星の元
流天
雫
其処にはとてもとても小さな光があった。
ある時、其れは花が開く様に人の形へと開いていった。
ふわふわと、周囲を見渡すと其処には無数の光が瞬いていた。
そして、その光は気づく自分もその光達の1つだったのだと。
そこで、その光に自分という存在を認識した。
認識したと同時に自分と同じようなモノがいないのかと、探し始める。
1つ、1つと光に近寄ってみたり離れてみたりする。
長く長くそんな時を重ねて、だんだん自己が目覚めていく。
ある時、光は想う
もしこのまま何一つ同じようなモノがなかったらと
そうしたら自分という存在は何なのかと
( 寂しい… )
その光に感情が芽生えた。
そう、その光にはこの世界はあまりに広すぎたのだ。
広すぎるがゆえに光はもう諦めかけていた。
その時 ピカッ とても強い光が遠くの方に見えた。
一瞬の出来事で驚いていたが次の瞬間には駆け出していた。
やっと何かを見つけられる。
そう、想いを抱きながら我々からしたら気の遠くなるような時間を駆け続けた。
ようやく強い光の近くまでたどり着く。
其処にあったものは…
光が花開く瞬間であった。
ゆっくりと着実に開いていくその光を見ながら光はじっと待つ。
とうとう光の花が開き切り、人の形へと変わった。
ゆっくりとその人に近づく。
此方に気づいたその光は首を傾げていた。
やっと逢えた喜びで抱き着き、ギュッと抱きしめた。
相手は動揺していたものの、されるがままの状態だった。
随分と長い時が過ぎ、ようやく光は相手を解放した。
相手は首を傾げていた、なぜそんなにはしゃいでいるのと。
光はこれまで辿ってきた自分の過去をどうやって相手に伝えようと考える。
そうして、手や足を使って相手に伝えようとした。
こうして、光にもコミュニケーションというものが生まれた。
そこから、二人は手を繋ぎ旅をした。
他にも、自分と同じような存在がいる事を願い。
長い長い年月を二人で過ごす。
段々と相手が何を考えているのかを知りたくなったり、何かをしてあげたいという気持ちが芽生える。
二人の光に愛という感情が現れてきていた。
その感情が何なのか確かめるため、二人は抱き合い一つの光になる。
そうして時が過ぎ、二人が離れると其処には小さな雫の形をした光が出来ていた。
不思議に思った二人は其れを持ち、ゆっくりと同じ光を探す旅を続けた。
旅の間に雫の形をした光は段々大きくなり、もう持ってはいけない様な大きさになっていった。
二人はこのまま雫をおいて旅を続けるかどうするか考えた。
出た答えは、この雫の行く末を見てみたいというものであった。
二人は、長い時を雫を見て過ごす。
その雫は段々、球体に近づくにつれ光を失っていく。
とうとう、丸くなってしまう頃には青く暗くなっていた。
そこから本当に小さな光達がいるのに気づく。
その小さな光達は初めは同じ形だったのだが、球体の色がちょんちょんと茶色に変わったりすることでいろんな形に変わっていく。
その光景に二人はとても興味を惹かれてギュッと二人で其れを抱きしめた。
そうしたら、また球体が青く染まり時が経つにつれちょんちょんと茶色に変わる。
面白くなり、またギュッと抱きしめた。
そうしたら今度は赤い球体へと変わった。
二人は見てみると小さな光はかなり数が減っていた。
二人はなぜ減ったのかわからなかったので球体を見ながら考えた。
その球体は赤色が減っていくにつれ青色と茶色に分かれていった。
二人は赤色には光がなくなっていることに気づいた。
そこで二人は抱き着く事をやめ、見守ることに決めた。
少しずつ小さな光たちは増え、球体をほとんどを埋めつくしていた。
そこで周囲に無数にある球体のはじまりだったのかと二人は気づく。
其れは同時に二人以外にも同じような人がいることを示していた。
ワクワクしてきた二人はまた旅を始めることを決意する。
またゆっくりと旅を始める。
これは二人の神が我々を生み出した物語だ。
おしまい
星の元 流天 @Rutennohito
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