古代魔法一覧

目次

【第一項:古代魔法‐古世紀魔法】

~以下、古代魔法一覧~

_____________________________________

【第一項:古代魔法‐古世紀魔法】

概要:一般的に古代暦以前から古代暦初期の古世紀に使われた魔法。長い詠唱文と、高い威力が最大の特徴である。



~以下、古代魔法一覧~

炉に焼べた鷲羽の送り火エルプティオ・アクイラ

詠唱文

<胡乱なる影、愚鈍なる光。陽の目の狭間で、流浪の鷲は聖火を浴びた。死者の炉にべよ、焦げ果てた羽の一片、老いたその羽こそが最上の薪。疾く燃え殻より飛べ、火をもって爆ぜよ、鳥葬の送り火——【鷲羽を焼べる鳥葬エルプティオ・アクイラ】>

<効果>

爆発する炎の鷲の召喚。

<詳細>

南東の国々を周辺に発展した火を尊ぶ善悪二元論の宗教には鳥葬とよばれる文化がある。これは、死者を弔い方として『死後、この者が天の国へと送り届けられる事を願って』という宗教上の理由から、死者の肉を削いで鳥に食べて貰うという風習から誕生したものである。

主に死者の肉を食べるのがハゲ鷲などが多かった事から、ある地域ではハゲ鷲が天の国よりの御使いとして語り継がれた事から、『燃えるハゲ鷲の精霊ヴァルチャー』と呼ばれる伝承精霊が誕生した。この魔法は、このヴァルチャーを経由した魔法であり、ヴァルチャー誕生の背景にある宗教が火を尊ぶ宗教であった事から、ヴァルチャーを経由した魔法は全て火に関連する魔法となっている。


喉笛を焼く鉛の剣マルム・サンクティオ

<詠唱文>

『死と沈黙を誘う御使いの火、其は静寂を求む悪魔の剣。いざ、不義を裁け火の池の王よ、さんざめく谷底にて罪ある者の喉笛を焼け——【喉笛を焼く鉛の剣マルム・サンクティオ】』

<効果>

手持ち武器に対する炎のエンチャント。

<詳細>

遥かなる太古の昔、オレルス教から分派した宗教集団が、罪人を裁く為に熱した剣で喉笛を掻き切っていた事から誕生した存在であり、死・沈黙・静寂を司る『ドゥマの天使』と呼ばれる精霊を経由した魔法。一般的に悪魔と認識されるドゥマであるが、その誕生の経緯と、特性上から伝承精霊に分類される存在である。

処罰された罪人は『ジャンハナム』と呼ばれる深い谷底に捨てられ、登ることもできずに餓死するか、病死するか、自殺するかの三択によって死亡する。谷を登り切れば『汝、神の試練を踏破した者、神よりの赦しを得た者』と認められ無罪とされるが、そもそも谷底に捨てられた際の落下により、頭を打って死んでいるか、全身の骨が砕けて動けない為、そのまま助けの声を上げることもままならずに死ぬという。

赦しのチャンスを与えるのは、あえて希望を残し、自らの罪深さを心底から悔いさせる為だとか何とか……。


森で見た狐の虚言シルウァヌス・モルガーナ

詠唱文:『渾々こんこんと鳴く森の狐、異名は海峡にて欺く霧の魔女、ここは彼女の腹の中。横柄に惑う霧中の影、うそぶき、いななき、メシナの狐は虚言をささやく。旅人は虚言それを聞き入れた——故に、誰も背後を振り返らない——【森で見た狐の虚言シルウァヌス・モルガーナ】』

<効果>

靄の中にいる対象に幻影を見せ五感を惑わせる。

<詳細>

デネ帝国領のエースヴィア地方、メシナ海峡と呼ばれる場所に住まう幻影の伝承精霊『メシナの狐』が使う魔法である。五感を惑わせる靄に化け、海峡を通る幾つもの船を座礁させて来た伝承を持ち、古くはモーガン=ル=フェイというという名前で呼ばれていた。

この伝承精霊の始まりは、とある魔女の使役していた狐の使い魔が、魔女の悪戯で蜃気楼へ変身し、一隻の船を座礁させた事である。その魔女はまだ幼く、本当にただの悪戯心で狐を靄に変身させただけだったが、座礁させた船の持ち主たちにより、この幼い魔女は火刑に処されてしまう。これに怒ったこの幼い魔女の母親により、これ以降、メシナ海峡を船が通ると必ず靄が発生するようになり、しかもこの靄は人の五感を狂わせ、狂気に陥る呪いが掛けられていたのである。

当然、多くの船が座礁するようになり、この地域では『狐が靄に化けて船を座礁させる』という伝承が語り継がれるようになった。この伝承により誕生したのが、『メシナの狐』と呼ばれる伝承精霊である。

また、この『メシナの狐』がモー=ガン=ルーフェイという名で呼ばれていたのは、この火刑に処された幼い魔女の母親である魔女が、モー=ガン=ルーフェイという名前の魔女だったからである。

_____________________________________

※以下のURLが本編になります。

https://kakuyomu.jp/works/16817330665644936498

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る