第41話 勉強も大事だけど……
「……?」
私の質問に対し驚いたような顔をする時雨。もうちょっとタイミング考えるべきだったかも……。
「そのままの意味ですか?」
「うん」
「友人としてですか?」
「恋人として」
「……」
「ふふふっ、正直でいい子だね」
時雨は口からは何も返答が返ってこなかったが、顔はほんのり赤らんでいた。
返答はそれで十分だ。
「両想いになれそうで私は嬉しいよ」
「人生詰みかけてたところを救ってもらって、嫌いになろうとしてもなれませんよ」
「うーん……」
「どうかしましたか?」
「もし時雨のお母さんが元気で私が時雨を救ってなかったら私からのプロポーズは断ってた?」
「それは……難しい質問ですね」
あれ、そういえば私、時雨にプロポーズなんてしたっけ。
………………………………。
いや、していない気がする。私はあの時時雨をメイドとして雇う話しかしなかった。
「私は……もしそうなっていたとしても……」
「なっていたとしても?」
「受け入れていると思います」
「そっか、それはよかった」
それぞれの部屋に戻り、一緒に勉強する用意をしている。
コンコン。
「どうぞー」
「用意できました」
今日はメイドとしての仕事は無いので私服の時雨を拝める。
いや、時雨の立ち位置的に私のとなりにいるのが仕事か。
「今日は前買った大きめのパーカーにしたんだ」
「せっかく買って頂いたので良い機会かと思いまして」
「可愛い、すごく似合ってるよ」
ダボッとしたパーカーによって時雨の可愛さが4割増しくらいになっている。
「ありがとうございます。気に入っていただけましたか?」
「もちろん♪」
「それでは、勉強始めましょうか」
「時雨は歴史苦手なんだったよね」
「はい……」
「私が分からないところ全部教えてあげる」
「それではあなたが勉強するじk」
「人に教えるって結構記憶に役立つんだよ。時雨に教えた分、私も記憶が定着してると思うからそこらへんは気にしなくていいよ」
私の勉強時間を心配する時雨に結構食いぎみに答えてみた。
時雨にはこれくらいの勢いで言っとかないと絶対心の隅に私を心配する気持ちが残り続けるだろうと思っての返しだ。
「それではお言葉に甘えて」
「言葉に甘えて勉強するのも大事だけど言葉だけじゃなくて私に甘えることも必要かもね」
「…………遠慮します」
時雨が迷った。今絶対に返答に迷った。ちょっと甘えたいって気持ちが表れてた。
時雨が家族から受けられるはずだった愛情は絶対に私が代わりに受けさせるからね!
あまりにも進みが悪すぎるので次話ではテスト最終日の放課後まで時間をぶっ飛ばす予定です。
無駄に話数が多いですが1話の文字数は少なめだと思うのでこれからも読んでいただけると嬉しいです。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます