第109話

京に戻る前に藤林一族が合流して来た。

これでもまだまだ4割とのことだ。

一応は九州に行って良い者たちだけとのことであるが中々の大所帯となった。

現在、ここに居るのは総勢64名で内忍者働きの出来る者が36名となる。

これって小さい村位?まだまだ居るんだよな・・・九州に戻ってから忍者活用の良い案を考えよう。

そして、藤林長門守の奥さんとご挨拶!!


「長様お久しぶりです~♡」

「お・・・お久しぶり?・・・何処かでお会いしましたかね?・・・」

「え~あんなに夜通しで熱く語り合ったのに~♡」


弟子たちの視線が凄~く痛いですが、身に覚えがありません・・・

ニコニコとしながらお弓さんがある単語を口にする。


「甲斐」

「・・・え?」

「巫女」

「え?・・・え~~~~!!」


何んとなく・・・本当に何となくだけど、なんか嫌な予感?するけど・・・


「歩き巫女を忍びの情報獲得に使うと言うのはもう既にしておりました~♡」

「え?若しかしてあの時の巫女さん?」

「はい、藤林長門守の奥、おゆみと申します~♡」


あ~あの時の巫女さんは藤林のくノ一で保豊やすとよさん奥さんだったらしい・・・


「お金、お銀」

「棟梁何か?」


お金ってお弓さんの子供だよね?何故に棟梁呼び?


「長様の籠絡は上手く行きましたか?」


お金もお銀も渋い顔をする。

俺の籠絡?え~~マジか~あの故意とも思える位の過激なボディータッチの数々やアプローチは藤林家が仕掛けて来た俺へのハニトラ!!

え?俺に対して?何故に?

俺が混乱する中、話は進んでいく。


「その様子では無理だったようですね~♡おほほほほ~♡今の藤林くノ一の諜報は長様のお考えを基に作られた物です」


マジか!!あ~確かにあの場に居たのは次郎さんだけでなくお酌していた目の前のエロくノ一の棟梁?のお弓さんだったよ・・・

有効活用して更なる磨きを掛けてきたようだけど・・・俺、何話したか殆ど覚えてないぞ・・・

本職のハニトラ要員に若しかして男の落とし方とか色々なうんちく語りしてたの?

すげー恥ずかしいよ!!

何を話したか聞き返す勇気は・・・俺には無い・・・


「「え?そうなのですか!!」」


2人とも驚いているそして俺をマジマジと見詰めて来る。

顔引き攣ってないよね?

お弓さんにお銀が言葉を発し聞き返す。

自信満々と言った感じで大きく頷くお弓さん。


「発案者である長様を籠絡出来なかったのはある意味当たり前です。私が参考にさせて頂いた手管の数々、あなたたちに教えた色々の中には長様のお考えがかなり含まれております。二人とも長様に手玉に取られましたね~♡それと、棟梁を継承するのはまだまだ先の様ですね~♡」


マジで俺何話したんだろう・・・キャバ嬢の事とか位のような・・・酔ってて全く覚えてないことゲロったら楽になるかな?

それにしても・・・どうやらお弓さんは俺の籠絡を棟梁譲渡の条件としていたようだ。

え?・・・俺に一目ぼれしてとか、俺の男のフェロモン2人を狂わせただとか、内心ちょっといい気になったたぞ俺・・・

美羽たちに遠慮して手出さなくて良かったぞ!!

美羽たちがジッと俺の顔を見ているが・・・尊敬の様な眼差し・・・さて、先程の俺の気持ちは墓まで持って行こう・・・


「流石は長様!!棟梁候補の二人の手管に翻弄されないとは!!」

「ははははは~まぁ、当たり前だな!!」


背中に凄い汗を掻きながら俺は答えた。

春麗と莉里がジッと俺を詰めているが、気取られないようにポーカーフェイスじゃ!!

聞けばお弓さんは今川が桶狭間で敗れたのを聞き次の奉公先を模索していたらしい。

武田家はその候補の1つであったが、入り込む余地が無さそうだと感じていた矢先の出来事で、酔っぱらいの意見に感銘を受けて一から組織改革を行ったそうだ。

ここには居ないがまだ30名の歩き巫女の諜報員が居ると言う・・・

あ~なんか凄い人に凄い事何時の間にか教えて何時の間にか凄い組織が出来上がってそれが俺の手元に・・・これって何て言うんだったっけ?・・・まぁいいや・・・


「え~と、お弓棟梁」

「嫌ですわ~前の様に弓ちゃんとお呼びくださいな♡」

「弓ちゃんは、いや、弓ちゃんたちは更に組織を大きくする気ある?」


もうこうならば日本最強のハニトラ諜報集団を作り全国の情報を集めたりと有効活用しちゃる!!

意外と大人数なので前に藤林忍軍の年間お手当では申し訳ないし、今後の為にも色々と資金調達の方法も考えないといかんな~

取りあえずは仲の良い商人たちに情報など色々売るのもありだし、人材派遣?もありか?

何にしてもこの藤林忍軍の維持費の捻出を考えるとするか・・・

それにしても大人数なので土地も必要だな・・・よし!!九州に戻ったら親父に相談だ!!


「そうですね~♡長様は何かもっと面白そうなお考えがおありで?」

「あるにはあるけど、藤林一門が意外と大人数だしあの年間お手当では悪いかな~と・・・」

「長様!!」


うわ~人妻エロくノ一から抱きつかれちゃったよ!!

DNAの成せる業だな!!

藤林家の女性はご立派なオーパーツを代々所持されているようだ。


「「棟梁・・・」」

「あ~失礼いたしました~♡」


あ~名残惜しい・・・え~と・・・美羽たちがジト目でこちらを見て来ます・・・

さて、総勢70名ほどに膨れ上がった集団だが、藤林一門はまだまだ居るとの事なので本当に資金調達の事考えないとな・・・

まぁその前に京に行きイベントじゃ!!


〇~~~~~~〇


ここで登場!!お弓さん!!

武田信繁との飲み会の伏線回収でした!!

名前のお弓は、勿論!!水〇黄門のお銀さん(由美〇おる)より拝借!!

勿論、お弓は架空の人物ですので史実では居ないと思います!!

戦国時代の忍者の人件費は本当に安かったようです。

多分、今、現代で同じ様な感じの者はお笑い芸人とかかな?

売れていないと全く金にならないと言う・・・

よく戦国時代の忍者として語られる人たちの殆どは前も話しましたが武士です!!

主持ちになった時点で棟梁(上忍)は武士扱いです。

その当時にその人たちに忍者と言ったら間違いなく怒る位には武士です!!

主が居ないフリーランスの者たちが忍びとなります。

有名な所で言えば飛び加藤とかは忍びです。

武士となった元忍びの者とフリーランスの忍びの者の大きな違いとしては先ず給与ですね~

家来に取り立てた元忍びの者は裏切られない程度の待遇は与えています。

フリーの者と比べれば本当に雲泥の差だったようです。

だから、忍びの者は金で転ぶこともあったようです。

しかし、それも織り込み済みの事だったようで、裏切られても良い様な仕事を任せたり、裏切れば配下に引き入れた忍びの者に報復させたりしていた様です。

忍者の契約は主に期間労働者の様な契約で、1月単位でだったようです。

勿論、使える人材と判断すれば継続契約を結びます。

更に信用を得て行き正社員(武士)となったのが有名どころの元忍者たちです。

しかし、優秀でも元々お抱えの忍軍が居る家ではそちらが幅を利かせる為に正社員になるのは至難の業だったようですね~

武田信玄の下に飛び加藤と名乗る、尺八を使ってどんな堀や塀も飛び越してみせるという者が仕官に来たようですが、信玄は召し抱えてから密かに殺害したそうです。

しかし、実際は逃げ果せて今度は上杉謙信の下に行き、牛を呑む幻術を操る者として現れます。

その幻術を披露していたところ、木に登って「牛に乗っているぞ」と騒いだ(ネタをばらした)人がいたそうです。

幻術使いはこれを恨めしく思って、その場で夕顔を育てて扇で仰ぎ、花を咲かせて大きな実を成らせ、それを切ると、木に登っていた人の首が斬られていたそうです。

謙信はこの術者を密かに成敗したそうです。

その人物が飛び加藤だとかとも言われますが、後者は果心居士かしんこじではないかとも言われますが、はてさて。

果心居士は七宝行者しっぽうぎょうじゃとも呼ばれる人物で、「操る幻術は、見る者を例外なく惑わせる」と言われる程の幻術使いだったようです。

織田信長、豊臣秀吉、明智光秀、松永久秀らの前で幻術を披露したと記録されているようですが、確証はない逸話です。

徳川家康の御前に出たという話もあります。

家康は「いくつになるぞ」的に尋ねたところ、居士は88歳と答えたそうです。

秀吉がその技前の凄さに危険視して殺したとも言われます。

是非登場させたいと思ってます!!

実は彼?は筑後、九州出身と言われています。

そして何より久秀、秀吉、家康と関わった人物!!

是非とも登場させたいですね~

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