銀堂家五代目当主に成った漢
ここからは生き証人達から聞いた話が多くなる。無論、自分も含めて、
常和の次ときたら
その時代の空気感のせいか、皆やる事が型が外れていた。
歴史から見ればバブル経済後期とはいえ、当事者からすれば終わらない好景気。四代目である東雲慎吾は、再びの体裁を返すため銀堂家の一族の中から四人候補を挙げて、「この中で最も皆を納得させる方法で家の門を開けた者に当主の座を明け渡す」と約束し、家督争いを盛り上げる遊戯を提示した。
はしゃいだ三名の候補者は、己の贅と力を尽くし、ある者は大砲を持ってきて派手に門をぶち破る西洋かぶれもいれば、特注で男性の象徴を模した貫きで門を破壊する時のコント舞台のような方法を取る者もいた。そんな手間をしなくていいと、梯子を使って塀を登り、閂を外して門を開ける合理主義もつまらないなりにも存在した。
そんな中、次の当主と成る『
このままでは間に合わないと、お金を運ぶのを手伝っていたのちの郎党二人は焦っていたが、その妻が賭けてくれた金額で頭のネジが吹っ飛んでしまったのか、停車していたバスの中に入って乗客を降ろし、運転手を恫喝。彼女の対応に慣れている夫はその発想に便乗して「責任は俺が取るから」と郎党と妻、運転手を乗せた大型車両はその条件である門を突き破り、敷地内に侵入。
大砲を持ってきていた人間が当主に成りかけたが、五代目となる親父こと銀堂茂也が「鉄道会社からの賠償金とこの女の責任のケツを拭けるのは誰かな?」と澄ました顔をして、莫大な借金ぶら下げて登場するものだから一族全員から「お前しかいないだろうがこの
このあとの出来事は人を紹介するたびに話していこうと思うから一部割愛して、自分と親父の関係性について触れてゆく。
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