第85話

今日も頑張って2話UP!!

実はこの話の後の堺での話を皆様に早く読んで頂き、感想聞きたくてUP割と多めに最近上げてます!!

そう言う訳で、感想頂けると嬉しいです!!

あ~勿論、次の話も渾身の・・・取り合えず読んでみてください!!


◇~~~~~~◇


第二の故郷博多、博多の街よ俺は戻って来たぞ~~~~!!

心の中で叫んでおいた。

活気は以前より少し戻った?そんな気がするが、九州の最大都市だからそう思うだけ?・・・よく解らんが、やはり賑やかだと思う。

博多の街は紹さんや貞坊等々神屋の関係者と歩き回ったので割と顔が広い方だ。

「お!長さんお戻りかい?」等と声を掛けて来る者もチラホラ。

弟子たちはお上りさん宜しくキョロキョロと周りを見渡している。

中でも吉兵衛は特にキョロキョロしている。

寿斎もソワソワしているが、反抗期の彼はお澄まし気味にキョロキョロしている。

九朗も男性陣で一番落ち着いていると言うだけで、キョロキョロとしているのは同じだ。

女性陣は特にそういう事はない。

外国出身なので何処でも見られる立場だし、奴隷時代にここ以上の大都市に行き取引されたようなので慣れたものだ。

さて、向うは勿論、神屋である。

店先で店の者に会うと「あ!長さんお帰り!!旦那様に伝えて来るよ!!」と早速俺を見つけて紹さんに報告に向かってくれた。

店に入ると金蔵がおり忙しく働いていたが、俺を見つけると直ぐに寄って来て。


「蔵人さんお帰りなさいまし!」

「金蔵も変わりないようで安心した」

「はい!しっかりと商売に精を出しております」

「それは何より」

「今回はお連れさんが多いですね」

「おう、弟子たちだ」


金蔵に弟子たちを紹介した。

そして、そうしていると紹さんが奥より出て来た。


「紹さんただいま」

「長さんお帰りなさい。今回はどのくらい此方に居れますか?」

「そうだな~次はもう一度師匠に会いに行きたくてな」

「京ですか?」

「そうだね~堺に行って情報を集める予定」

「それが良いでしょう」


紹さんと話していると貞坊発見!


「貞坊!帰ったぞ~」

「長兄お帰り・・・流石にそろそろ坊は・・・」


早いもので貞坊も12~13歳くらいか?

既に跡継ぎ教育が始まっていて店に出ることもあると言う。


「そうか・・・じゃあ何と呼べばいい?」

定清さだきよと呼んでください」

「承った・・・」

「「ははははは~」」


お互いに笑い合い再会を喜ぶ。

やはり神屋は俺にとっての実家のような存在だ!

え?実家はちゃんとあるだろうって?・・・建て替わっていて実家感は全く感じ無かった・・・あそこに居る時は間借りしている感覚だったぞ。

俺の記憶に無さ過ぎてあそこを実家と思えない。

ふざけて振り回した斧で切りつけた柱の傷も無いし、寝ぼけて空けた壁の傷も無かった・・・え?だから建て替わったんじゃないのかと?・・・俺の幼き日の思い出の詰まったボロ屋はもう俺の記憶の中だけだ・・・

さて、思い出薄い実家の話はここまでだ!!

今回俺は九州を巡り名を轟かせた!

(いえ、既に色々と違うベクトルで名を轟かせていました。)

次はいよいよ京での伝説を作る時だ!!

(前世の道場の爺様からの受け売りを聞いて何となく覚えているだけです。)


数日すると俺の下に色々な者が訪ねて来た。

中には道場破りの様に俺に挑戦状を叩き付けて来る輩も居る。

この場合はお約束の「弟子がお相手します!」である。

ある程度はふるいに掛けないとな~それに、弟子たちの良い実践練習にもなる。

同じ者同士で戦うだけではなく、こういう挑戦して来るような野心ギラギラの者とも戦う事や他流派の技を見ることは実に有意義な事なので挑戦は全て買うこととしている。

美羽と真里が、「「長師匠に喧嘩売るとか万死に値する!!」」とか行ってる。

おお!難しい日本語を言えるようになったね~師匠として誇らしいよ!!

え?・・・そこポイントがズレてるって?何処がだよ!!

まぁ意見の相違だな。


「御免!此方に丸目蔵人殿がお出でと聞きまかり越した!!」


あ~何か聞き覚えある声だな~と思い声の方を見ると鑑連あきつらさんがそこに居た。

お~懐かしいね~しかし、頭剃っちゃって如何したのよ?


「鑑連殿!お久しぶりです」

「おお!長恵ながよし殿、お久しぶりだ、いや、今は従四位下の蔵人様とお呼びした方が良いかな?」

「いえいえ、前と同じく好きな様にお呼びください」

「わはははは~そうか、そうか、では、以前同様に長恵ながよし殿と呼ばして頂こう」

「はい、そうしてください・・・所で、頭を丸められて如何されたので?」

「いや、なに、主である義鎮よししげ様が出家されて法号を名乗られたを機に儂も出家して今は麟伯軒りんぱくけん道雪どうせつと号しておる」


つるつるの頭を撫でながらそう言う鑑連さん改め道雪さん。


「では、某は道雪殿とお呼びすればよいかな?」

「おお!そう呼んでくだされ!!」


さて、今回、何故に大友家の重鎮の戸次べっき道雪が態々俺を訪ねて来たかと言えば、大友家は現在、毛利家とドンパチの真っ最中なのであるが、将軍家より物言いが入って大友と毛利の和議の御内書ごないしょ(将軍からのお願いの手紙)が届いたと言う。

犬猿の仲の大友・毛利で京からワーワー言われても信用ならないと毛利から突っぱねられたと言う。

一応は大友家筆頭宿老として道雪さんが調停しているが上手く行っていないとのことだ。

そこで、毛利家家中の重要人物の小早川さんと仲の良い俺が博多に居るという事で、その調停に協力して欲しいと打診に来られたとのことだ。

道理でこんな大友家の重臣が態々ここまで出向くのはおかしいと思ったが・・・

さて、小早川さんや元就の爺さんとも会いたいし、道雪さんの頼みだここは一つ出張ることとしよう。


〇~~~~~~〇


史実でもこの時期は大友と毛利がバチバチで、門司城もじじょうの戦いで毛利に敗れた大友義鎮は出家して休庵きゅうあん宗麟そうりんと号し、宇佐八幡宮へ寄進を表明し、毛利に対する戦勝祈願しました。

同時に毛利の事を「侵攻である」と非難し、「八幡大菩薩の神敵」とどこぞの坊主本願寺顕如時代の寵児織田信長にやった似たようなことを叫び毛利を糾弾しています。

これは以前から大友宗麟は幕府や朝廷の権威を利用しようとして献金を行い幕府から九州探題きゅうしゅうたんだい、朝廷から左衛門督さえもんのかみを任官されています。

幕府より貰った九州探題と言う職は何が凄いかと言うと、この職は元々が大内の物でしたので、大友宗麟が今は無き大内の家督も継げることを意味します。

これは毛利が所有している旧大内領を切り取る大義名分となる物です。

また、朝廷から貰った左衛門督さえもんのかみと言う官位は従来の大友氏家督の「修理大夫しゅりだいふ」より上位の官位であり、当時公家以外では畠山氏以外には任官されていなかった高官なのです。

この二つで権威的理論武装したのですけど、毛利が手強くて更に宗教的な理論武装を試みたのが先に上げた出家からのお布施や寄進からの避難・糾弾となる訳です。

「全てにおいて毛利が悪いから皆協力しろ!!」と言いたい訳ですね~

しかし、毛利が本当に手強くて大友宗麟は一時方向転換して大内利権を一旦諦めて九州内に集中しようと試みたんですかね?

将軍の義輝に毛利との和睦の調停を依頼します。

北九州の支配権の確立・権益の確保を実現する為だと一般的に言われています。

はい、ここで主人公を絡ませようと言う算段です!!

どうなる大友!どうなる毛利!何をやらかす主人公!!

次回は道雪と元就爺さんに会いに行きます!!


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る