第32話
「ほう、そちが丸目殿か!」
「は!初めて御意を得ます。丸目蔵人佐長恵と申します」
「よいよい、堅苦しい挨拶は好まん。しかし、挨拶は重要じゃな~しからば」
そう言うと居住まいを正し俺をしっかりと見詰めた後に挨拶をされる。
「今川
バカ殿って誰が言ったよ!!
今川義元って確実に負けたから貶められた人物の代表みたいな人だね~
多分、殆どの人が顔は白塗りで
まぁ、俺もそう思っていたから今目の前の人物見て驚いでいる。
眉は麿ってるね~でもそれ以外は全部違う。
白塗り?めっちゃ美白でテレビ出てくる人々並みのプルプルお肌。
お歯黒?白い歯っていいね!キラって光っているんじゃないかと言う程白いよ。
デブ?筋骨隆々で少しはズングリしてるね・・・
まぁ考えてみればソウダヨネ~経歴は元坊主で現在は40歳くらい、良い物食ってるだろうし中年太りは多少するけど言っても戦国時代、現代に比べれば粗食だし、運動もある程度するから言う程太らないよね~海道一の弓取りと言われるイメージにぴったりだよ!!
(今川義元は実際の容姿は解りませんが、名君と呼ばれていいくらいの人物だったのは間違いないです。色々と行った内容も残っている物だけでも中々の物なので有能です。信長に倒されたと言うより家康が今川家を裏切った形になったのが問題なんでしょうね~良くして貰ったのに裏切って信長と同盟結んだって凄くイメージ悪いので、今川家では不遇で、我儘な瀬名姫押し付けられて、今川義元もいけ好かない金持ち的感じの人物であれば裏切って当然みたいな言ってみれば家康擁護の風潮で貶められた人物だと思われます。)
「こちらこそお願いいたします」
「ほほほほほ~まぁ硬い挨拶もここまでとしよう」
「は!それで、お呼びと聞きましたが?」
そう、元康君と会話を楽しんでいたんだけど、急に呼び出しを受けて会見となった。
まぁ会えるなら会ってみたかったしラッキーとか思ってるけどね~
「丸目殿の噂がこちらまで聞こえて来ておるので噂の人物が駿府に来たと言うのだから会ってみたく思うのは普通の事よ、ほほほほほ~」
「さ、左様で・・・」
マジか~~~どんな噂だよ!!
あ~色々遣らかし過ぎたのでどの噂か特定困難、てか全部か?全部だよね~
「お、お恥ずかしい限りです」
「ほほほほ~今判官九朗殿は奥ゆかしい方の様じゃ!」
うは~殆どの行動がバレバレですやん・・・そりゃ高パラ武将だらけのこの場所で生き残るだけの武将だよね~ゲームだと微妙なパラメーターだけど武田信玄とか北条氏康とかの高パラ武将と渡り合えるだけはあるね~本当にゲームでの過小評価が酷いね~あ~でもそれは仕方ないか~ゲームは史実の全ての物を含めて評価するからな~本当に桶狭間がこの人物のパラメーターを阻害しているんだな~改めて思うよ。
それにしても、九州からの殆どの出来事を把握しているこの人物の情報収集能力スゲーな~ああ、あのお猿さんみたいなのを色々な方面にばら撒いているんだろうね~
「時に、丸目殿に聞きたいのだか?」
「何でしょうか?」
「その英知をこの駿河で活かしてみる気は無いかな?」
あ~士官のお誘いですね~だが断る!!今川義元がこの数年後に桶狭間で転がり落ちることが問題と言うより、俺の目指すのは武将じゃなくて剣豪!これ重要です!!
「お誘いの段、大変うれしく思うのですが」
「あ~言わずともよい、そうか~残念ではあるが目指すものがあるのであろう?」
「はい、・・・」
あ~この人物本当に惜しい。
元就とかにも通ずる懐の深さや思慮深さが会話の端々から見て取れるよ。
本当に信長は運が強いと思えるね~普通これだけの人物が油断するか?と思うけど、運と言うのは本当に理不尽な物で、今は国内最強の三好長慶も跡取り息子が死んだ後はもうボロボロだったと言うし、信長も最後は運に見放されてあっけない最期を遂げる。
今川義元も油断したと言うより運に負けた人物なんだろうね~
亡くすには惜しい人物だけど歴史に介入し過ぎる愚を犯す訳にはいかない!
え?お前が言うなって?何のことだ?言っている意味が1ミクロンも理解できないぞ?
理解しろって?はははは~俺はいいの!あの存在Xからも言われただろ?楽しめって!!
「話も尽きぬがあまり長く留めても仕方なし、今日は元康の所に泊まるのじゃろ?」
「はい、元康殿より今宵は飲み明かそうと誘われております」
「ほほほほほ~程々にの」
「はい、酒は飲んでも飲まれるなと申しますしね」
「その通りよ、酒にて不覚を取るは古今東西の失敗談に事欠かぬものよ」
「そうですね~」
「お、いかんいかん、まだまだ本当に話が尽きぬな、またの機会には麿とも酒を酌み交わそうぞ」
「はい、機会がありましたら、是非!!」
機会があるかどうかは神のみぞ知ることであるが、数年後、桶狭間でこの人物に信長が勝ち約束が果たされることは無かった。
天下にその名を響かせた海道一の弓取り、今川
★~~~~~~★
気が付くとどうやらあの丸目と言う若い兵法修行者との一対一の戦いに敗れ気を失っていた儂は仲間に運ばれたようで寝かされておった。
槍には自信があったがあんなどこの馬の骨とも知れぬ者に負けるとは・・・
ふと、仲間の方を見ると泣いておる。
聞けば3人で襲い掛かったが返り討ちになり屍をさらしたと言う。
儂より武芸の腕のある者はこの中に居らず、一番の儂が負けたのじゃから止めておけばとも言えないのが武士の面子だ。
武士は無駄と分かっても戦わなければならぬ時はおおにしてあるが、今回の件は犬死と言っていいだろう。
儂も生きていただけ儲けものと思えばそれはそれで良いのかもしれぬが浄土の教えを穢す輩をこのままのうのうと見逃しては死んで阿弥陀様に合わす顔も無し。
しかし、この恨み晴らさでおくべきか!!
後日、元康様より叱責のお手紙が届いた。
あの天魔に大人数で襲い掛かろうとしたことを含めの叱責であった。
何故に元康様は解らぬ!!浄土の教えを信じぬから解らぬのだろう。
仕方なしと言えぬが主君と言えども許せぬことはあるのだぞと思うが今回は我慢しておこう。
元服したてのこの青年は後に初陣で大活躍し槍の半蔵と呼ばれるようになる。
この時の悔しさをバネにしたかは誰も知らない。
(渡辺守綱、槍の半蔵と呼ばれる有名武将です。そして、徳川十六神将の一人です。まだこの当時は若いです。槍の半蔵と呼ばれたのは初陣ですが桶狭間以降です。ストーリーの関係上で浄土真宗に帰依しており武辺者で異名を持つ程の人物としては一番都合が良かったのでこの当時は元服したて位ですが登場させました。一応は若気の至り的に襲撃したってことで整合性は取っているつもりですが、諸事情により苦肉の策ですのでまだ他に齟齬あるものはお許しを!!)
※前話にも同じ話載せてますが私的に気に入らなかったので変更しました。こちらの話が正式版とします。一応は残しておりますのでどう違うかも比較してお楽しみを!!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます