その結果

ポンコッツは神力を使い、国内の全人間の脳内に直接語りかけた。

「皆様御機嫌よう、女神ポンコッツで御座います。この度皆様のご要望にお答えして、数字からの解放をお約束致します。女神の加護を発動致しました。今後、数字を言葉に出す、数字を書き込む、数字を入力する、数字を他者に伝える。数を数える。以上の行為をなさった方は、数字から解放されます」



「ほーん、そりゃあありがたいな、どんな風に解放されるのか分からんけど早速試してみるか」

大勢の人間がそう思った。


「数を数えればいいんだな1」

その人物は消え去った。衣服はその場に残されている。



国内から大勢の人間が消え去った。

目撃者たちは【数字からの解放】ではなく【生からの解放】だと気が付いた。


「アイツは消えちまったんだし、財布は貰っておこう。さて幾ら入ってるのかな。お、三万」

この男も消え去った。




残った国民は非常な異常事態だと気が付いた。

金額が伝えられないので、買い物は出来ない。

数字が書けないので勉強が出来ない。

時間が伝えられない。

コンピューターにプログラムを打ち込めない。

数字を扱わない仕事は無い。

おそらく電話番号もアウトだろう。


多数の幼児が何も理解せずに数字を口にしてしまい、消滅した。









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