イニシャルK

 続いてやったのは、漫画から派生して生まれた「イニシャルK」というレースゲーだ。本格的な追体験とレースゲームが楽しめるということで人気のゲームである。


「最後にはうってつけのゲームだな」

「そうね。本物よりかはスリルないけど、面白いよね」

「なに?本物の走り屋を見たことあるのか?」

「うん、昔に三坂雲道の一部を借りて地元の走り屋がいて、おじいちゃんたちが走っていたんだ。実際その隣になってレースを楽しんでた」

「本当にいるんだな。映画とかアニメでの架空の奴らだと思ってた」


 そう言いながら機体に座り、コインとカードを入れてゲームを開始。オンラインプレイも可能だが、今日は相手がいるので店内対戦。


 腕をまくり元ネタの漫画さながらの気分で対戦に臨む。彼女も舌舐めづりをして、挑む。


 本物走り屋を見てきた経験をみようと走り出し遅めに出た。このゲームはどれだけガードレールにぶつからずに行けるかが重要だ。原作では手作りこんにゃくを崩さないように走るのがネタとしてある。ゲーム上ではコップが出てきてガードレールに当たるとこぼれるようになっている、そんな仕様もある。そんな中、彼女の走りを見て、ああ~とゲーム車内とできない方法で入り抜けていた。


 基本はアクセルだけを踏み、わざとガードレールに当たって減速をしているのだ。自分は原作通りドリフトしてコーナーを回ってインを攻める。この戦いは案外互角でゴールした時に、判定で何とか自分が勝てた。


「悔しい~」と敗北者の発言を聞きながら

「さすがに、リアルでこすってないよな」と質問して、「ゲームだからやれるんであって現実でやったらただの事故よ!」と、冗談に乗ってくれた。



  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る