第16話
お茶狂いの饗宴を何とか乗り切った?俺は心を落ち着かせるためにも木刀を振る。
日課の朝の鍛錬をしているが、何時もの様に夜が明けぬ内に鍛錬鍛錬!!
真面目か!!いや~実は令和まで生きた俺にとって戦国時代の早寝文化は寝るのが早すぎて日も昇らない内に目が覚めるから、最初のうちは暇つぶしでしてたんだよね~・・・それでいいのか未来の剣豪と思うが事実だし~・・・
それが習慣付くとしないと1日落ち着かない・・・剣豪も木刀振って必要な時に備えてなんぼだよね~俺偉い?当たり前か・・・
まぁ戦国時代というか昭和の時代位までは日本の文化的には早寝早起きしないと経済的に痛いんだよね~この時代も光熱費は馬鹿にならないからそれは豪商とて同じだよね~こういう経済観念がないと家は簡単に没落しちゃうよ!!
前世では金持ちがケチとよく聞いたけど、実際は使う時は此奴マジかと思うような大金を平気で使うんだよね~しかし普通の時は「え?金持ちだよね?」と思うほど普通。
まぁ金持ちが四六時中金使ってたら枯渇するよね~これ当たり前の話。
おっと無駄な話は鍛錬が終わったので終了だ。
鍛錬が終わると汗を流してから食事です。
宗さんから「食事法とかも何かある?」と探りを入れられたのでバランスの良い食事が重要なことを教えた。
実は紹さんも同じこと教えたぞ。
健康は一日にしてならず!!
まぁ戦国時代の食事は質素過ぎるので是非とも俺の居る間は1~2品増やして欲しい。
食事が終わるとそろばん塾の開講です!!
最初は神屋の時と同じく足し引き掛け割りの計算をさせます。
勿論、そろばん使っての方法とそれ以外も。
出来るようになれば複合計算をしてこれで簿記の計算の下準備完了!!
足し引き掛け割り出来ないとそもそもの話簿記出来ないので必須ですけど宗さんもやはりと言うかやり手の商人です。
紹さんと同じくそろばんの使い方は全員がマスターするように言明しました。
朝か夕のどちらかでそろばん塾に来ればOKなのでローテーションさせてます。
やり手の商人は何でも聞きたがるのは紹さんも宗さんも同じらしく最初のうちは本当に質問攻めなんだよね~簿記は教本でも作るかな~と思い作ったがこれが後々俺にとっての大事件の片道切符になるとは・・・
そうそう、何だかそろばんとか簿記に興味持った助五郎さんが視察?に来た。
嫌そうに付き添いで与四郎さんも来た。
嫌なら来るなよ~とは言わないよ。
向こうは大店の旦那様、こちらは田舎からはるばるやって来たお上り若侍。
喧嘩になりませんがな~金持ち喧嘩せずって言うけども賢明な貧乏人も勝てない喧嘩は売りません!!買いません!!まぁ嫌がらせは・・・ゲフンゲフン
「な、な、な、なんじゃこりゃ~!!」
昭和の刑事ドラマの名シーンよろしく絶叫する助五郎さん。
宗さんは自分のことのようにどや顔、与四郎さんもポカーンとしてますが驚いてる。
「丸目さま!!」
「あ~助五郎さん、様は必要ないですよ?」
「そうですか・・・では何とお呼びすれば?」
「ご随意に」
助五郎さんが宗さんの方を見る。
宗さんは「私は長さんとお呼びしてます」と言う。
ルビふってないから間違うなよ、「なが」だからな!!
間違っても「ちょう」って読んだら、「〇時だよ!全員集合ー--!!」とか叫んじゃうぞ~
ああ、「なんじゃこりゃ~」含めて令和生まれのゼロ世代や平成生まれのZ世代には通じないか~お爺ちゃんは寂し~今は若侍だけどな。
結局は助五郎さん改め
俺は何と呼べば?と思ったが名前の頭だと宗さんとダブるので屋号の
横目でもう一人を見ると、悔しそうな顔をしているが俺が見ていることを感じると顔を背けた。
う~む、仲良くとまではいかなくてもそれなりの付き合いしたいんだけど仲の良いお友達に自分より親しそうに呼び合う新しい気に食わない者が・・・考えれば考えるほど上手くやれる気がしません。
人付き合い難しいなり~
助五郎さん改め天さんも自分を含め数人をこちらに送り込んでくることとなった。
簿記をちゃんと覚えたらこの2つの商家も凄いことになりそうな予感がするが・・・俺って歴史を違う意味で改ざんしてるよね~大丈夫かな?・・・
★~~~~~~★
来てみればあの丸目何某が伝授するという。
正直、まだ蟠りが拭えていない。
教えるところを見てみれば「願いましては~」と言った後は呪文のように数字を言う。
そして、何やら少し変なそろばんを一心不乱に弾く納屋の者たち。
終わると手を挙げて丸目何某を呼び寄せる。
耳に手を当ててヒソヒソ話をしたかと思うと丸目何某が「正解」「残念でした」と言うに合わせて一喜一憂する者たち。
「な、な、な、なんじゃこりゃ~!!」
気持ちは解るが叫ぶな五月蠅い。
私も驚きポカーンとしてしまった。
助五郎もこれを学びたいと思ったようで丸目何某に詰め寄る。
「丸目さま!!」
「あ~助五郎さん、様は必要ないですよ?」
「そうですか・・・では何とお呼びすれば?」
「ご随意に」
話し合いの結果、丸目何某を長さんと呼ぶこととなったようだ。
助五郎は天さんと呼ぶように自分から言う。
天王寺屋の名が泣くぞ。
ふとその光景を見ていると悔しい気持ちとなる。
何だこの感情は?
次の瞬間、件の若侍と目が合った。
訳もなく目を背けてしまった。
何だか負けた気がするが何かで負けた訳ではない・・・
やはり気に入らぬ・・・
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