第105話

105話目なのにどの様にしてこの作品を書こうと思ったかや概要的な事少し、読む上でのお作法?を書いたので、知りたい方は下記アドレスでチェックください。


https://kakuyomu.jp/users/221t2/news/16818023214231711227


ご報告までにとうとうタグに「うんちく」追加!!


◇~~~~~~◇


霜台爺さんの予想通りだったようだ。

そして美羽・真里・莉里・春麗の今ここに居る弟子たちが褒めて褒めてと言わんばかりに寄って来る。


「皆、ご苦労!!」


ハイタッチしてお互いの健闘を讃え合う。


「刺客の連中また来る?」

「来るんじゃないの?仕事だし」

「また来るなら返り討ち!!」

「無駄な事です。しかし、咲耶が悔しがるね~実践の機会逃した~って」


弟子たちが言い合いながらそんな事を言う。

お金・お銀も近づいて来て聞いて来る。


「逃げた者たちを如何しますか?」

「始末するならいつでも出来ますわ~♡」


そうだな~如何するかな・・・

ふと見ると覚慶さんが産まれ立ての小鹿状態になっている。


「覚慶殿、大丈夫ですかな?」

「いえ・・・本当に拙僧は命を狙われてたのですね・・・」

「そのようですね」


覚慶さんが命を狙われたという事は三好が動くのも近いのかもしれない。

面倒なので刺客と交渉することとした。


「刺客の場所解るか?」


お金・お銀に顔を向けて言うと「「解ります♡♪」」と二人とも同時に答えた。


「刺客の連中と話して来るから刺客の所に連れて行ってくれ」

「「解りました♡♪」」


また同時に返事を返してその後二人は睨み合う・・・

二人は何時ものお茶らけた雰囲気を消し殺気をお互いにぶつけ睨み合う。


「恨みっこなしですよ~♡」

「お銀が勝って主様とお出かけします♪」


それを見ていた覚慶さんが「止めなくて良いのですか?」と聞いて来る。

いやいや、殺し合いとかしないと思うよ・・・


「「最初はグー!ジャンケン!!」」


俺が教えたジャンケンでそこからのを始めた。

勝負は長くなりそうなのでその間に弟子たちとも話す。


「刺客と交渉して来るから俺が戻るまで覚慶殿の護衛頼んだ」

「「「「「了」」」」」


弟子たちの言葉が崩れたのは、多分、俺のせい?・・・もうこうなれば気にしたら負けだ。

どうやらお金が勝ったようだ。


「主様と♡お♡で♡か♡け~♡」


凄い甘々の声で勝利の雄叫びを上げるお金。

負けたお銀はひざまずきアウチポーズを取る。

何時の世もこの戦国時代も先の未来も敗者のポーズと言えばこのポーズなんだね~


「では、主様お出かけいたしましょう♡」


お金が勝者の余裕たっぷりに俺の腕に巻き付き言って来る。


「お。おう!では、皆頼んだな~」


寺の門を出ると賊の逃げた方向に歩きだし進んでいくと、少しして尾行組の一人が俺達を迎えに来てくれた。

さて、何処の者かは知らないけど交渉だ。


「おい」


声を掛けると先程の賊だろうか?覆面を外しているのでよく解らんが一瞬目を剥いたので間違いないだろう。


「何か御用で?」

「あ~さっきの件でな確認に来た」

「さっきの件?何のことで御座いましょう」

「あ~そう言うのはいいから、少し話そうか」

「・・・」


刺客の者はしらばっくれ様としたが無理と判断したのかどうか解らないが聞く耳はあるようだ。


「俺は松永久秀殿の依頼で覚慶殿の護衛をしている」

「はぁ・・・」

「そっちが三好の誰かの依頼なら同じ三好の者の依頼と言うこととなる」

「・・・それで、何がお言いになりたいので?」

「来るなら斬り捨てるが、一度依頼元に確認した方が死人が減るのではないかと思うてな」


数人がいきり立って此方に向かってこようとしたが仲間に止められている。

さて、ここの責任者の回答は如何に?


「そうで御座いますか・・・当方には身に覚えがないことに御座いますが、念の為確認してみましょう・・・」

「おう、それが良いと思うぞ」


それだけ言うと俺たちはその場を立ち去ったが、さて、如何なることか。


★~~~~~~★


三好勢が後2日程で上洛すると手の者から連絡が来た。


「上様より密命である」


今回、集めた者たちに聞けば皆が頷く。

幕臣の中でも間違いなく三好に加担して無いと思える者に声掛けた。

藤英ふじひで殿(三淵みつぶち藤英)、その弟の藤孝ふうじたか殿(細川藤孝)、藤長殿(一色藤長ふじなが)、義政よしまさ殿(仁木にき義政)、求政とめまさ殿(米田こめだ求政)に声を掛けた。

間違いなく三好と繋がりが無い者をと考えたので人数は少ない。

そんな中で代表格の藤英ふじひで殿が聞いて来る。


「藤延殿、上様の密命とは?」

「三好が清水寺参詣で上洛予定なのは知っておるな」

「何でも一万の軍勢を引き連れての参詣らしいの~、三好はこれだけの軍勢を何時でも動かせるとこれ見よがしに我らに見せつける為の示威行為だろうが、大げさじゃ!!」


某も例の件が無ければそう思うておったやも知れぬ・・・

しかし、この軍勢はそのままこの御所を囲む兵となると思うとぞっとする思いじゃ。

彼らと共に上様は御避難頂こうと考えておる。

場所は朽木くつきが良いであろう。

前も避難場所として使こうたし、何より歴代の将軍の御用達の場所。


「今から言うことは他言無用に願う」


某が皆の顔を見渡せば、目を向けた者が頷くので問題なしとし話を進める事とした。

話す内容は現在の三好が用意した軍勢は清水寺へのものではなく、御所巻きをする為の兵であることを伝えると皆驚き「馬鹿な」「あり得ん」等の声が上がる。


「しかし、それは何処からの情報で?」


切れ者と言われておる藤孝殿がそう聞いて来る。

四位蔵人殿の名前を出すことは上様より固く禁じられておる。

さて、どうしたものか・・・「!」


「情報の出所は三好側」

「な、何と!!」


皆驚いている。

それはそうであろう、敵方から情報が漏れたなど某がもし逆の立場なら驚く話よ。


「それは誰」

「それは言えぬが、三好側にも今回の行動を良しとしない者がいると言うことよ」

「左様か・・・しかし、本当に御所に兵を向けると?」

「某も半信半疑ではあるが、若しもの時は如何なさる?」

「そ、そうよな・・・いや、疑っている訳ではなく、にわかには・・・」

「そうであろうな・・・某も信じられぬが、事が起きてからでは遅い!!」


そう、四位蔵人殿が言ったからと言って信じられる物ではないが、「天啓」と言う言葉は重い。

神仏を騙るなどそんな大それたことをするとは思えん!!

それに、態々寝所に忍び込んでする話でもなし・・・


「して、上様はなんと?」


藤英ふじひで殿が話を引き継ぎ問うて来た。

上様とは既に避難することで話は纏まっておるし、決行日も三好が上洛する前日と決めておる。


「上様は、耐え難きを耐え、御避難されることをご指示された」


沈黙が落ち静寂の時が訪れた。

皆は押し黙り、何か考える様にそれぞれが顔を歪ませながらも何も言わない。

少し時を置いて皆が落ち着いたのを見計らい計画を話し合った。

その日は遅くまでこの協力者たちと上様の御避難について語り合った。


〇~~~~~~〇


うんちく・作者の独り言等々必要無い方飛ばし読みを!!

それぞれに動きがありました!!

覚慶サイドは主人公がガードしたことにより守られたので史実通りにこの暗殺は失敗に終わった?ようです。(暗殺自体あったのか知らんけど、まぁ生きているという事で史実通り。)

さて、将軍サイドは騒がしくなって参りました!!

将軍・義輝の運命や如何に!!

さて、京都脱走メンバーは覚慶を脱走させた実績?ある者たちとしました!!

歴史から見ても間違いなくこの時点で三好の息の掛かった者はいないと判断しての者です。

そして、本編中に気になる言葉ありませんでした?

え?ジャンケンが気になると?・・・まぁそう言う方も居るでしょう・・・

え?ハイタッチがいいねと?・・・まぁそう言う方も居ますね~・・・

え?やっぱり朽木くつきなのね?・・・某有名WEB歴史小説の舞台ですしね~架空の登場人物は今の所朽木の当主としては出て来ませんよ!!

「耐え難きを耐え」が気になると!!

そう、この一文を見て思い出されるのは玉音放送のお言葉です。

この放送を生で聞いたと言う方は流石に読者の皆様の中には居ないでしょうが、昭和天皇の生のお声を収めてラジオ放送で流したお言葉の一部です。

「思うに、今後帝国の受くべき受難はもとより尋常にあらず、汝臣民の衷情も朕よくこれを知る、然れども朕は時運の赴くところ、堪え難きを堪え、忍び難きを忍び、もって万世のために太平を開かんと欲す」と言う言葉の一部抜粋ですが、とても有名な言葉となりました。

さて、本文中では「難きを」と書きましたが、実際の原文の用字では「難きを」となっているようです。

じゃあどう違うの?と言えば、精神的な我慢の際には「堪える」を使い、物質的に保つ意味の際には「耐える」と使い分けることが多いようです。

昭和天皇と足利義輝の堪える(耐える)が同じ位なのかは計り知れませんが、違うと考え敢えて変えてみました。

この玉音放送に纏わる裏話は可成り色々あるのですが、また別の歴史ものでそれに関わるものを書く時にでも披露できればいいかな~と思いますのでここまでで後は割愛します。

この物語で義輝の逃走が上手く行くのかそれとも・・・

次回はいよいよ将軍様のご登場!!


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