対応

女神の加護が発動したのが朝で、現在は昼間となっている。

国内に居る人間の数は半数となっている。


残された人々は、どうにかして女神ポンコッツにこの加護を無効にしてもらわなければならないと考えた。

其の為には女神ポンコッツに直訴するしかないと思った。

古い文献から女神ポンコッツは国の東のとても高い山、神住山(しんじゅうさん)の山頂の神殿に居を構えていると判明した。


人々はSNSで有志を募り、女神の元へ向かおうとした。


「決行日時は3日」


「参加人数は少数精鋭の為20人」


「高難度の登山になるので過去5回」


「食料は念の為に5日」


「集合場所の住所は1」


「集合時間は午前8時」



迂闊な書き込みをした者は悉く、あの世へ旅立った。






多大な犠牲を払い、SNS上に歪ながらどうにか文章が完成し、

ある程度の人数が集合し、神住山へと車で向かった。



「神住山(しんじゅうさん)って、新13」

発言者は、車内で溶けた。








どうにかこうにかして、神住山の神殿に到着した人間たち。

この時点で、国民の総数は半分の半分に減少している。



登山した人間たちは、女神ポンコッツとは神殿の入口で対面となった。

「あなたが女神ポンコッツですか」

「元に戻して下さい」

「なんでこんな事をしたんですか?」

「空気が薄い」

「寒いな此処は」

「腰がメリメリいってる」

「凄い美人だ、流石は女神様だな」

「馬鹿な事しやがって」

「名前通りポンコツだよ、コイツは」

「トイレはありますか?」

「なにがしたいんだよ、大量虐殺しやがって」


複数人が同時に喋り始めたので、女神ポンコッツは困惑した。

「御機嫌よう、皆様落ち着いて下さい。順番にお話を伺いますので1人」

女神ポンコッツはこの世界から消えた。



「コレってつまり、女神が数字を言ったら女神自身も加護の対象内だったから死んだって事か」

「そうだ」

「そう言う事だ、俺達は勝ったんだ!」

「イヨッシャー」

「イヤッホー」

「やったぜ」

「やりましたね」

「でもよぅ、あの女神が死んだんだから、既に消滅した人間を戻す方法は無いって事じゃねーのか」

「言われてみたらそうなるのか」

「そうかもな、多大な被害者を生き返らせる方法は無いと思う」

「それでも、国民の総意として俺達はやり遂げたんだ、此処に居る19人」

発言者は衣服を残して消えた。


☆☆☆女神の加護は時間的制約を受けない、仮に発動者が死亡したとしても効果は永続する。☆☆☆




この国は遠く無い将来に確実に滅びる。

遅くとも1。

(※地の文が数字を表現したので消滅しました)







  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

女神ポンコッツの祝福 数字からの解放 桃月兎 @momotukiusagi

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ