悪人達
ある室内にて。男Aと男Bが居る。
男Aがアニキ、男Bが子分である。
「この状況を利用して、詐欺を思いついたんだ、聞いてくれ」
「流石はアニキですね、どんな詐欺なんですか?」
「この単なる石ころだが、実はな女神の加護を無効にする力を持ってる、そううたって訪問販売するんだ」
「実際には単なる石ころなんですよね、そう上手く売り付けられますかね?」
「ああ、重要なのは、断われたら素直に引き下がる、コレがポイントだ。但し、帰宅の為に背中を見せながら、石の残数僅か、希望者は他にも居るって小声でなおかつ相手に必ず聞こえるように伝えるんだ」
「希望者が多数居るなら訪問販売する必要は無いって、相手に悟られませんか?」
「この大パニック状況で冷静に物事を判断出来る奴なんて、そうはざらにいるもんじゃ無いだろう。もしかしたら本物かも知れないと、相手が少しでも思えば、もうこっちのもんだ。あの時に買っておけば良かったとはなりたくないからな」
「人間はやった後悔よりもやらなかった後悔の方が大きいですからね」
「そう言う事だ。だから絶妙な値段設定をして、売れたら次からは値段を上げていく。そもそも在庫は道端に幾らでも転がってるしな」
「アニキはヤッパリスゴイや。所で具体化には幾らでも販売するつもりなんですか?」
「それも考えてある、安すぎず高すぎずな金額1万」
アニキ分は消えた。
「アニキ!!! うっかり金額を言ったから、尋ねたのは俺だが。アニキも俺も冷静に物事を判断出来てないって事か。クヨクヨしてても駄目だ、しっかり気持ちを切り替えよう。こうなった以上は仕方ない、アニキの意思を継いで俺1人」
子分も消滅した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます