第40話 テスト期間の帰り道
~帰り道~
「テスト期間は午前中で終わりなのが唯一の救いだよね」
「午後もあったらストレス爆発しそうですね」
「テストの時間っていつもの授業と同じ50分なのに凄く長く感じるよね」
「私も同意見です」
「結月は?」
「授業もテストも退屈だから別に変わらないかな」
「結月は余裕で勉強ついていけてるもんね。授業もとにかく退屈だろうね」
「まあ、もうちょっと早く進んで欲しいとは思うかな」
「結月はもっと偏差値高い高校に行ってもよかったんじゃないの?」
「私も紗理奈と離れるのが嫌だったから今の高校にした」
「ご両親からは反対されなかったんですか?」
「なんかされなかった。私のこと信じてくれてるのかな」
「本当にいい家族ですね」
「紗理奈は何点が目標なの?」
「赤点じゃなければ何点でも」
そんな私の質問に帰ってきたのは清々しいほどの即答だった。
「例え赤点じゃなくても成績にはしっかり反映されてしまいますよ」
「そうだよねー」
「提出物はちゃんと出してるんですか?」
「うん、さすがにそれはちゃんとやってる」
「なら問題はない……ですかね?」
「多分、それなら留年するなんて事態にはならない……と思う」
「なんか2人とも歯切れ悪くない?」
「私たちも高校は今年が1年目だからね。どの程度の成績だと留年になるのかみたいなのがよく分からないんだよね」
「うーん、ちょっと怖くなってきたかも」
「まあそれを考えるのはテストが帰ってきてからでも悪くないんじゃないですかね」
「じゃあ今は皆でカラオケ行くこと考えてることにする」
「それはテスト期間が終わってからにしましょうね?」
「明日もテストがんばろーねー」
「うん、ばいばーい」
「また明日お会いしましょう」
時雨と2人で長いアプローチを歩きながら気になっていた質問を投げ掛ける。
「時雨は今、私のことどれくらい好き?」
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