第14話 趣味全開
さて、あのメイド服を見て時雨はどんな反応してるかな。
私は体勢によっては下着が見えてしまうミニスカートのメイド服を時雨に用意した。
胸も開いてるコスプレみたいなメイド服が良かったのだんだけど、時雨には胸が無いし、何より冬が到来すると寒そうだ。
スカートならタイツで覆っても良い景色が見られるが、開いた胸の部分をヒートテックなどで覆ってしまうと普通に服を着ているのとほとんど変わらない。
私にはそんな謎の拘りがある。
時雨の色々な反応を妄想しているといつの間にか部屋のドアがノックされていた。
その音で意識が妄想から現実に引き戻された。
「お嬢様ー? 居ないんですかー?」
「居るよー」
「失礼します」
ドアの裏から現れたのは私が趣味で用意したメイド服に身を包んだ時雨だった。
「おおー」
「これ、凄くスカート短いですよね」
「私の趣味。私が時雨のメイド服用意したんだよ」
「……」
両手でスカートを抑えて頬を赤く染める時雨。
ミニスカートはしっかり時雨の羞恥心を刺激してくれていた。
「このメイド服、恥ずかしすぎるんですけど」
「それもそのうち慣れるよ。別に外で着るわけじゃないし、ねっ」
「うう……」
「ちょっと失礼~」
パシャリというシャッター音が部屋に響き渡った。
「ちょっとお嬢様!?」
「1枚だけ~」
「……ちゃんと非表示フォルダに入れておいてくださいね」
「うん」
「それでは私は岩永さんの所へ行って参ります」
「うん、頑張ってね」
「はい」
「あっ、星宮ちゃん」
「こんにちは」
廊下で朝食を持ってきてくれたメイドさんと会った。
「随分奇抜な格好だね」
私のスカートを見つめながらそう問いかけてきた。
「はい、お嬢様が用意したようなんですけど、凄く恥ずかしいです」
「似合ってるよ」
「……素直に喜べませんね」
「今から岩永さんの所行くんだよね? 頑張ってね」
「ありがとうございます」
「岩永さん」
「時雨ちゃん、待ってたよ。ふふふっ」
岩永さんは私の太ももすらほとんど隠せていないスカートを見ながら少し笑っている。
「お嬢様の趣味かな?」
「はい」
「可愛いよ」
「……」
「とりあえずキッチン行こっか」
「料理の特訓ですか?」
「その通り」
「最終的に時雨ちゃんには私くらい料理できるようになって欲しいな」
「100年掛かっても無理です」
「大丈夫だよ。私が教えるんだから」
「ここがキッチンだよ。覚えておいてね」
「はい」
「早速だけど時雨ちゃんには料理をして貰おうかな」
「えっ……」
「何でもいいよ。スイーツでもおかずでも。ここにある食材好きに使っていいからね」
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