第92話
いや~「神託」とか奥平さん改め奥山さんが言い始めたよ・・・
多分、あれが原因だよね?・・・莉里・春麗見るとそ知らぬふりをしている。
うん、それが正解だろう。
この事は墓まで持って行く秘密だ。
幽霊見たりだな・・・
さて、奥山さんと会えたので弟子たちにも一手指南してもらったが、やっぱりこの人の剣技凄いね~奥山休賀斎って確か上泉四天王だったっけ?・・・凄い訳だよ。
奥山さんはもう少し山籠もりを続けるとのことだったのでここでまた別れた。
また数年後には訪ねて来るかもしれないことも伝え、名残惜しいがその場を後にした。
さて、次に向かうは松平家康君の所。
久しぶりに家康君含めお付きの家来さんたちとも会うのが楽しみだ。
本多忠勝に会うの楽しみ~かつての鍋ちゃんが出世したものだ。
(出世していません、元服しただけです。)
存在進化してSSR本多忠勝だからな~HONDAだよ!!
(存在進化していません、元服しただけです。)
え?車みたいだって?・・・ローマ字表記なら同じだね~ってこの時代にはHONDAと言えば忠勝よ!!
正さん(酒井
手紙ではやり取りしているが会うのは数年ぶりだしね~
忠次さんが来るなら相談があると手紙に書いてたし、鍋ちゃん・・・SSR本多が槍の指南を願っていたし、
家康君も遊びに行くこと伝えたら楽しみにしていると手紙に書いてあった。
そうこうしていると家康君の居城が見えて来た。
岡崎城に向う途中に思うのだが何か物々しくない?
「長師匠、何か凄い物々しい感じ」
「そ、そうだな~・・・」
「城の方も何か騒然としてない?」
「う~ん・・・」
あ~今思い出したけど、この時期って三河一向一揆の真っただ中?
それに今川氏真が家康君の討伐を叫んでいるとか何とか道中で聞いたな・・・
そりゃ物々しいわ~
城前に行くと兵士より不審そうに声を掛けられる。
「何か用か?」
「某、従四位下 丸目蔵人長恵と申す。家康殿に会いに参った」
「従四位・・・し、暫しお待ちを!!」
あ~こういう時に官位って使えるよね~
少し待っていると懐かしい顔が此方にやって来る。
「おお!長さん!!お久しぶりです!!」
「おお!!正さん!お久しぶり!!」
正さんは意外と上の立場の様ですれ違う者たちが軽く会釈していく。
皆も待っているとのことで、早速、家康君の所に案内された。
「お~家康殿!お久しぶりです」
「あはははは~長さん、昔みたいに気易く呼んでください」
「では家さんと?」
「はい、それで」
「某の方こそ、蔵人様と呼ばなくてはいけませんね~」
「ははははは~長さんでお願いします」
お互いに笑い合い旧交を温めた。
弟子たちも紹介して今までのお互いの会わない間の話をして楽しく語り合った。
「長さんは一向宗をやり込めたことあるんですよね?」
「家さんは、今、一向宗と戦中?」
「お恥ずかしきことなれど、家臣もそれに組しており・・・」
「ふ~ん・・・如何すればいいか案があれば聞きたいってこと?」
「有体に言えば・・・」
「う~ん・・・家さんが先頭で戦ってみたら?」
そう言うと家臣の者たちが騒ぎ出し一瞬物々しい雰囲気になるが、手でその場を家さんが抑え続きを聞かせて欲しいと懇願して来た。
「何故に某が先頭で戦うことを提案された?」
「あ~家さんの家臣だった者たちは家さんと戦いたいのかな?」
「戦いたいと言うより不満があって一揆を起こしたと思うのですが」
「そうだね~でも、それって自分たちが不満だから?」
「そうじゃないのですか?」
「あ~本願寺とかあの系列の寺って煽るのよ」
「煽る?」
「そう、「進めば極楽、退かば地獄」てね」
「あ・・・」
「思い当たるでしょ?」
家さんがこくりと頷く。
一向宗のプロパガンダがこれなんだよね~だからそれを信じる者は引くに引けない。
畿内の方は俺が顕如との勝負でその事突いてやり込めたので信じる者も大分減ったと聞くけど、まだまだ三河とかには浸透していないのかな?
いや、多分、都合が悪いから本願寺含めてあの連中は流布しないようさせないようにしているんだろうな~
面白そうなので家さんにある作戦を授けた。
さて、どうなるか楽しみだよ。
★~~~~~~★
長さんに幾つかの事を試す様にと進言された。
本当に上手く行くのかは解らんが、試してみるのは面白そうだと思い試すこととした。
「家康はここに居るぞ~~掛かって来い!!」
叫びながら先頭を切って戦場に躍り出る。
しかし、誰もが掛かって来ずに逃げて行く。
実に面白き事じゃ。
先陣を切って先頭に行くなど中々出来ぬが作戦なのじゃから仕方なし。
家来が止めるのも聞かずに儂は一向宗に向っていくが、元家臣たちは儂を避けるように逃げて行く。
それに釣られ雑兵どもも去って行く。
何もせずに勝った様なものじゃ!愉快、愉快!!
★~~~~~~★
殿に言われ一向門徒どもの中に紛れ込ませた間者の配下の者たちに「退いても地獄には行かないらしい」と
そして、頃合いを見て、「南無阿弥陀仏」と唱えれば極楽浄土へ行けるのだから態々戦場に行かなくても極楽へは行けるのではないか?と言う更なる噂を巻いた。
そうすると不思議な事に農民たちが少しずつ少しずつ一向宗の陣営から消えて行くと言う報告があった。
人心掌握とはこのようにやる物かと家康様の慧眼に驚き慄いた。
しかし、後で知らされたが家康様のご友人の丸目蔵人様が考案された策と言う。
是非とも色々とお聞きしたいものではあるが、今は戦の
落ち着いたら一度、家康様に願い丸目様に色々とご教授願おう!!
★~~~~~~★
「南無阿弥陀仏!ウリャー!!」
一向門徒を槍で突く度に掛け声として「南無阿弥陀仏」と唱えながら鎮圧する。
途中で渡辺殿と会うた。
槍名人の御仁と戦えるとは実に愉快!!
「
「おお!渡辺殿、槍を一手ご所望する」
「ふん!小癪な!!」
お互いに得意な獲物が槍であるし槍勝負できるとはこれ一興だ。
「己は「南無阿弥陀仏」と唱えながら門徒を殺しまくっているそうだな!!己は地獄に落ちたいかーー!!」
「いやいや、親鸞聖人は「南無阿弥陀仏」と唱えれば衆生が救われると説いたのであろう?」
「ほう、馬鹿がよう知っておるな!!」
「馬鹿・・・まぁいい・・・」
「それがなんだ?」
「おう、そうじゃ!それは己たちだけの話では無かろう?」
「それはどういう事じゃーーー!!」
槍を繰り出しつつも話しながら打ち合う。
儂は長さんに「相手を打ち倒す際は「南無阿弥陀仏」と唱えろ」と言われそれを実行した。
長さん曰く、これを行うと馬鹿が釣れるらしい。
目の前に馬鹿が釣れて聞いてきよる。
「唱えれば誰でも極楽へ行けるとは素晴らしい教えじゃ」
「おお!お主も分かるか!!」
「おう!じゃから実践しておる!!」
「へ?」
「唱えながら殺して行けば良いのであろう?」
「それは・・・」
「まさか違うとは言うまい?」
顔を青くした渡辺殿は
「渡辺殿!逃げるとは卑怯ぞーー!!」
「う、五月蠅い~~!!これは戦略的な撤退じゃ~~~!!」
「ふん!逃げよったわ・・・わははははは~勝ち名乗りぞ!!」
一向門徒どもは渡辺殿が逃げると同じく蜘蛛の子を散らしたように逃げて行った。
「えいえい!!」
「「「「「おーーーーー!!」」」」」」
「えいえい!!」
「「「「「おーーーーー!!」」」」」」
★~~~~~~★
いや~上手く行ったよ。
数カ月に渡って苦しんでいると言う家さんもここまで上手く行くとは思っていなかったようで驚いている。
家さんの配下の服部君も上手く情報を蒔いたようだし、八さん(本多忠勝)も上手く行ったと態々俺の所に急ぎ戻り報告して来た。
何でも渡辺何とかと言う槍上手の者と相対して言い放って来たと自慢げに言っていた。
そして、気に入ったとのことで倒した一向門徒の者の数珠を首から下げて「南無阿弥陀仏」と言いながら刺し貫いて回ったとのことだ。
とんだバトルジャンキーのウォーモンガーを作り上げてしまったのかもしれないと戦慄を覚えた。
まぁ天下統一と言う大望があるであろう家さんには願っても無い人間兵器をプレゼントしたと思っておこう。
さて、俺も動くとするか~
〇~~~~~~〇
今回はうんちく入れてみますが、何方が良いか比較をお願いします。
さて、SSR本多忠勝!元鍋ちゃんが槍の半蔵こと渡辺守綱と激突?しました。
不戦勝的な感じですけどね~
忠勝は徳川四天王・徳川十六神将・徳川三傑の何れにも入っている徳川きっての功臣です。
ちなみに井伊直政、榊原康政も全てに入っています。
本多忠勝は更に三英傑(信長・秀吉・家康)から褒められたことでも有名です。
信長から大変に褒められ「天下統一成れば武蔵一国を宛がう約束」を取り付けていますがこの話の流れが実に秀逸です。
信長が「英雄と言われる者は数多いるが誰が最も優れていると思う?」と家康やその家臣に聞きます。
皆、ヨイショして「信長」と言います。
酒井忠次は「源頼朝」「足利義満」を引き合いに出してそれらより優れていると誉めそやします。
そんな中で聞かれた忠勝は「それは我が殿(家康)でしょう。仁篤く、臣下を慈しみ、戦では勇猛、上様(信長)がいなければ天下を統べるは我が殿以外ござらん!」的な事を言ったそうです。
勿論、場の空気は凍り付き、忠勝を斬ろうとした者も現れたと言うから皆ドン引きしたんでしょうね~
そんな中で信長は大喜びして上記に述べた約束をしたそうです。
本能寺で信長が亡くなって約束は反古となりましたが実に面白い逸話ですね~
本多忠勝は他にも色々語れるうんちく盛り沢山の武将です。
多いので面白い物抜粋で1つ。
実は今回の舞台となった三河一向一揆では、多くの本多一族が一向宗となり敵となる中で、忠勝は浄土宗に改宗して家康側に残り武功を挙げたのです。
それからは徳川家でも一線級の活躍をしていきます。
姉川の戦いでは朝倉軍の豪の者である
三方ヶ原の戦いでは甲斐武田家の赤備え部隊の
合戦は大小合わせて57回に参戦して結構な割合で最前線を任されたようですが、傷を負ったことが無いと言うから驚きですね~
そして、忠勝が死ぬ数日前、小刀で自分の持ち物に名前を彫っていた時、手元が狂って左手にかすり傷を負ってしまったそうです。
忠勝は「本多忠勝も傷を負ったら終わりだな。」的に呟きます。
そして、その言葉通りになったという逸話が残っています。
辞世の句は「死にともな、嗚呼死にともな、死にともな、深きご恩の君を思えば」と言うものを残しているそうで、死にたくないと連呼しているのに最後は「深きご恩の君を思えば」と死んでしまったらこれ以上家康に奉公出来ないと嘆くとは実に忠勤の士と言える人物らしい句ですね~
次は丸目部隊が活躍します!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます