回のこの野試合は天皇臨席での試合ですので間違いなく天覧試合です。
さて、上記には含まれるかはわかりませんが、1906年に日本のイギリス大使館で
一門の武術試合なので同門同士の物ですが、明治時代に開いた柔術、居合、剣術、薙刀、棒を含む総合武術の流派なので、可成り色々見せて好評だった模様。
昔から色々な物(小説・漫画等々)で取り上げられる他流派同士の大規模な御前試合は残念ながら江戸時代でも無かったようです。
そう言う意味では、現代の私たちは格闘技などを簡単に見ることが出来る時代に生まれたので幸運な事かも?
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