第88話
♡4,000オーバー!!
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今日は1話多めのUP!!
頑張りました!!
◇~~~~~~◇
最近は長慶様が昔の事を懐かしむ様に儂に語る。
見舞いに行く度に長慶様の時間が減って行くのが解るがそれを止める手立てはとんと思いつかぬ。
考えてみれば長慶様の弟君である
その後も弟君の実休様、嫡男の義興様が立て続けにお亡くなりあそばされた。
今年に入り長慶様の弟君の
長慶様のご判断で調べるようにと言われ、確かに冬康様の実状を報告したのは儂じゃ。
口さがない者は儂が
その事実を儂は長慶様にお伝えし、断腸の思いで長慶様は冬康様に切腹を命じられた。
両方が両方共に三好の為を思っての事であろう。
やるせない気持ちになるが、意見は食い違ったのだ致し方ないことではあった。
しかし、その事が更に長慶様の心を蝕んだ。
泣いて
「久秀、居るか?」
「はっ!ここに居ります」
最近は弾正ではなく昔の様に久秀と呼ばれるようになった。
これも昔を懐かしんでなのかもしれぬ。
「儂はもう長くなかろう・・・」
「長慶様そのような事は・・・」
「良いのじゃ・・・しかし・・・儂が死した後の三好家の事が気がかりじゃ・・・」
「問題のうこの久秀が後を継ぎし義継様をお守りします」
「そうか・・・時に」
「はい、なんでごじゃいましょう」
★~~~~~~★
堺の街に来て1カ月ほど経つ。
直ぐに師匠たちの方に出向く予定であったが、師匠は里帰りしていると言う。
里帰りならまた京に来るだろうから行き違いになるのもと思い堺で帰りを待とうか考えてたのである。
そんな折に霜台爺さんが訪ねて来た。
久しぶりに会う爺さんは大分焦燥した感じが見て取れる。
三好政権も斜陽の時期だし大分苦労している様に見える。
「霜台爺さん!」
「何じゃ?」
「辛気臭いぞ」
「そうか・・・」
「連日来ておるが何か頼みか?」
多分、俺に何か頼み事でもあるのであろうが言い淀んでいる。
俺と爺さんの仲だから遠慮はいらんと思うが・・・若しかして!借金か!!
確かに俺は金を結構持っているが、三好の重鎮が満足出来る程の借用は無理だ!!
あ~そりゃ言い淀むかもな~親しき仲にも礼儀あり!「金を貸す=与えると思え」とよく言うが、「金を借りる=信用を捨てると思え」なのだ。
勿論、直ぐに返せば問題無いが言い淀むほどの金を借りるとか・・・絶縁モノだ。
「爺さん・・・金か?」
「いや、違う」
「そうだよな~天下の三好の重鎮が金を貸してくれとか言い淀むよな~」
「だから違う!儂は長慶様に」
「ん?長慶殿のお使い?・・・それなら早く話勧めんと家臣として不味くない?」
「その・・・」
「はぁ~霜台爺さんらしくないな~某を陥れようとでも思っているの?」
「儂がそんなことをするか!!」
「じゃあ早く言おうよ」
霜台爺さんのお願いを俺は聞き入れることとした。
爺さんに連れられて三好長慶と会うこととなった。
え?マジ?天下人に会うって緊張するわ~おしっこ行っとかないと、て、爺さんが「こっちじゃ早よ来い」と言ってどんどんと城奥に連れて行く。
警護の者だろうか?俺をジッと見詰めて片手が腰の刀に添えられているんだけど?
「長慶様、丸目蔵人長恵殿を連れて参りました」
「おお!我儘を言って済まぬな・・・」
「いえ・・・」
「儂の最後の頼みを聞いてくれて感謝する」
「長慶様そのような・・・」
霜台爺さんが肩を震わせているから泣いているのかもしれない。
さて、弱っているとはいえ天下人の巨人、三好長慶だ。
どんな人物であるか・・・
「久しいな~」
「あ・・・」
そこに横たわる人物は爺さんがかつてお連れで連れて来た
「孫次郎さん?」
「おお!覚えておってくれたか!!」
「え?三好長慶殿で?」
「ははははは~そう、三好修理大夫長慶と申す。この名ではお初にお目に掛かるな。寝たままで申し訳ない」
「いえ・・・」
言葉が出なかった。
あの威厳が間違いなく会った者の中で最高の人物が只のお付きや護衛であるはずが無いという事に今思い当たった。
確かにあの威厳は数々の偉人に会った俺にしてトップと言っていいものであった。
「して、会いたいとのことですが」
「ああ、まだ久秀より続きは聞いておらなんだか・・・」
「何かお願いごとでも?」
三好長慶のお願いは「天啓」にて三好家の行く末を教えて欲しいと言うものであった。
さて、ここが問題である。
三好家はこの後更に憂き目にあう。
将軍殺しの悪名は永遠に残る・・・聞かせて良いものか?
死出の旅のお土産に悪い事ではなく良い様に言って送り出すことも出来るが・・・
「如何された?」
「いえ・・・」
「ははははは~悪い話の様ですが、それが事実なら聞いたとて恨み申し上げぬ」
「しかし・・・」
この場には俺、長慶、爺さんの3人だけだ。
本当に聞かせていいものか迷う。
「長・・・いや、丸目蔵人様!どうか主の最後の願いを!!」
爺さんが額を擦り付け俺に懇願して来る。
「解りました・・・先に起こる未来では御座います。お教えいたしますが、他言無用に願えます」
「おお!勿論じゃ!墓まで持って行こうぞ!もう直ぐじゃしそれまでは誰にも話さぬわ」
「儂も全ての儂の持つ茶道具に誓おう!平蜘蛛は長の物じゃがな」
二人とも良い笑顔で俺にそう答えた。
その後、三好家に起こる出来事を知っている範囲となるが語って聞かせた。
「将軍殺し」の話を聞かせるとやはりと言う顔を二人ともしたので何となく予想していたのかもしれない。
そして、織田信長により追い込まれて同族で争うこと等々を話し終えて、家は残るが権勢は保てないことを告げたが、「家が残る」事に安堵したようで、そうかそうかと涙ながらに感謝された。
何もしていない、知っている未来を教えただけだ・・・
日本で最大の悪人と聞かれれば松永久秀と言う者がいる。
何を行ったか?・・・三大悪行としての逸話が残る。
その中に将軍殺しとある。
しかし、近年の歴史研究において将軍殺しには松永久秀が関わっていなかったとも言われる。
何故関わってもいない者に汚名が付いたのか、真実は闇の中だ。
〇~~~~~~〇
今回の三好家の流れは予め初期構成で決めていましたが上手く書けたか・・・
松永久秀で有名なのは以前に出した平蜘蛛ですが、もう一つよく語られる話があり、その事で日本史上最大の悪人と呼ばれます。
松永久秀の悪行として行った行為を三大悪行と言われ、1つ目は将軍の足利義輝の殺害、2つ目は主君の三好義興の殺害、3つ目は東大寺大仏殿を焼き討ちしたことでそう言われます。
しかし、1つ目と2つ目はやってないのでは?とも思えます。
悪人も限界突破的に行き着くとこまで行き着くと恐れられ一目置かれるのでそれを狙って本人自らがプロパガンダ活動でも行ったんじゃないの?とも思えますがはてさて。
皆さんはどう思われますか?
私は意外に松永久秀は忠義人で主家の汚名を被った様な気もしないではないです。
事実、実行指揮者の三好義継が将軍弑逆とはあまり言われないですよね?
勿論、三好義継が三好三人衆に嵌められたって説もありますが、実行した事実は変わらないにも関わらず将軍殺しの汚名は松永久秀にあります。
さて、極悪人、松永久秀の実状はどんな人物だったのか!!
興味に駆られますね~
主人公でないのにこんなに松永久秀にクローズアップした作品・・・自分で書いてて他で見たことないなと今気が付きました・・・
この話は是非とも感想頂きたい話です!!
お時間ありましたら感想宜しくです!!
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