第110話
京に戻ると義輝武勇伝が語られ三好を悪し様に批判する声が多かった。
将軍様が1人で2,000人を斬り殺したことになっているのだが・・・こうやって武勇伝は成長するのね・・・
何か得体のしれない何かを倒した=鬼倒したとかなっててもおかしくは無いけど、1人で2,000人って盛り過ぎちゃうか?
それも事が終わって1ヶ月ちょっとだぞ・・・
まぁそんな感じで京の町はまだまだ永禄の変の興奮は冷めやらぬ様子。
え?流石に(笑)は無いだろうと?いやいや、俺が言ってたって、お前かい!!と天の声さんと戯れつつも、俺ももう大分京に慣れ親しんだな~と思いながらこの町の大通りを一路山科邸を目指してのんびりと向かう。
それにしても、史実と大きく変わったと思えるのは、民衆が殆ど三好を敵視している感のある雰囲気となった事かな~俺の知る歴史では朝廷は慌てて三好に擦り寄るものだったけど、この世界線では朝廷も固唾を呑んで事の成り行きを見守っているけど、何かしらのアクションを今の所起こした様子は無し。
史実よりも三好家は悲惨な結果になるんじゃないかとすら思えて来た。
まぁ蝶々効果だね~蝶々の羽ばたきですら世界線に影響するらしいから俺の影響で変わったのかもね・・・本当に知ったことじゃないけど。
流石に大人数での上洛だったので小分けしてグループに別れた。
俺のグループは少しメンバー入れ替えで、藤林夫婦が俺に帯同している。
お金・お銀は別のグループとなった。
一応は彼女たちはリーダー格となるのでその一団を率いるらしい。
「春ちゃん!家の子にならない?」
「う~ん・・・考えとく・・・」
春麗は忍術大好きで直ぐに藤林夫婦に気に入られた。
特に弓ちゃんに気に入られたので養子勧誘を何回も行っているようだ。
何時もの様に山科邸で門番さんに挨拶すると「どうぞ」と言って普通に顔パスで家の中へと通された。
山科様はまだお帰りではないとの話だが良いのか?とも思ったが、この家の侍女さんが「お帰りなさい」と挨拶をしてくれたのでそういう事だろうと好意を受け取ることとした。
「おお!長よ帰って来たか!!」
「はい、無事に依頼を終えました」
「そうか、そうか」
山科様は何時もの様に気さくに相手にしてくれるが、少し消沈気味の様だ。
何時もお世話になっているし、お悩み相談を聞いてあげよう!!
「実はな、三好より将軍弑逆を追認するように圧力を掛けて来よる・・・」
「え?・・・」
世界線が変わったと思ったが朝廷側が擦り寄るのではなく三好側が・・・
まぁそれだけ三好の状況は良くないのかもしれない。
そして、幕臣の家族たちが一家の主を亡くしたことで離散して京の町は元幕臣の子だったものなどの浮浪児増えていると言う。
確かに200人も居なくなれば路頭に迷う者も多いだろうが・・・
朝廷と京を抑えた三好が行き違いなので対策も今は難しいか・・・
実に世知辛い世の中だ。
「それで、朝廷は如何される予定ですか?」
「それで揉めておる」
「あ~成程・・・」
「長よ」
「はい」
「良き案は無いか?」
「良き案ですか?・・・」
行き成り言われても俺困るんだけどな~・・・三好の将軍弑逆は偶発的な物で事故の様な物なので致し方なかったとでもしたいのかな?
まぁ計画的犯行なのは見え見えなのにそれを偶然にすり替えろとか朝廷側に言われても困るよね~俺の知る世界線では朝廷は追認した事は知ってはいるけど、如何言う事情かとか細かい部分は知らんからアドバイスしようも無いな。
「まぁ、一度、霜台爺さん辺りに話しとおして三好側の現状を確認しないと何も言えませんな」
「確認してくれるか?」
「あ~山科様のお願いですから確認しますが、此方もお願いがありまして・・・」
また変なミッションが発生した予感・・・
俺のお願いは、勿論、挑戦者募集の京の町ジャック!!
多分、俺の前世の世界線より規模が可成り大きいこととなるから挑戦者来るかもしれないけど、イベントとしてはその方が面白いと思うからバンバン挑戦を受けてやるつもりだ。
どうせなら朝廷や堺の町とかも巻き込むか?
まぁ山科ミッションが終わってから考えるか。
堺に行く序に霜台爺さんの所に行って事情を聴くこととする。
三好が何を朝廷に望んでいるかも解らんしね~朝廷としても現状のままは宜しくないと考えているようだし、三好が京を抑えている以上は持ちつ持たれつしかないんだよね~
「それはそうと新しい者を連れて来て何やら面白い話をしておったな」
「あ~此方は藤林夫婦で某お抱えの忍びの者です!!」
「藤林!?あの藤林か?」
「どの藤林か知りませんが」
保豊さんたちも挨拶をして名門忍者の藤林一門をほぼ丸抱えしたことに山科様は驚かれた。
そして、弓ちゃんが勧誘していた養子の話に飛び付いた。
「ほう!儂も一枚噛ませてもらいたいの~」
「山科様、一枚噛むとか何のことです?」
「いや、長の弟子の娘っ子を一人、養子に迎えると言う話じゃろ?」
「駄目です!何人かは某の嫁にしますから!!」
「「「「「嫁!!」」」」」
あ・・・プロポーズ前に口走ってしまった・・・
皆、驚きと期待でワクワクした感で此方を凝視する。
「え~と・・・美羽、真里、莉里、春麗は本人たちが望むのであれば某の嫁にと考えておりますが・・・」
「長師匠!!」「長師匠うれしい!!」「よし!!」「了」
美羽が飛び付いで抱きついて来た。
真里が涙を流しながら喜んでいる!!
莉里がガッツポーズで春麗が何時もの調子で「了」と言っているが嬉しそうな顔だ。
「ほ~英雄色を好むと言うが一遍に四人か!では、一人は少なくとも儂の義理の娘としてはどうじゃ?」
山科様に何故に養子?という事を聞けば、貴族や大名等のは養子縁組して送り出すことは多いようだ。
養子を取った側は嫁ぎ先の義理の
は~考えてみれば前世で読んだ戦国ものとかで義理の娘を嫁がせるとかよくあったけどどんな仕組みでそんな事をするのか深く考えてなかったので今聞いて理解したよ。
山科様は自分だけで全員を義理の娘とすると妬まれるから他の者にも話すとのことでその場は話が終わった。
さて、改めてプロポーズしないとな・・・何だか締まりが悪いし、必要だよね?
★~~~~~~★
「春ちゃん!やっぱり家の子にならない?なりましょうよ!!」
「う~ん・・・考えとく・・・」
長たちが戻って来たとと聞き長の居る部屋と向うと賑やかな声が聞こえて来る。
長の周りは何時も賑やかで騒がしい。
それがまた心地良く多くの者が引き寄せられて寄って来て更に賑やかしくなる。
その一人でもある儂も早速、仲間に入れて貰おうと来た訳じゃが、ふむ・・・また新しき者を連れてきたようじゃ。
「春ちゃん」とは弟子の娘っ子の一人じゃろう。
新しき者の一人の女子が熱心に養子の打診をしておる様じゃ。
ふむ・・・長の所の弟子の娘っ子どもは外ツ国の者でこの日ノ本には縁者が居らなんだな・・・どれ、儂も一枚噛ませてもらうか。
「おお!長よ帰って来たか!!」
「はい、無事に依頼を終えました」
「そうか、そうか」
そう言えば長は三好の松永の依頼で覚慶殿を護衛に行ったのであったな・・・
一つ長に相談してみるか。
少し元気のないふりをして見れば「山科様、如何されました?」と長は聞いて来たのでこれ幸いと話を持ち出した。
「実はな、三好より将軍弑逆を追認するように圧力を掛けて来よる・・・」
「え?・・・」
何故驚いたかは解らぬが、話を進めよう。
「それで、朝廷は如何される予定ですか?」
「それで揉めておる」
そう、揉めておる。
親三好派と反三好派で真っ二つじゃ。
しかし、近衛殿下が押し黙り何も言わないことで更に自体は混乱しておるのかもしれぬ。
聞けば三好の者が近衛殿下の妹ごを保護して送り届けたとか・・・
事を起こした三好に恨みはあれど、身内が助けられた恩もある。
近衛殿下にしてみれば難しい立場やもしれぬ。
「あ~成程・・・」
「長よ」
「はい」
「良き案は無いか?」
「良き案ですか?・・・」
長は少し考えてから答えた。
「まぁ、一度、霜台爺さん辺りに話しとおして三好側の現状を確認しないと何も言えませんな」
それは助かる!!
是非とも願いたいこと!!
「確認してくれるか?」
「あ~山科様のお願いですから確認しますが、此方もお願いがありまして・・・」
また面白き事を考えよるものじゃ。
主上にも近衛殿下にも話して置かねばなるまいが、お二人とも興味を持たれて観たいと言われるやもしれぬが・・・その時はその時じゃ。
その後は色々と話したが、確認がまだじゃった。
「それはそうと新しい者を連れて来て何やら面白い話をしておったな」
「あ~此方は藤林夫婦で某お抱えの忍びの者です!!」
「藤林!?あの藤林か?」
「どの藤林か知りませんが」
聞けばやはり伊賀の藤林一門と言うではないか。
昔から引きが強いと思うておったが大当たりの忍び者を引き入れるとは・・・
しかし、そこが養子に欲しがる程の逸材か・・・
「ほう!儂も一枚噛ませてもらいたいの~」
「山科様、一枚噛むとか何のことです?」
「いや、長の弟子の娘っ子を一人、養子に迎えると言う話じゃろ?」
「駄目です!何人かは某の嫁にしますから!!」
「「「「「嫁!!」」」」」
薄々は感じておったがやはり嫁に貰うか!!
益々縁を結ばねばなるまいて!!
「え~と・・・美羽、真里、莉里、春麗は本人たちが望むのであれば某の嫁にと考えておりますが・・・」
「長師匠!!」「長師匠うれしい!!」「よし!!」「了」
日に焼けた様に浅黒い娘っ子、美羽と言うたか?が長に飛び付いで抱きつきよった。
天女と見紛うばかりの容姿で透き通る様な白い肌に綺羅の様に煌めく髪の女生、真里と言ったか?が涙を流しながら喜んでいる!!
その妹の莉里?が何やら変わった仕草で喜びを表しよる。
藤林夫婦が気に入っている娘、春麗が言葉少なに「了」と言っているが嬉しそうな顔だ。
「ほ~英雄色を好むと言うが一遍に四人か!では、一人は少なくとも儂の義理の娘としてはどうじゃ?」
これは他の者にも話しておかねば独り占めしたとやっかまれること請け合いじゃ。
後日、話の話題として出したは良いが、とんでもない事態となった。
松永の下に向かった長が帰ってくる頃には養子先が決まっているかもしれぬな・・・
〇~~~~~~〇
主人公は四人娶る予定です!!
ハーレムと言う方も居るかもしれませんが、戦国時代の価値観で言えば甲斐性のある男が複数人の女性を娶ることは普通の事です。
勿論、一般庶民には中々難しい事ではありますが、武士階級位の者はそこそこ居たようです。
しかし、それを許さない者も多かったようで、嫉妬深い女性の話として幾つもの逸話が残っています。
一番有名な物は鎌倉時代の北条
鎌倉幕府の初代将軍・源頼朝の正室で「
悪女・鬼嫁としても有名ですが、実は夫の浮気による嫉妬が原因でそう呼ばれますが、これがまた凄く、浮気相手の家自体を壊滅させたと言うのですから驚きです!!
しかし、以外にも情も厚く、夫の頼朝の弟で不仲な源義経が寵愛していた
義経を慕う歌を歌い舞った静御前に、頼朝は激怒しましたそうで、見せしめの為に極刑にしようとしたようなのですが、それを嗜めて静御前の命を救ったのは、政子だったと伝えられています。
取りなした政子に、頼朝も怒りを収めて静御前に褒美を与えましたそうです。
この様に独占欲の強く嫉妬深い女性は何時の時代も居ますが頼朝の様にちゃっかり愛人を作ったりしていますが、時代的には一夫多妻はスタンダードな時代なのでハーレム?と言えるかどうか・・・
作者の私的にはハーレム、ハーレムした話を書く予定も無いのでハーレムタグ入れません。
逆に入れててそれ期待して読んでみたら全くハーレムじゃなかった何て事の方がガッカリ案件でしょうから入れません!!
てことで、宜しくです!!
これをハーレムと思う方はハーレム認定して頂いても結構です。
人の価値観様々なのでお好きにどうぞ~しかし、作者的には内容がハーレム、ハーレムしないつもりなので入れません!!(重要なのでリピりました!!)
次は松永久秀の所にLet’sらGO!!
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