壊れた僕は壊した君に憧れる

@87gi0808

第1話 悪夢からの目覚め

2113年突如として異星人達は地球に侵攻した。

彼らは圧倒的な技術力で人類を圧倒していたがどうやら補給が滞り攻勢限界になり戦線は膠着状態になった。



まただ、もう何回目だっけ一人ボッチになるのは。

小隊の機体はどれもピクリと動く気配がない。何でいつもこうなるんだろ。

当たりは血と火薬の臭いで充満している中通信が入ってくる

ズズ・・・ズ・・・・・・ツー

「こちら本部 ズズズ 隊、第4小隊応答を求む第二小隊が持ちそうにない。援護の要請が来ている」

「ア、こちら第4分小隊長に代り、ファーロン一等兵であります。あの」

「ファーロン一等兵、小隊長殿は?」

「いや、え、あの、自分以外は生き残りが・・・」

「なるほど・・・ファーロン一等兵撤退して構わない」

「了解しました。」

良かったと。私はなぜか安堵した。


私は当たり一面に広がる仲間の機体から状態の良い死体を取り出して空っぽになった弾薬箱に詰めて本部へとのろい足で帰った。本部に帰ると度々私は重量級のHV-04型を選んでおいて良かったとつくづく身にしみて感じる。この機体は旧型だけど重装甲に盾とバリアまでついてる。足が遅いのと武装が旧型30mm徹甲弾小銃しかないことと、部隊のための弾薬箱を背負ってることに目をつむれば悪くはない。

「ファーロン一等?貴様は弾薬箱に死体を詰めるのが趣味でここにいるのか?」

軍曹殿はまるで害虫を見るような目でイライラしながら私に話かけてきた。私は急造品の笑顔で適当な言い訳をした。

「これはすみません。そのままなのも可愛そうだなあって」

「なんだ死体コレクターか?こんな戦況じゃ遺族の所に渡せねえの分かってねえのか?頭いかれてんのか?」

「軍曹殿、全くそのとうりでありますが・・・いえ何でもありません」

「じゃあさっさと死体を弾薬箱からどこかに移動させておけ、お前少年兵がビクビクして補給をやりたがらねえんだ早くしろ。」

「了解しました」

私は仲間の死体を埋葬したあとに死臭のする自分の機体に補給をしてしばらく待機していた。私は指令を待っている間にあることに気づいてしまった。私は遺族に遺体を持ち帰ってやりたいのではなくそうするとなんだか自分の臆病がもたらした死に対する罪悪感が少し軽くなった気がすることに。次からはドッグタグだけ持って帰れば怒られなくなるかな。なんでいつも自分だけ生き残るか今日だけとても真剣に考えた。HV-04型以外の耐久が異常に高いからか?いや、私が部隊の弾薬庫代わり担っていからかからか?私が臆病過ぎるからか?何度考えてもわからない。


本部でしばらく待機していたある日私の次の配属先が定まった。上官曰く現在地から少し離れた所にある爆撃で焼けた都市の中に隠れる前哨基地らしい。前哨基地といっても周りは敵だらけだ。実質レジスタンス活動の基地みたいなものか。とうとう私も死神に好かれてしまったようだ。

私はHV-04型に前哨基地のための補給品を弾薬箱に詰めて深夜に出発した。敵に気づかれぬよう合流地点へとしばらく進んでいると声が聞こえた。

「うわあ味方さんですかあ?よくそんなガラクタで前線にでれますねえ」

「だ、誰だ?」

私は必死に声のする方向を探した。

「あれええ?視覚システムいかれたんですかあ?ほら眼の前いるじゃないですかあ」

なんといつの間にか私の機体の頭部に乗り、メインカメラをのぞいている軍服姿の女が写った。

「う、うわあ な、な、なんでそこにいるんだ?」

混乱した私は状況を飲み込めず少し混乱していた。

「おいクリス新人をいじめるな」

「えーこうした方が面白いじゃん。少なくとも私は混乱してるのをみて面白かったよお?」

「すまないうちの部下が少し言う事聞かなくてね。ここの前哨基地を任されている少尉のジョンだ。」

「私は第7旅団からきたファーロン・マーク一等兵であります。」

「へえーそんなことよりマークさあ後ろにしょってるもの中身みていいかなあ?」

「おいクリス自己紹介ぐらいしろ」

「えーいいじゃんどうせ前にきたやつ2ヶ月も持たなかったんだしこいつもすぐ死ぬでしょ?死ぬやつの名前覚られるほど頭良くないんだよねえ」

「朝飯抜きにするぞ」

「は、クリス二等と申します。機体はLー09使用兵装は対大型船用レールガンです。年齢は数えたことありません。」

「よしここで話してるのも何だし基地に戻るか。クリス、ファーロンに機体を格納する場所を教えてやってくれ」

「ふぁいわかりましたあねむいなあ」

私はクリスについていき都市の中にある廃れた車両基地に入った。なかはまるで人が昔ここにいたとは思えないほど静かだった。幸い設備は一部機能しており、エネルギーの補填や修理はできそうだった。クリスに機体をしまう手順を教えてもらい、簡易的な整備をしてから弾薬箱にある補給品を運ぼうとしたらクリスがいつの間にか私より先に弾薬箱の中をのぞいていた。

「ファーロン これなんですかあ?」

「ああ本部にいた連中がお情けでくれた補給品だよ。よかったら運ぶの手伝ってくれないかい?」

「えーいやですう一人で頑張ってねえ。私はもうつかれましたあ」

「手伝ってくれたらクッキー上げようと思ったのになあ」

「やります」

やはりクリスにとってご飯は喉から手が出るほど好きなのか。


私は補給品を前哨基地まで運び少尉に渡したあとクリスにクッキーを渡し彼女は美味しそうにパサパサのクッキーをたべた。

「ん~栄養食といってもクッキーは美味しいですね」もぐもぐ

「食べながら話さないでください汚いです。」

「私は用があるからじゃあね~あ、このショッピングモールの1階の端っこに住んでるケビンって奴に基地を案内してもらいなよ。」

「人の話聞いていました?まあいいか、それではまた」

「うい~」

前哨基地のあるショッピングモールには電気が通っていて今でも10年前のCMが電子看板に流れている。自動掃除機は今でも稼働していて床はまだ汚くない。私はエレベーターに乗り1階に降りると溶接作業をしているかのような音が聞こえてきた。

どうやら搬入口の近くで機体を加工しているようだ。

「あ、すみませんケビンという方を探していて・・・」

「ケビン?いまいるけどお前誰だ?」

「ボスこいつあれですよ補給品持ってきた新人のファーロンですよ。」

「ああ聞いたことがあるぜトムソンだよろしくな、隣にいるのがジェームズだ。」

「よろしくお願いします。所でなぜ機体の改造を・・・軍規違反だし危なくないんですか?」

「ないよりかは幾分マシなんだよこっちは物資なんてないからな」

「これすみません。」

「謝る必要はねえぞ」

「あ、ボス俺はケビン呼んできますね。」

私はジェームズがケビンを呼んでくるまでトムソンが改造した機体をいくつか眺めていた。どれも奇抜な見た目をしていて本当に稼働するかわからない機体ばかりだった特に目を引いたのが中量級のフレームに重量級の戦闘用ブースター、右腕に軽量ガトリングガンがあり、機体の半分の長さの大きな針がある。左腕にはなにかの大型シールド?があり軽量粒子砲まである。背部にはそれを賄うジェネレーターがある。

「気になるか?」

「え?あ、はい」

「これはおれの機体だそこら辺に落ちてるもん拾って作ったやつだがな。」

「あの左腕と背にあるのは?」

「VIP用の輸送機と重戦車から剥がしてきたやつだよ。トムソンの爺さんにつけてもらったんだ。それより俺になにか用か?」

「クリスに基地を案内してもらえって言われてて」

「あ~そういうことかわかった。自己紹介がまだったね。僕はケビンここの前哨基地の防衛部隊を任されている。君の名前は少尉からきいたぞ。」

「あ、ではよろしくお願いします。」

私はケビンに前哨基地の中を案内させてもらった1階には修理と改造をしているトムソンたち、物資をためているスーパーと病院と寝床。2階には食堂と司令部。3回にはその他諸々。4階は見張りのために数人いるらしい。

「よしファーロンあとでシミュレーターで演習だ。3階北側に来てくれ。」

「わかりました。ちなみにお相手は?」

「うーんどうしようか」

「ゲ、嫌な予感しかしないぞ、こっちみんなあ~」

ケビン軍曹の目線の先にはクリスがいた。ケビンは少し考えたあと私の機体について調べ始めた。そしてケビンは

「お~ちょうどいい相手がいたじゃないかファーロンの機体が苦手なすばしっこくて攻撃力が高い相手が」

といい、くりすの肩に手をやり無理やり演習に参加させた。










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