第91話
三河に到着した。
これから奥山と言う名前通りの山奥を目指す。
キャンパー奥平は山籠もりで修行をしているらしいが、奥山明神と言う神頼みで兵法を極めようとかなってないね~え?神頼みはお前も変わらんだろうと?断固として否定する!!俺っちは兵法については神頼みした事無いぞ!!全ては努力の賜物です!!え?他は?・・・中々に痛い所を突いて来るな、今日も鋭い突込み!!
さて、遊んでないで奥山明神を探すこととした。
村人に教えて貰うと最近山籠もりしている修験者がいると言う・・・多分、修験者ちゃうから。
兵法者!多分・・・
「キエェー!!」とか言う声が聞こえるから荒行をしているだろうと?・・・いや、荒れてて何かを斬り付けているだけだと思うぞ。
弟子も今回多くいるし修行の邪魔をするのも申し訳ないので修行場から降りて来るのを待つこととした。
その間に弟子たちとも楽しく修行だ!!
我が丸目道場は楽しいがモットー!!
え?修行は辛いもの?ははははは~最新の修行は楽しく健康に強くなれるだよ!!
え?悪徳セールスのバッタ商品みたいなフレーズだと!!いやいや、楽しければ修行に没頭できる、没頭できれば修行が進み強くなるし、その間に健康維持も重要でしょ?
強くなって不健康になるとか何処のNETゲーマーだよ!!
まぁキャンプしながら楽しく弟子たちと修行をすることとした。
「師匠!その奥平殿とはお強いのですか?」
「おお、強いぞ」
「是非とも私も奥平殿に一手ご教授願いたい」
「あ~多分、頼めば応じてくれるぞ」
待ってる間に
近くの川で鮎・
偶にはいいよね~こういうのも。
修行ちゃうやろと?いや、修行です!!キャンプの様に見えるのは気のせいです!!
美羽・真里・莉里・春麗も楽しそうだし、吉兵衛と咲耶は・・・ラブラブですね・・・
寿斎と九朗は「山籠もりも良いものだ」等と言っているがこれ山籠もりと言うよりキャンプだからな。
あ・・・修行です・・・
でも山籠もり=キャンプみたいなものだ!!
(違います。)
「それにしても何時降りて来られるのです?」
「何時だろうね・・・」
ここに到着してから早2週間ほど過ぎるが降りて来る気配が一向に無い・・・
遠くから村人の言っていた「キエェー!!」とか怪鳥の様な奇声や他にも変な掛け声が聞こえて来るので生存しているのは・・・間違いなさそうだ。
「もう少し待ってみるか・・・」
「解りました」
早いもので1カ月が過ぎた。
弟子を含め俺もそれなりに長閑に山を堪能しているが、飽きた・・・それに、奇声・快音がここ数日聞こえてこない。
「長師匠~奇声聞こえなくなったね~」
「そ、そうだな・・・」
心配なので見に行くこととしたが、念の為に俺一人で見に行くこととした。
若しかすると行き詰って
この時代の人間に
山を登り奥へ進むとお堂があった。
中を覗くと一心不乱にむさ苦しい男・・・奥平さんが祈っている。
あ~生きてるみたいで安心した。
立ち去ろうかな?と思っていると「ウォーーーーー!!」と叫び出した。
ビックリするだろうが!
しかし、少し落ち着くと少し大き目の声で独り言ちり始める。
「何も解らん!!自分の流派を立ち上げてやろうなどと大それたことを考えたのがそもそもの過ちじゃ!!山に籠り、神に祈り、心身を鍛えたが何も掴めん!!俺に才能など無いのじゃ!!」
あ~大分煮詰まってるね~壊れる一歩手前かな?
頃合いを見て強制的に下山させる?
「何か煮詰まってるね」
「だよな~」
「え?・・・」
一人で来たのに声がする・・・それも聞きなれた声・・・
声のする方を見ると春麗と莉里が居た。
「おい!」
「長師匠、シー、バレるよ、バレる」
「おう、すまん・・・」
莉里に怒られた・・・いやいや、何でこの二人ここに来ちゃうかな~
奥平さんの威厳はこの瞬間に、多分、木っ端微塵の塵となったよ。
「あ~何か動き始めた」
俺と莉里が話している間も様子を見ていた春麗が伝えて来た。
奥平さんがその場に立ち上がり木刀を振り始めた。
「「お~凄い!!」」
それを見た二人が同時に感嘆の声を上げた。
確かに技の切れが素晴らしく動きも・・・うん!素晴らしい!!
しかし、声が聞こえたのか動きを止めて周りを見回している。
「何?・・・今の声は・・・」
あ・・・ヤバいやはり聞こえたようだ。
見つかる前に退散だな。
「二人とも行くぞ」
「「は~い」」
小声でやり取りしてその場を離れもと来た道を引き返した。
流石にあんなぶっ壊れた姿を見るのは悪いし、奥平さんもあんな醜態を見られたとなると恥ずかしいだろうからそっと退散することとしたんだよ。
決して・・・まぁいいか~
遠くから「ウォーーーー!!神よーーーー!!」とか聞こえるが・・・気にしない気にしない。
★~~~~~~★
ここ奥山明神に籠ってからどれ程の時が流れたであろうか?
幾日も幾日も木刀を振り神に祈りを捧げ日々を過ごし、開眼を目指す。
信綱師匠の師たる愛洲殿も霊験により開眼されたと聞く。
某もそれに倣い故郷近くの奥山明神に籠って日々、霊験を得ようとしてはいるが、未だにその兆しはない。
場所が悪い?・・・いや、奥山大明神様を疑う己の祈りがまだまだ足らぬのだ。
更に一心不乱に祈りを捧げる日々を送るが以前と何も変わらぬ。
ある日、とうとう限界が来て祈りの最中に恥ずかしくも叫び声を上げ泣き言を言ってしもうた。
「ウォーーーーー!!はぁはぁはぁ・・・」
俺を何をしておる?あ~開眼を目指していたんだった・・・開眼したか?・・・
「何も解らん!!自分の流派を立ち上げてやろうなどと大それたことを考えたのがそもそもの過ちじゃ!!山に籠り、神に祈り、心身を鍛えたが何も掴めん!!俺に才能など無いのじゃ!!」
今の心の内を全てさらけ出し叫んだことで少し気が楽になった。
そうすると、無性に剣を振りたくなりその場で木刀を握り立ち上がると型をなぞる様に自分の今考えている秘剣の動作を素早くなぞる。
「「お~凄い!!」」
今一瞬、女人?いや、二重の人とは思えない様な声色の声が「凄い」と某の動きを褒めた。
誰か居るのかと思い見渡すが誰も居ない。
こんな山奥に来る者は稀であろうし・・・
「何?・・・今の声は何じゃ?・・・もしや・・・若しやして!!・・・奥山・・・大明神様のお声!!」
「凄い」とお褒めくださった!!
そうだ!某は凄いのだ!!神が認めた剣技!何を恥じ入ることがあろうか!!
更に数日その場で木刀を振るが二度とお声掛けは無かった。
しかし、一度はお褒め頂いた!!
もう随分とここに居続け食料も底を付き掛けていることにハタと気が付き、一度下山することとした。
意気揚々とお堂を後にして山を下ると山籠もりをする一団に出くわした。
「お!やっと降りて来た!!」
「おお!!懐かしいな!!長!長だよな?息災であったか?」
「某は何時も息災よ」
「ははははは~長らしい、それで此方の者たちは?」
「あ~俺の弟子だ」
「ほぅ~長の弟子!長が弟子を取る様になったか・・・」
あの長が既に弟子を取り後継の育成を始めている。
某は長よりも年嵩なのに未だに修行の身・・・負けてはおれぬ!!
「それで、定国さん、何か掴めた?」
「おお!聞いてくれ!!神よりお褒めの言葉を頂いた!!」
「へ~~~ソウナンダ・・・」
俺は長やその弟子たちに神よりお褒め頂き開眼せし事を伝えた。
今日より奥平ではなく奥山大明神様のお名前を頂戴し奥山と苗字を改め奥山流、いや、奥山神影流と名乗ろう。
神の影ではなく声を聞いたのであるが、信綱師匠の新陰流を基本としておるし神影と付けるは良い考えと一瞬の閃きが舞い降りた。
これぞ神託か・・・神を感じる。
おお!これがもしやすると長の感じる「天啓」なのかもしれぬが、人により感じ方も違うのであろうから比較するのも詮無き事よ。
今日より某は
〇~~~~~~〇
実は主人公の声で神託と初期段階では考えていたのですが、知人の声を聞き間違うと言うのも何か不自然かな?とか思って色々考えていたのですが、女の子の弟子を取ったことでこの弟子の声で神託をと考えました。
しかし、実はこれもこれを書いた3日前にこれから会うのに1人の声だとバレない?とか色々思うと考えが煮詰まって書いている途中に閃きました!!
多分、作者に神託が下りたのです!!
あ~すみません・・・調子乗りました。
さて、次回は家康君に会いに行きます!!
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