第18話魔星書

真宮さんとの取材を終えた我々は、彼が言っていた気になるワードを内藤に聞いてみた。

「あの、魔星書というのはなんですか?」

「それはルシファーを主神とする偉大なる教えの書かれた書籍だ。聖書と違うのは、あまり世には出回っていないことだけどね。」

「見せてもらえないか?」

「もちろん、持ってきますね。」

そして一分後、内藤が書物を持って小走りで戻ってきた。書物を受け取ると、書物を撮影した。

「これは神聖で偉大なる書物ですので、取り扱いは丁寧にお願いします。」

内藤は厳格な態度で言ったけど、椿は手に持った触感で『これは大して古くはない』と感じた。表紙はまだ新しさが残り、紙は黄ばんでいるが感触が古い紙とは明らかに違う…。

椿は写真とメモを撮り終えると、魔星書を内藤に返した。

「ありがとう。ところで申し訳ないが、お手洗いはどこかな?」

「あっ、お手洗いなら階段を登って左に曲がったところの奥にあります。よければご一緒しますか?」

「いや、一人で行ける。」

そして椿は一人でトイレに向かった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る