第82話

さて、今日は1話多めにUP!!

時間つぶしの糧にどうぞ~


前話の答え

島津四兄弟(セットで1名換算)、大村純忠、鍋島直茂(義兄弟セットで龍造寺隆信)、百武賢兼(夫婦の美代さんもセット)、クマモン、そして今回登場します!!

さて、正解者は居るかな?


◇~~~~~~◇


長師匠がここのご領主様に会うという事で一人で向われた。

お付きの者として帯同することを申し出たが、長師匠から「ここの領主は少しヤバいから一人で行くぞ」と言われた。

危ない人なら護衛は必要じゃないのか?と思ったけど、長師匠が敵わないのに私たちが適うはずがないことに気が付いた。

長師匠に置いて行かれないように更に剣を磨く必要があるが、今日は何だかやる気が起きない。

ボーっと空を眺めながら長師匠の帰りを待つが、まだまだ時間はありそうだ。

長師匠が「場合によっては逃げるからな!!」と言うので城下町には入らずに近くの村に滞在した。

長閑のどかな所ではあるが暇だ。


「暇だ・・・」

「美羽は今日は稽古しないの?」

「朝したじゃない!」

「そうね~」


莉里がそう言うが、長師匠の事が心配で仕方ない。

暇でもあるし莉里たちは何処かに出掛ける準備をしている。

莉里たちは長師匠の事、心配じゃないのかな?


「莉里は長師匠の事、心配じゃないの?」

「あの師匠だよ?心配・・・無縁の存在じゃない?」

「・・・あ~言われれば・・・」


莉里に言われて少し考えたがその通りだという事に思い至る。

長師匠の心配は・・・するだけ、多分、無駄だ。

ここ数年の付き合いだから解る!!

飄々としながら何とかしてしまうのが長師匠だ。

「神のご指示?」と聞けば、「自分で考えたぞ」と言われるが、失敗しそうな理解できない様な事をしたかと思えば、それが何だか上手く行くのだから不思議だ。

色々噂で聞いた長師匠の事も納得してしまうから本当に不思議だ。


「皆暇だから釣りでも行く?」

「咲耶は釣り好きだよね~」


春麗が咲耶と話している。

長師匠に教えられて釣りを偶にするが、咲耶と真里はド嵌りしたようで、偶に長師匠と一緒に釣りへ行く。

私も長師匠と一緒に遊ぶのが羨ましくて着いて行くが釣れない・・・

どうやら私には釣りの才は無かったようだ・・・

暇を持て余している私は釣りで時間潰すのも有りかと考えた。


「暇だから私も行こうかな・・・」

「お!美羽が釣りとか珍しい!!」

「暇だからよ!!」


村人に聞くと近くの川で魚が取れるという事で私たちだけで行くこととなった。

男たちは振舞われたお酒を飲んで動けそうにない・・・

男どもを置いて女だけで川へとやって来て釣りを始めた。

釣れなくてもいい、ただの時間潰しだ。

しかし、やはり中々に釣れない。

もう他の者は最低1匹は釣り上げているのに・・・


「美羽!引いてる引いてる!!」

「え?私の?・・・」

「早くしないとバレるよ!!」


魚を逃がすことを「バレる」と言うらしい。

そう長師匠が言っていた。

私は慌てて釣り竿を持ち竿を上げる。


「痛たたたたた!!」


人が泳いでいた様でどうやら釣り針を体の何処かに引っかけてしまったようだ・・・

やはり私には釣りの才能は無いらしい・・・


「ふ~痛かったわ~」

「ごめんなさい・・・」

「あ~ええ、ええ!儂がおるの解らんかったろ?それにしても、見ない顔やな」

「あ~私たちはここの者じゃないから・・・」

「ほ~そうか・・・むむ!!」

「ん?如何したの?」


その人は私たちをマジマジと見詰め頭を捻りながら私たちの事を指さして話す。

私と咲耶を順に指さしながら彼は当たり前のことを言う。


「嬢ちゃんとそこの嬢ちゃんは鴉天狗さんの所の子孫さんかいな~」

「え?解るの?」

「おう!知り合いだしな~」

「へ~・・・え?・・・」

「そっちの2人は天女の所の子孫さんか~」


莉里と真里を差してそう言うが、普通に莉里がその事に応える。


「あ~長師匠にそう言われた~」

「ふ~ん、人にも解る奴がおるんやな~」


そう!師匠は何でも知っている!!

私は胸を張って長師匠の自慢をする。

いや、先に


「私たちの師匠は物知りなんだよ~」


莉里が自慢げに言う。

私の言おうとした言葉を取った!!


「ほ~それは凄い修行でもして仙人にでも至ったか?」

「仙人?」

「おう!人を超えた者じゃな」

「へ~」


この人も物知りだ!変な格好をしているけど、長師匠はよく「外見で見下す者は下品だ」と言う。

私もそう思う。

奴隷の時には黒い肌と言うだけで見下されていた。


「お!嬢ちゃんは仙人の末裔の様やな~」

「へ~私のご先祖様は仙人?」

「ははははは~そうやそうや!」


今度は春麗のご先祖様について語る彼。

その人とは色々話した。

実に面白い人だ。

恰好は・・・うん、変だけどこういう人々もこの国には居るのかもしれない。

それにしても、長師匠のように色々知っていて物知りだ。

楽しい時はあっという間に過ぎた。


「おう!気を付けて帰れよ~」

「「解った~」」


莉里と春麗がその人に答えながら手を振った。

私たちも手を振った。

彼も手を振ると


「それじゃあな~(ドボン!!)」


その人はまた川に飛び込んで去って行った。


「長師匠~おかえり~」

「おう!春麗、ただいま~」

「私のね~ご先祖様は仙人なんだって~」

「へ~・・・仙人!」

「うん!緑の人が教えてくれた!!」

「緑の人?」


皆であの人の事を長師匠に説明したら「カッパ」と言う名前だと教えてくれた。

緑色で背中に甲羅を背負い不思議な人だった。

長師匠曰く、天狗とか天女と同じ様な存在だと教えてくれた。

またその内カッパさんに会って色々話したいな~


「よし!春麗は何か言われたら仙人の末裔と言っとけ!!」

「うん!」


〇~~~~~~〇


九州は河童伝説の残る地でもあります!!

何時かどの作品かで河童を登場させたかったんですよね~

実は妖怪と言われる河童ですが、水神としても知られます。

元々は河太郎かわたろう河童かわわらべとか言われたそうですが、「」が変化して「」と言う説があります。

川・沼・海に生息したようで、博多湾とかにも昔は居たと言う伝承が残っているそうです。

河童は水神様が零落した姿らしいのですが、水神様のお供え物にきゅうりが上げられることから河童はきゅうり好きと言うのが伝承として言われているようです。

河童は善良な者として語り継がれる場合もありますが悪事も働く悪い存在としても語り継がれています。

尻子玉しりこだまと言う人の尻にあると謎の物体を奪う為に人を溺れさせたりします。

今回は善良な河童として書きましたが、何にでもそうですが善悪があるようです。

クマモンに続きお遊び回という事で、お楽しみいただけたなら幸いです!!

次回、百式・・・百武登場!!

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