第97話

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◇~~~~~~◇


京に到着し山エも・・・山科様のお宅へ伺うと御在宅で快く迎えて頂いた。

今回も俺含めて供の者もこちらに滞在してよいとのお言葉、実にありがたい。

弟子たちを紹介すると「長が弟子を取る様になったか~」としみじみと考え深そうに言ったので、冗談めかしに女の子の弟子たちの出会いと経緯を話したら「長よ!弟子は買うものでは無いぞ!!」と何時もこれを話すと言われるセリフを言われたよ。

実は俺もそう思っているから反論はしないぞ・・・え?自分でも思ってたの?て、驚くなよ!!

山科様は「それでも長らしい話じゃ」と言っておられるが、俺らしい?・・・まぁ、可哀想で買っちゃう現代人感覚が完全に抜けきらない、え?現代人感覚あるなら逆に買わないと?・・・まぁ何だ、金があったしな~・・・後悔はしていない!!

さて、山エもんに相談だ!!


「実は、山科様にご相談がありまして・・・」

「長が相談?珍しき事もある!よいよい、聞いて進ぜよう!!」

「実は~」


徳川ミッションを説明したところ何でもその話を近衛殿下より聞いたと言う。

何でも三河国出身で京の誓願寺せいがんじ住持じじゅうだった泰翁たいおう慶岳けいがくと言う僧侶がこの件で近衛殿下を頼られていたそうだ。

山科様も「近衛殿下よりご依頼されている仕儀じゃった」よこの件の事を知る経緯を教えてくれた。

住持じじゅうとはお寺の住職さんのことです。元々は持住職を略して住職や住持と呼んだ様です。)


「ほほほほ~長よ久しいでおじゃる」

「はっ!近衛殿下もお元気のようで」

「ほほほほ~元気も元気よでおじゃる」

「何よりです」

「して、松平の件でそちも動いていると聞いておじゃるが?」

「実は松平家康殿とは旧知の仲で某の友に御座る、今回は助力願いたいと家康殿の家臣の酒井殿に頼まれまして・・・」

「ほ~左様でおじゃるか!」


今回の依頼の経緯を話すと近衛殿下より現在は調べておるが中々理由になりそうな物が見つからないとのことだ。

う~ん、「徳川」に変わるのは歴史で知っている俺としては何かあんだろ?と思うが、現段階で見つからないのなら仕方ない・・・等と諦める訳にはいかん!!

だってさ~友達が頼んで来たのだから自分のやれることを精一杯やる!これ重要!!

さて、どうしたものか・・・あ!そう言えば、霜台爺さんと孫次郎さんに話した将軍殺しってそろそろだった気が・・・何かのドラマか小説かで見たような?確か将軍義輝のママと奥さんは近衛家出身で奥さんは目の前にいる近衛殿下の妹だったような?

これって近衛殿下に教えたら恩に感じて動きが可成り変わるか何とかしてくれるんじゃないかな?


「近衛殿下!」

「どうしたでおじゃる?」

「いえ、他言無用でお話したき件が御座います」

「ほほほほほ~其方が他言無用とはあな恐ろしきや~」


俺は「天啓」と言うパワーワードを使い近衛殿下に三好家による将軍殺しの事を知っている範囲でお教えした。

同席していた山科様も驚いている。

近衛殿下は何時もの陽気な雰囲気から一転、厳しい目つきで此方を見つつも思案しているようで手に持つ扇子を忙しなく動かしている。

考えでもまとまったのだろうか?扇子は動きを止めている。

そして、近衛殿下が言葉を発した。


「長よ」

「はい」

「それは「天啓」なのでおじゃるな?」

「そうで御座います」

「そうでおじゃるか・・・よくぞ教えてくれたでおじゃる!!」


そう言うとスクリと立ち上がり「山科卿、長、急ぎの様が出来たのでこれで失礼するでおじゃる」と言って去って行かれた。

将軍の襲撃前に近衛殿下も裏を取ったり必要な所に知らせたりなどなど暗躍が必要だろうからね~忙しいだろうけど、「松平の件は麿に任せるでおじゃる」と心強いお言葉を残して帰られた。

物の序に「出来らば松平家康殿に任官もお願いしたいのですが」と言えば、にっこりと笑いながら「そちらも心得たでおじゃる」と言われたので徳川ミッションはクリアー?

これからは近衛殿下のことは心の中で近衛もんと呼ぼう!!おお!!何か山エもんよりしっくりくるな!!

おっと、そう言えば未だにフリーズしている山科様を正気に戻しておいたぞ。

さて、歴史介入ではないが将軍殺しはどうなるかな~この世界線では阻止される?

でもな~陰謀論的に歴史あるあるでよく語られた話では近衛家は俺が知らせるまでも無く将軍暗殺計画を事前に知っていたとかどうとか。

近衛殿下の妹さんは三好側から保護されたとか昔聞いた様な・・・前世の記憶は少し曖昧だからそこら辺がよく解らん。

前世はそう言う意味ではNETで情報漁れるし便利と言えば便利だったね~勿論、ゴシップも多かったけどさ~調べようがあるって大きいよね~

さて、俺も忙しいのよ~師匠に啖呵を切った以上は京で旗立てて挑戦者募集しないとね~

解り易い様に垂れ幕と大きな旗作らないとね~

ここは堺に一度出向いて依頼して立派な挑戦者募集の垂れ幕作らないと!!

何だか気合が入って来た~!!


★~~~~~~★


山科卿より長が帰って来たと聞き及び山科卿の家へと遊びに行くこととした。

主上も長に会いたいと言われておったし時期を見て会見の手配をするも良し。

山科卿よりくだんけんで長も相談して来たと聞いたのでその件も話すのに丁度良いと思い、長に会えば誠に面白きかな!

今度は弟子を連れて来たと言う。

そちらは先の用件を済ませてから詳しく聞くとしようか。


「ほほほほ~長よ久しいでおじゃる」

「はっ!近衛殿下もお元気のようで」

「ほほほほ~元気も元気よでおじゃる」


前以上に何とも言えぬ風格が漂ってくる。

上泉伊勢に劣るものではない様なそんな風格ではあるが、上泉伊勢の凛として物と違い泰然自若にして華のある何が飛び出すやれと思うようなそんな風格が漂う。

そう言えば、最初に会った時から予想天外の者であったと端と思い出す。


「何よりです」

「して、松平の件でそちも動いていると聞いておじゃるが?」

「実は松平家康殿とは旧知の仲で某の友に御座る、今回は助力願いたいと家康殿の家臣の酒井殿に頼まれまして・・・」

「ほ~左様でおじゃるか!」


早速とばかりに松平の件を持ち出せば、「旧知の仲」「友」と呼ぶ。

そして、その家臣から依頼されたか・・・その者とも仲が良いのやもしれぬな。

長の親しくする者という事は将来有望やもしれぬ。

今の内に縁を結ぶもこれ一興!

今回の件で縁も出来るであろうしこれを機に親しくするのも良かろう。


「近衛殿下!」


長にしては珍しく真剣な顔で声を掛けてくる。


「どうしたでおじゃる?」

「いえ、他言無用でお話したき件が御座います」

「ほほほほほ~其方が他言無用とはあな恐ろしきや~」


何やら面白そうでもあり怖い事の様でもあり、怖い物見たさとでも言うか、話すと言うのであれば聞くこととしよう。

何が飛び出すやれと内心は心躍らせ聞く体制を作る。

長の話す先に起こる出来事を聞けば背筋に冷たい汗が流れ落ちるが如く背筋に冷たいものが走った。


「長よ」

「はい」

「それは「天啓」なのでおじゃるな?」


確認と言うより己の心を落ち着ける為に聞き返すと、ゆっくりと頷きならが「是」と答える長。


「そうで御座います」

「そうでおじゃるか・・・よくぞ教えてくれたでおじゃる!!」


これは急ぎ麿の方でも調べにばなるまい。

そして、長が言うように叔母と妹を何としてでも助けることが肝要ぞ。

確かに長に言われるまでも無く長慶無き三好が目の上のたん瘤が如き者を放っておくことは無いと思うてはいたが、その反面で将軍にある者を弑逆するなどと言う事をあの者たちがするものか?と言う気持ちもあった。

しかし、「天啓」と言う言葉は重い!

長は何時もは飄々としておるがこと「天啓」については事例があると聞く。

恐らくは長の語った通りのことが起こるであろう。

主上にも奏上する必要があるが、主上に言えば漏れることは間違いない・・・

ご内密に主上にお伝えしたいが・・・どうしたものか・・・

将軍義輝・・・妹の夫で義兄弟ではある。

知らせる必要があるとは思うが、はてさて信じるかどうか・・・嘉吉かきつの変の例もあるし信じるか?

しかし、幕臣どもが厄介だ。

幕臣どもは京より将軍が逃げ出すことを良しとはすまい。

更には情報源の長は幕臣どもに嫌われておる。

かの者どもが長の知らせだと知れば反対するやも知れぬ。

それ以上に危険な者が三好と通じている者・・・知れば三好に漏れる・・・

何にしても線引きは必要であろう。

如何するか思案すると共に何か手立てがないかもう一度、長に協力して貰おう。

松平の件を何とかすれば長も麿の手伝いをするのに何も弊害など無かろう。

はてさて、忙しや忙しや!!


〇~~~~~~〇


近衛もんは山エもんよりぬかり無しですね~流石、関白!!

永禄えいろくの変がいよいよ起こる様です!!

前に説明しましたが「変」とはクーデター成功し世の中が変わることを言います。

本文中に出た嘉吉かきつの変とは1441年に赤松満祐みつすけが室町幕府六代将軍の足利義教よしのりを殺害し、領国の播磨で幕府方討伐軍に敗れて討たれるまでの一連の騒乱を差して言いますが、実はこれがややこしく、嘉吉かきつの乱とも呼ばれます。

将軍殺害までは変でそれを含めた一連の出来事を差して乱と言う人もいる様で現時点(2024年)ではどちらでもOKのようです。

さて、話は永禄えいろくの変に戻します。

1565年に室町幕府十三代将軍の足利義輝が、三好義継・松永久通ひさみち(松永久秀の息子)らの軍勢によって京都二条御所に襲撃され、殺害された事件を言います。

松永久秀をこの事件の主導者の一人とする記述が散見されますが、実際に事件に参加していたのは久通であり、久秀は大和国にいて直接関与はしておりません。

それに実際に御所巻き(将軍の居る御所を包囲)をして弑逆を言い出したのは三好三人衆であったとも言われます。

三好三人衆とは三好長慶の死後に三好政権を支えた三好長逸・三好政康・岩成友通の3人を差します。

いずれも三好氏の一族・重臣であり幾つかの書物で「三人衆」と記載があることから三好三人衆と一般的に呼ばれます。

松永久秀とは政敵的な関係でもあり、三好義継を実際に後見したのは三好三人衆であったことを考えても久秀が将軍弑逆を主導したと言うのは弱い気もします。

更に、その後直ぐに三好義継・松永久秀と三好三人衆は敵対関係になりますので計画を立てたのは三好三人衆ではないかとも言われます。

ルイス・フロイスの『日本史』には永禄えいろくの変の記載があるようで、それには足利義輝が事件前日には三好軍の襲撃を誰かに教えられていた様で、その日に一度御所を脱出しているようです。

しかし、近臣たちに将軍の権威を失墜させると反対され、義輝とともに討死する覚悟を示して説得されたようで、義輝は不本意ながら御所に戻ったという話が残っています。

この襲撃を知らせた人物は松永久秀・近衛前久・三好義継・伊勢貞助、辺りではないかとも言われていますが真実は闇の中です。

義輝の正室の大陽院(近衛前久の妹)は実家の近衛家へ送り届けられたが、義輝の生母である慶寿院(近衛稙家(前久の父)の妹であり、十二代将軍義晴の正室)は自害したそうです。

さて、主人公がどのように絡み事件が進行するか!

次回は主人公が巻き込まれていきます!!

そして、皆様!そろそろ何か必要と思いませんか?

お待たせしました!!

次回は紳士諸君待望のお色気要員追加です!!

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