第87話

作品フォロワー様600名突破!!

作品フォロワー様 感謝!!

お礼の一話・・・早過ぎて無理っす!!

数日は1日1話UP頑張ります!!


◇~~~~~~◇


毛利は大きゅうなった。

大内の傘下に居た時分からは考えられぬ事よ。

大内が内部分裂し毛利家にとって絶好の機会が訪れた時、前年に聞いた噂が真実となった事に驚きおののいたが、天の采配に感謝した。

その天の采配を言うた者を丸目蔵人佐長恵と言う九州の国人の倅だった。

丁度、放っておった間者の知らせでその御仁が堺へ向うと聞き会いとうなり丁重にお迎えす居るように指示を出したが、行き違いがあった様で失礼な形で連れて来られたが、そのやり取りを聞けば実に面白い御仁であり息子の1人が興味を持ち一緒に会ったは何年前の話であったであろうか?

時は経ちその人物は更に光り輝き、堺に行けば顕如上人を手玉に取り、朝廷に個人で多額の献金をしたとの噂が流れて来た。

献金の額は凡そ六千貫以上と言う。

噂を聞いて直ぐに毛利家として朝廷への献金を行った。

全国の大名では最初の献金という事で朝廷からの覚えもめでたかった。

更に時は経ち、その若者は「従四位下 蔵人くらんど」と言う官位を得た。

息子の隆景がその若者と文をやり取りしておるが、今は九州に戻っておると聞いておったが・・・今、大友の戸次道雪入道の傍らにおる。

大友がこの御仁を配下に加えたなどとは聞かぬし、今回の件で依頼をしたか?


「やあ、隆景殿、久しぶり!」

「これは・・・何故、あなたが大友家の戸次殿と一緒に?」

「え~話は簡単で、知り合いの道雪殿に頼まれたから!」


珍しく隆景が狼狽うろたえよる。

かの御仁はあの時以上に堂々としたたたずまいで平然と答えた。

やはり、と思うた。


「その方は大友に味方すると言うか?」

「あ~これはこれはお久しぶりですね~吉川殿」

「答えい!!」


もう一人の息子が噛みつきよった。

この二人は初めて会った時より馬が合わぬようであるが・・・


「元春、やめい!!」

「しかし!父上!!」

「今は話し合いの場ぞ!」


叱責すれば押し黙った。

その場を収めた事でかの御仁へと目を向けて挨拶を交わす。


「久しいな蔵人殿」

「はい、ご無沙汰しております、右馬頭うまのかみ殿」


お互いわざと官職名で呼び合う。

察しが良い事よ。

打てば響くと言うようにこちらの意図を読んだように儂の官職を呼びよる。

会談が始まるとやはり荒れた。


「して、大友家は此方に仕掛けて来た詫びが先の様に思うが?」


恵瓊えいけいが吼えた。

安国寺あんこくじ恵瓊えいけいがこの当時に毛利の旗下にいたかどうかは知りませんが、毛利の交渉と言えばこの人物と思い登場させました。)


「先に事を起こしたわ、毛利家であろうが!」


やはり揉めた。

揉めようと引く訳にはいかぬか。

三日目に事は起こった。


「あんの~を~これ何時まで続けるのです?」


蔵人殿が如何にも飽きたと言うような態度でそう言うと、その場の者どもは固まった。

だが、直ぐに双方の者どもが目を剥いて丸目殿を凝視して吼えた。


「「何!!」」


その後は絶え間ない怒号の嵐である。

丸目殿の言い草ではないが、本当に何時まで続ける気じゃ?

儂は丸目殿に問いを投げ掛ける。


「それで?蔵人殿は何やら言いたいことがおありのようで」


さて、何が飛び出るやら。


「双方ともに構っている暇あるのですかな?」

「それはどういう意味かな?」


「双方」?「構っている暇」?・・・今はこれ以上に重要な事があろうか?

そう思うておると丸目殿がぽつりと漏らす。


「尼子」


儂はハッとした。

今現在、尼子の事を下に見る者は我が家中に多い。

尼子の城の一つ白鹿しらが城を落としたはほんの最近のこと。

「尼子など虫の息ぞ」とうそぶく者までいる程だ。

虫の息であった毛利が盛り返したのも儂の代での話なのに過ぎた過去は忘れよる。

舐めて良いことなど一つも無し。


「ははははは~毛利家はここで和睦した方が宜しいようですな~」


大友側の者が意気揚々とそう述べる。

蔵人殿は一度そちらを見ると溜息一つまたぽつりと語る。


「竜造寺に島津」


大友の者たちは理解できないと言うように聞き返す。


「その二家が何か?」

「今後、勢いが出て来る家と某は見ますが」


島津は解らぬが竜造寺、かの家は侮れぬ。

儂が確かにと思う一方で大友の者どもは理解出来ぬと言うように騒ぎよる。

丸目蔵人長恵、「天啓」を聞き、「天狗様」の弟子と嘯く、しかし、事実、この者の行うことは全てに於いて儂の先を行く。

何を見ている?・・・国人の倅風情と舐めていると痛い目を見る。

その国人の倅が今や従四位下の官位を賜る者ぞ!!

この御仁に一国与えれば忽ち周りを併呑し気が付けば日ノ本を全て平らげてしまうのでは?と夢想してしもうた。


儂の寿命も後何年持つものか・・・遺訓の一文に「丸目蔵人長恵と敵対相成らぬ」とでも付け加えようか。


★~~~~~~★


あ~大友側はまだまだ竜造寺も島津の事も舐めてるね~

まぁ解らないでもないけど、竜造寺はこの数年後で更に急成長するし、島津なんてきちがい戦法の捨てがまりとか使うウォーモンガーよ、それに島津は幕末でも活躍する位の家だからね~本当に大友は毛利以上にこんなことに構っていられないんだけど理解して無いよね~

未来を知る俺だから言えることで、現時点では大友の人間にとっては「何言っているの?」だろうね~


「それはそれは、流石のご慧眼ですな~」


褒めた素振りの口調だけど完全に馬鹿にしているよね~

現に目が笑っているし・・・

まぁ大友さん家の問題だし~後は知らんがな。


「それはそうと、双方で何が問題でこんな無駄を重ねるんです?」

「「無駄・・・」」


言い合いしていた大友側の武将さんと毛利側の僧侶が目を点にして此方を見る。

利権争いでその利権自体を失う恐れもあるし、他方で失うこともあることを理解は出来ないのだろうか?


「いや、ここらで手打ちと致そう」

「そうですな」


元就爺さんと道雪さんがそう言うとその場は収まった。

俺から見れば他人事で歴史通りで俺が介入しなくても、多分、話纏まるよね~位の軽い気持ちで参加していたので早く済んで助かるよ。


10年と経たない内に毛利家の大躍進を成した巨星がこの世を去る。

元就の遺訓には有名な「三本の矢」や「天下を競望せず」等があると言う。

その中の一文に「丸目蔵人長恵殿と反目することなかれ」と言うものが有ったとか無かったとか。


〇~~~~~~〇


豊芸和談ほうげいわだんはこれにて完結です。

次は堺に行きます!!

何故この時期に堺いえ、畿内に行くか!

重要な歴史的出来事の中でもある人物と最後のお別れ必要ですよね?

そう、三好長慶です。

同じ「」の最後の時に主人公が関わって来るのは私にとって重要な事と感じますので三好長慶に会いに行きます!!

私のこだわりです!!

この物語では重要人物として豊臣秀吉と徳川家康と言う2人の天下人が主人公の今後に色濃く関わって来る予定です。

ですが、三好長慶の最後に関わりたく組み込みます!!

どの様な事になるか!

さて、越前朝倉の名将の朝倉宗滴そうてきと言う人物が居ます。

行き成りなんだ?と思うでしょ?うんちくです!!

この人物の「武者は犬ともいへ、畜生ともいへ、勝つことが本にて候」と言うセリフを見かけることは色々な戦国歴史ものではよくあると思います。

宗滴は他にも「日本に国持人使の上手よき手本と申すべく仁は、今川殿今川義元甲斐武田殿武田信玄三好修理大夫殿三好長慶長尾殿上杉謙信毛利某毛利元就織田上総介方織田信長関東正木大膳亮方正木時茂」と言ったそうです。

毛利元就だけ毛利某もうりなにがしと下に見ている!!

下に見ているにもかかわらず、毛利元就と言う人物が褒めざるおえない程の人物だったことを表していて実に面白い!!

そして、三好修理大夫殿がやはり挙げられています。

これは当たり前ですけどね~

ただし、北条氏康とか尼子晴久とか入っていないのが、う~むと思いますが、それはある程度の好みかな?とかにも感じます。

更に、織田信長と正木時茂が入っているのが実に幅広く世の中を見ているな~と思いました。

朝倉宗滴はすでにこの時代には居ない人物で登場しないのが実に残念です。

そう言う事でうんちくで登場させました!!

さて、何故に先に長慶に会いに行くとネタバレするか!それはこのうんちくをマシマシに語る様な作品を嬉々として読む歴史ジャンキーの読者の皆様なら既に予想できると思ったからです!!

では、次は先に述べた様に堺に向かいます。

三好長慶とどう邂逅するかこうご期待!!

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