いつからでしょう、ファンタジーが口先だけライトで、ぽっと出のチートギフトに頼ったパワープレイで楽な方へ楽な方へと流れていき、おっさんおばさんの妄想の垂れ流しに成り果てたのは。
この作品は、そんな三文芝居のテンプレに反抗する、正統派の王道ファンタジーです。
流行テンプレと王道は、どちらも先人の功績ある作風を拝借するという手法ですが、似てるようで全く異なります。
むしろ、王道を王道として作成するのは、それなりに難しいものです。
もう一度古き良きファンタジーの「あの頃」を蘇らせる、そんな気概さえ感じる作品です。
第一話、かなり内容詰め込まれて長いですが、ひとまずそこを読み進めてください。
そこを読んでから判断しても遅くはないはずです。
かつて戦士を目指していたが諦めた主人公が、受験してもいない戦士学校に何故か合格したことになっていて──という導入から始まる本作品は、ハリー・ポッターや指輪物語などといった大作ファンタジーに通ずる空気を纏っている
特別な才能を持ち、特別な立場に立たされるが、ただそれだけで最強になるわけではない
当たり前にそうなってしまうテンプレ展開こそが、よくよく考えてみれば歪である
本作品は、展開的にはテンプレをかすめるが、すぐにテンプレを否定して独自の物語を展開していくため、先を読むことができない
常に新鮮な読書体験が待っているので、飽きないのだ
骨太な王道ファンタジーをお求めの方は、是非一読を
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