第6話 大学日本拳法パラドックス(狂気に学ぶ正気)
拙著「思い出は一瞬のうちに」「名言集」に見る、「以て他山の石となす(他人のつまらない ? 言動でも、自分の役に立つことがある)」
○ 「日本拳法ってのはオナニーじゃねえんだ。」 → オナニーという言葉が狂気ですが、この方が仰っていることは、極めてまともです。相手の心を慮って、双方向性の会話・対話・討論・つきあいをする大切さを説いているのです。
明治の俳人正岡子規は、親友の秋山真之(のち海軍中将 (1868~1918))が子供の頃の、一方的にぶん殴る「味わいのないケンカ」をして、「見てくれもせぬ踊りかな」と評しました。
一方、真之の兄であった秋山好古(のち陸軍大将 (1859~1930))は、人徳のあるケンカ(戦争の仕方)をされていたようです(司馬遼太郎「坂の上の雲」)。
○ 「なに、熱が40℃ある ? 練習すれば治る」(主将) これには後日談があります。翌日、練習前の部室での幹部3人の部室での会話。(1・2年生はすでに道場へ行っていた。)
副将A:「風邪で死ぬ奴もいるらしいぜ。昨日はヤバかったんじゃないか ?」
主将:「しかし、馬の体温は42℃あるというからな。」
副将A:「いや、それは・・・・」(馬と人間は違う)と、言いかけた時、
素っ裸の女性が、股を開いて座っている絵が表紙の、週刊エロトピアという漫画を熱心に読んでいた副将Bが、おもむろにピンク色の顔をあげてこう言いました。
副将B:「山根は、ものをよう知っとるの。」
副将A:「・・・。」
この場には、少し遅れて部室に来た2年生が一人と、煙草の火付け係として、毎日練習前に一番最後まで部室に残ることになっていた私がいたのですが、2年生は口をあんぐり開けて放心状態。(私は笑いを堪えるのに必死でした。)
これも「単なる狂気」なのですが、私自身は大学卒業後から今日に至るまで、風邪や筋肉痛・関節の痛み・頭痛・虫歯にと、40℃(実際には45℃~50℃くらい ?)の熱いお湯(シャワーやサウナ・熱いお茶)で治してきました。(口腔内というのはかなり熱いお茶でもフーフーいいながら飲める。)そんな私にとって、解熱剤なんてとんでもない厄災としか思えません。
「40℃の高熱で練習」事件とは、他の1・2年生にとっては単なる「アホ」という程度の記憶でしたが、2日連続で彼らの「狂言」を観察できた私は「ホンマもんの狂人 !」という気持ちが強烈な記憶となり、大学卒業後の社会人生活の中で、「熱で風邪が治るのではないか」という推理・推考回路が働いたのでした。
まこと「毒を変じて薬となす」、狂気が正気となったのです。(但し、この温熱療法というのはやけどの危険がありますので、興味のある方は十分注意して試行して下さい。)
○ 「なんでもいいからぶっ飛ばせ。ケンカと同じだ。」
○ 「オレは一生青春だ」
○ 「OB ? 口はいいから金を出せ。」
○ 「日拳やってりゃ偉くなれるのかよ」
○ 「お客様にお願い致します。窓からの乗車は大変危険ですので、ご遠慮下さい。」
○ 「お客様が無聊(退屈)されてお る」
狂気の自分を見る正気の自分。先輩に強制されてやったことを、本来の自分として眺めることで、自分というものをより深く見つめることができた。
<ただの狂気>
○ 「お礼参りです」
○ 「焼き加減はいかが致しましょうか?」「生肉でお願いします。」
○ 「はよう来んかい !」
○ 「焼いたら食えるかな。」
続く
2024年1月4日
V.1.1
平栗雅人
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