第49話

はい!こちら現場の丸目です!!

師匠に栗が美味いとか言ったから師匠も栗食いたい魔人と化しております。

しか~し、里近くの栗は地元民に取り尽くされており、ありましぇ~ん!!


「おい、長よ~如何すんだよ~」

「え?某のせい?」

「お前のせいだろ?」

「栗が無いのは某のせいじゃ・・・無いよね~?」

「まぁ・・・」


豊が俺のせいにしようとしてますが、魂胆は見え見えだぞ!!

付き合いもそれなりになれば解るんよ~此奴も栗が食いたいだけ~

まぁ気持ちは解る。

ここは気持ちを切り替えて・・・栗拾いに行きましょう!!

地元民に聞き山奥の栗のありそうな奥地に分け入り、栗をGETする為に向かいます!!

メンバーは若い俺と豊。

豊は「え~」みたいな顔しているけど、逃がさんぞ!!

定国さんもここが気に入ったと言って散策がてら別で探してくれることとなりました!!


「よし!豊よ、行くか~」

「何でお前はそんなに元気なんだよ~」

「え?栗やぞ?お栗様やぞ?」

「意味解らんが、師匠も期待してるし、俺も食いたいから仕方なし・・・」


秋の山行くんだし他にも色々取れたら取りたいね~

山舐めてました・・・高い山と書いて・・・この時代はここはまさに秘境です!!

栗見つける為に山に分け入ったけど、あ!行者ニンニク~あ!天然のシメジじゃ~ありませんか~とか思いつつ豊と一緒に山の奥地に入り込んだけど、現状で言えば迷子です・・・救いなのは栗GETした事かな~・・・


「長・・・間違いなく、今、儂ら迷子だよな?」

「ははははは~今、気が付いたのか?だいぶ前から迷子だ!!」

「ははははは~だと思ったよ、俺も薄々は解っちょったが・・・」


う~ん、今日は取り合えず野宿決定ですな~

幸いにして雨でなかったので助かった。


「お前さんらは態々こんな険しい山に入り込んで食材探しか?」

「まぁ・・・栗が食べたくて・・・」

「がはははは~栗か、栗は確かに美味うまいの~」


今日の下山を諦めて、少し開けた場所で豊と焚火をして野宿に備えていると、山伏やまぶしさんにお会いしました。

何やらこんな山奥で焚火始めたから様子見に来たそうです。

そして、この方はこの山を駆け回る修行中との事で、帰り道はこの方に明日朝教えて頂けることになりましたよ~

やっぱり慣れない山に入る時は現地民の案内必要ですな~

前世だったらGPSあるし、大体の山は整備がある程度され標識あるから余程でなければ迷子になっても何とかなるんだけど今は戦国時代、標識など皆無ですがな~

まぁ昭和から令和の整備された山でも遭難者が出るのが山だな。

戦国時代に土地勘無いのに山入ること自体がチャレンジャーなんだよ!自分で言うなと?そりゃスマンこって・・・まぁいいか~結果オーライや!!

お礼に取った食材で鍋作って山伏さんに御馳走しましたよ!!


「いや~有難い!」

「いえいえ、こちらこそ迷子の所をお助け頂き、帰り道まで教えて頂けるのですから、これ位はさせて頂けないと申し訳ありませんよ~」

「それにしても、君は料理上手だね~」

「いえいえ、素材が良いのですよ~」


この山伏さんにお礼で作った鍋は大絶賛されましたが、本当に大したことは無く、鍋に取り立てのキノコ含めた食材と味噌ぶち込んだ適当鍋なんだが自画自賛する訳ではないが美味い。

天然のシメジってマジ美味いんだな~香まつたけ味しめじとはよく言ったもんだよね~

豊も美味そうに鍋を食べております。

山菜も大量にGETしたので前世の令和の世でもこの鍋って中々の贅沢鍋じゃないかな~肉は入ってないけどね~


次の日の朝、山伏さんの案内で無事に自分たちでも帰れそうな位置まで案内して頂きました!!


「大変お世話になりました!修行頑張ってください!!」

「そっちも剣術の修行じゃろ?お互い頑張ろうの~」

「はい、それではお達者で!!」

「おう、気いつけて帰れよ~」


山伏さんを背にして山を下りようとすると


バサッ!!


後ろで大きな鳥でも羽ばたくような音がして豊と一緒に振り向くと、チラリと羽の生えた山伏さんが飛び立って小さくなった背中だけが見えました。


「て、て、て、天狗様じゃ!!」


豊は大騒ぎです。

「落ち着け」と声を掛けると豊より反論されちゃいました。


「長は天狗様の弟子だから慣れているじゃろうが、儂は初めてお会いする」


いや、もしあれが天狗なら俺も天狗初めて見たぞ!


「天狗かどうかは解らんだろ?」

「はぁ~?何言ってるんだ?空飛ぶ人など居らぬ!」

「まぁ普通の存在じゃないな・・・」

「長よお前も見ただろ?山伏の恰好に黒い羽を生やしとったぞ」

「そうだよね~」

「あれは天狗様じゃ!間違いない!!」


師匠の下に戻った豊は皆に「天狗様に会うた!!」と自慢げに言い放つ。

定国さんが非常に悔しがり「某も一緒に行けばよかった!!」嘆く事、嘆く事・・・

またも新しき存在Xに遭遇した一コマでした。


次回 さらば奥平の巻!!


(飛騨は天狗伝説の残る土地の一つです。日本各地に残るので昔は有触れた存在?だったのかも?知らんけど。一応は越中街道(富山と飛騨高山をつなぐ山道)など飛騨は天狗伝説の残る地です。天狗様は修験道の守り神とも言われおり、山岳信仰の修験者は天狗信仰をしている方多いです。修験道の開祖である役行者えんのぎょうじゃまたの名を役小角えんのおづぬは大天狗で人食い鬼の夫婦を弟子にして人に戻したと言う逸話が残っております。山岳信仰は奈良時代に仏教と結びつき密教と繋がったと言われており、密教の宗派である真言宗・天台宗では山伏の恰好をして外護摩そとごまを炊き、その残り火で火渡りの行と言う無病息災などを願う儀式を行います。しかし、元々この役行者の開いた山岳信仰は日本固有の信仰だったようです。飛騨地方は山深く山岳信仰が結びつきやすい土壌だったようで今でも天狗信仰が色濃く残る土地柄となっております。作者は天狗様は見た事無いですが、不思議な物は見たことあるし経験したことあるので天狗様も本当に居るかもしれませんね~読者の方も頑張って探せば・・・見つかるかも?知らんけど。)


★~~~~~~★


【注意】


ある読者様よりうんちくと後語りが多過ぎとのご指摘いただきましたが・・・本当にすみません!!

うんちく語りたくて書いてる作品で今まで通りのスタイルで書きます。

必要ない方はストーリー部分だけお読みください。

ストーリーには基本必要ないうんちく部分とストーリー部分は一応分けているので解り易い?と思います。

大体( )か★~~★で分けて知らなくてもストーリーを追えるようにはしております。

( )は知っていると少しはストーリーが面白くなる?

★~~★で区切っているのは完全に語りたいだけのうんちくですね~・・・すみません!!

中にはストーリーと関係ある部分もありますのでそこは少しだけ読んでみて注意ください。

後日、思いついたら何か解り易く対策します。

後半戦は歴史改変が少しは進む?し自分の知るうんちくの引き出しが無くなるだろうからうんちくは自ずと減ると思います・・・多分(確証はないです)

今まで通りうんちくOKな方は今回も下の残りの文章もお楽しみください。


★~~~~~~★


役行者は飛鳥時代の方で、600年の中ごろから700年頭に活躍されたようです。

呪術者と呼ばれますが、仙人と言う方も居ます。

以前にこの方の事調べたんですが、京都にある吉祥草寺きっしょうそうじと言うお寺でお生まれになったそうですが、このお寺は勿論、役行者生誕の場所として有名なんですが、それ以上にインパクトあることがあり固まりました!!


なな、何と!


世界初のとして祭る試みをしているそうです!!

マジか!!と思い調べてみたら、に・・・萌えキャラが!!

是非とも調べて驚いてください!!

「吉祥草寺 萌えキャラ」 で検索検索~!

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