第56話
うほ~今週も「歴史・時代・伝奇の週間ランキング(2024/2/29現在)」にて8位!!
総合(週間)も467位で2作品が500位以内かも?
読者の皆様ありがたや~ありがたや~
頑張って今日も1話多めにUP頑張りました!!
◇~~~~~~◇
「上泉、そちの弟子なのだから、そちと手合わせした直光の弟子である我が丁度よかろう」
「それは・・・」
「何だ?我の腕では不満と申すか」
「いえ・・・」
「まぁ我もそれなりに腕には自身があるから変な手加減は無用ぞ」
「本当にそれで宜しいのですか?」
「構わぬ構わぬ」
丸目と言う者は口先だけの存在であろうから何の心配するのか解らぬ。
さて、着替えて来よう。
断りを入れ席を外すと家来たちが騒ぐ。
代表して我に意見する者がいた。
「大樹!!軽率ではございませんか?」
「ははははは~
「それは勿論に御座います!もしお怪我でもされましたら」
「ははははは~心配し過ぎぞ、そちも我の剣術の腕を知っておろう?」
「しかし・・・」
「心配するな、少しあの者の腕を見るだけよ」
「左様ですか・・・」
(弥四郎は
心配性の側使えではあるが、我のことを何より考えてのこの者の杞憂を言うただけであろう。
さて、では行くか。
元の庭に戻ると、上泉と弟子の丸目が何やら話しておる。
「そちらの準備は出来たか?」
声を掛けると2人ともこちらに気が付き目礼し、丸目が返事した。
「は!何時でも!!」
「そうか・・・では、始めるか」
先程まで吉岡と上泉が立合って
我は正眼に構えると丸目は目礼してから上段斜めに構えた。
上泉と同じく下段に構えると思っておったが上段斜めとは、いと面白し!!
構えからかなりの腕であることが見て取れる。
上段に構えているがスキが無い。
いや、スキはあるが誘いだと解るがそこを攻めれば我が打ち据えられる先が見える。
丸目もじっとこちらを見詰め微動だにしない。
あちらも動けないのだろう。
しかし、そう思うた途端に一歩間合いを詰めて来た。
慌てて一歩下がる。
また睨み合いになるが丸目が一歩進んだ瞬間に背に寒き物が走る。
何を狙った?
考えているとまた間合いを詰める丸目。
我は同じく間合いを外す。
しかし、驚くほどの速さで間合いを詰めて袈裟斬りに上段より木刀を振り下ろしてきおった。
何とか躱せたことにホッとする間もなく間合いを詰め今度はこちらの番と思った矢先、我の木刀が下から何かに跳ね上げられた。
瞬きの間に首筋に切先を添えられておる。
「参った・・・」
何をされたか皆目見当がつかぬ。
いや!恐らくは袈裟斬りの軌道が跳ね上がったように帰って来たのであろうが、どの様にすればそうなるか・・・見当がつかぬ。
再度の立合いを所望する。
「もう一手お願いする・・・」
丸目なる者は少し考えた様な
「それでは師匠と同じく無刀取りの妙技をお見せします」
面白し!!
宣言してあの上泉が使った妙技を行うようだが、あの妙技は「無刀取り」と言うのか・・・言われた見ればしっくりと技名が当て嵌まる。
しかし、先に宣言してすることを言ってしまえば不利になると言うにそれを言うとは!
では、その面白き試みに乗ってやろうぞ!!
我はまた先程と同じく正眼に構えると上泉と同じように態勢を低くし、片方の手を前に出し構えを取った。
「では、いざ!!」
★~~~~~~★
いや~将軍様はマジに強いね~何とか躱すの成功したけど冷や冷やだったよ。
掛け声と共に間合いを詰めて来て突きを繰り出してきた。
中々のスキの無い突きで躱すのがやっとだったよ。
その後に体当たりをかまして来た将軍様だけどこちらも負けじと受け止める。
そして、離れ際に木刀を横薙ぎにしてこちらが追う事を防ぐ。
間合いが最初の時と同じく開くと将軍様が声を掛けて来た。
「どうした?我から得物を奪えておらぬようだが?」
「ははは~そうですね、師匠の様に華麗に奪いたかったのですが、突きが見事で奪えませんでした」
「さ、左様か・・・」
次はまた突いて来る?
いや、袈裟に斬って来るか?
ひりつくような緊張で胃の辺りがムカムカする。
間合いを詰めて来た将軍様は先程と同じく突いて来た。
俺はリスクを取り前進して突きを躱す様に最小限動き、脇で木刀を挟むとそのまま両手で将軍様の袖口を掴むと投げ飛ばした。
すみ落としって知ってるかい?
またの名を空気投げと呼ぶ!投げ飛ばして倒れた将軍様を心配したのか将軍様の側近たちが「大樹!!」と叫びながら駆け寄ってくる。
そんなに強く投げてないし大丈夫だよ。
流石に権力者に大怪我させるとか後々怖いから俺も少しは気を遣うぞ。
ふ~それにしても変則ではあるが無刀取り成功?
次回、どうする?蔵人佐!!の巻
〇~~~~~~〇
昔の剣術は総合格闘技です!!
禁じては殆ど無いと言っていいかもしれません。
目つき禁的とかもありなので本当に何でもありですが、流石に練習の立合いとかでは暗黙の了解で危険行為はしないことが決まっていました。
もし万が一にもそう言う暗黙の了解を破ると、「卑怯者」のレッテルを張られます。
宮本武蔵はある意味では「卑怯者」呼ばわりされていましたが、真剣の立合いの事なので、武蔵を「卑怯者」呼ばわりする方がおかしいのですが、それを卑怯と捉える者も居ましたので宮本武蔵の当時の評判は余り宜しくなかったのかもしれません。
時代的にも戦国時代が終わりを迎えており、何が何でも勝つと言う物より武士道的に正々堂々と言うのをスタンダードにしたかった権力者側の兵法者であった
武蔵の剣捌きは余人の真似できる物ではない、武蔵だから出来ると言う事を言ったようですが、誉め言葉にも取れますが、時代的に考えてはたして誉め言葉だったんですかね?
実際には武蔵は何処にも仕官できず、弟子も
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