第68話

奴隷、いや弟子たちは6名の女の子だ。

一番上のが19歳で下が11歳となる。

最初に出会った女の子もそうだが全員が痩せこけている。

奴隷に対しての待遇が良くないと言うのが如実に解る。

特に女の奴隷は見た目重視なのでここに居る女の子たちはこの時代では美人にカテゴライズされないのかもしれないが、それは多分この時代の美人と言うのがふくよかなのが原因だろう。

見た目から言うと普通に可愛いし、最初の黒人種の女の子と一番年上の19歳の白人種の女の子は令和の時代なら間違いなくトップクラスの美女になるんじゃないの?と思う程に目鼻立ちが綺麗だ。

今はガリガリ一歩手前なほど痩せているから不健康な女の子にしか見えないが、磨けば光ると言う感じだ。

他の女の子たちも飛びぬけてと言う訳ではないが十分にかわいい。

(注:元奴隷の女の子たちとの会話はポルトガル語ですが、・・・以下略)


「ご主人様」

「ん?俺のことか?」

「はい」


年長の娘が話しかけて来た。

どうやらこの娘たちのリーダー的なポジの娘の様だ。

年齢的なものだろうけどね~それにしても、これだけ美人なのに何故売れ残ったと思わなくもないが、年齢がネックなのだろう。

戦国期の女性の婚姻年齢は14歳位からと聞いたことがある。

ロリ・・・若い方が好まれるのだ。

19歳とかになると年増としまとか言われて少し行き遅れ的な見方をされる時代で、20過ぎれば大年増おおどしま扱いされる価値観なのでこの娘は売れ残ったようだが、それだけでは無く痩せているのも要因だろう。

まぁそれは置いておくこととして、「」何てパワーワードだろうかと思うが、もう彼女たちは奴隷では無く弟子なのだ。


「そうか、これからは師匠と呼べ!!」

「はい・・・師匠・・・」


さて、名前を聞かないと話し辛いな。


「そう言えば、皆の名前を聞いていなかったな、名前を教えてくれ」

「名前ですか?」

「そう、名前だ」

「あの・・・奴隷に名前はありません」

「もうお前たちは奴隷でなく俺の弟子だぞ」


彼女は困惑しているがどうしたのだろうか・・・


「あ~奴隷になる前の名前があるならそれを教えてくれ」

「はい・・・マリーと言います」

「おう!俺は丸目蔵人長恵だ」

「まる・・・」

「長でいいぞ」


にっこりと笑いながら言うと「はい、長師匠」という。

く~~~~!!長師匠!いい響きだ!!

感動している場合では無かった。


「何故、名前を名乗るのに躊躇ったんだい?」

「え~と・・・奴隷の名前はご主人様が決めるものなので・・・」

「へ~そうなんだ・・・」


犬猫じゃないんだからなとは思うが、奴隷は物扱いされているのでそれが普通なのだろう。

「出来れば名づけをして欲しい」と言われて困惑したが、「新しい自分たちになる為に是非」よ言われ全員に懇願されたので名前を付けることとした。


「マリーは・・・真里まりとしよう」

「マリ」

「おう!この国の字で言うとしんさとと書く」

「しんのさと」

「おう!本当の故郷という意味だな」

「はい!ありがとうございます」


本当にうれしそうに名前を仲間たちとキャッキャウフフと話し合う。

眼福眼福!!


「ご主人・・・長師匠ありがとうございます」

「おう!」


次にもう一人の白人種の女の子に名付けた。

この子は真里の妹でリリーと言う名だったそうだ。


「よし!莉里で!!」

「リリ」

「おい!ジャスミンと故郷って意味の字で莉里りりなんだが・・・どうだ?」

「はい、長師匠ありがとう」


この娘も将来は姉に負けず劣らずの美人になると思うぞ。

最年少で11歳なのでまだまだあどけないしガリガリなので下手をすると男の子の様にも見えるが、これからこれから!!


次に最初に出会った黒人種の女の子で、真里と特に仲良しで助けて欲しいと懇願して来た。

真里は莉里のことを心配して売れ残る様にわざと色々していたようなので売れ残った面もあるとこの娘より教えて貰った。

さて、この娘名の前を決めよう。


「え~と・・・」


はねつばさ?そんな感じの現地語であるようだが何語かよくわからん。

よし!


「美羽はどうだ?」

「どういう意味ですか?」

「おう!美しい羽と書いて美羽みうだ!」

「美しい羽・・・ありがとうございます!!」


どうやら乗り切ったようだ・・・ホッとしているのも束の間、一人の黒人種の女の子がキラキラお目目で期待して御座る・・・

聞けば同じく現地語?で大いなる愛とかなんとか・・・


あいで・・・意味は大いなる愛だ!!」

「アイ!ありがとう長師匠!!」


そして、もう一人の女の子も凄い期待している様に見えるが・・・

現地の女神さまの名前らしい・・・No~~~~~!!

おいおいハードル高けえよ!!

これどうするよ・・・


「そうか・・・女神・・・」

「そう、女神!!」

「その女神さまはどんな神様だ?」


聞けば山の女神らしい・・・山か・・・山の女神と言えば木花咲耶姫このはなさくやひめかな?


咲耶さくやでどうだ?」

「どんな意味?」

「この国には木花咲耶姫このはなさくやひめと言う山の女神がいらっしゃる」

「山の女神・・・」

「そう、その女神さまの名の一部をいただいた」

「嬉しい、ありがとう」


ふお~~~!乗り切ったぞ俺!!

次だ・・・最後の一人は、お~日本人に近い黄色人種なので東洋人で間違いないだろうが何処の国の娘だろうか?


「前の名前を教えてくれ」

「チュンリー・・・」


チュンリーとは春麗かな?

この子はまだ可成り片言でポルトガル語にまだまだ慣れていない様だがさて、どうしたものか・・・


「チュンリーは春麗しゅんれいで、この国の読みそのままだ」

「ありがと」


何とか意味が通じた様でホッとする。

真里まり19歳、莉里りり11歳、美羽みう16歳、あい15歳、咲耶さくや14歳、春麗しゅんれい12歳が俺の弟子となった。


〇~~~~~~〇


うんちく入れようと思いましたが、今回の話で入れるのムズイ・・・

まぁ黒人種の咲耶の名前の由来の神の話を!!

山の女神、黒人種のいる国、等の少ない情報でどんな女神を予想されましたでしょうか?

作者はパールバティーと言うヒンドゥーの女神様を想定して書きました!!

「山の娘」と言う意味の言葉の女神様で、シヴァ神の奥さんと言われています。

山ってどこよ?と思いますよね~ヒマラヤらしいです。

面白いのがシヴァ神の最初の奥さんがいて・・・という事はパールバティー神は後妻となると思うのですが、実はパールバティー神は最初の奥さんであるサティーと言う女神様の生まれ変わりと言われています。

このサティーと言う女神様はブラフマー神の孫に当ります。

この女神様の肌の色は黄金色とされていますが、実は元々は黒色だったらしいです。

シヴァ神がこの肌の色を非難したらしいのですが、それを恥じたこの女神様は恥ずかしがり山籠もりして苦行を始めます。

それを哀れんだお爺ちゃんブラフマー神が彼女の肌の色を黄金色に変えたと言う神話が残っています。

そして、神の世界の面白い所は、この女神様と分離した黒い肌がカーリーと言う女神様になったと言う神話も残っています。

この女神様は悟〇とベ〇ータの様にシヴァ神とフュージョンしてスーパーゴ〇ータ・・・アルダナーリーシュヴァラと言う男女両性の神となります。

この神様の像を見ると片方には女性特有のオーパーツがあるところが面白いです。

女〇転生と言うゲームがありますが、そこに出て来るア〇ダーと言うのはこの神をモチーフとされているようです。

さて、次は伏線回収!!

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る