女神ポンコッツの祝福 数字からの解放
桃月兎
第1話 人々の願い
資本主義の国家なので企業間は厳しい競争を強いられている。
「今月のノルマが後百件、今日中に十件は契約を結ばないとだ、キツイなあ。あーーーーー数字は見たくないなぁ」
「二時に寝て、五時に起きるから、へへへへへへへ三時間睡眠か。
いつもよりはマシだな、って馬鹿。へへへへへ時計を壊してもなんにもならないや」
「時間に追われてるのか、それとも数字に追われてるのか、或いは両方か。数字なんか大っきらいだ」
学生間の学力争いも激化している。
「参考書を後三冊は買わないと、気持ち重量も重いなぁ」
「昨日も今日も明日も勉強。勉強しない時間って一日の割合でどのくらいなんだ?」
「7✕8=55じゃなくって56。7の段は難しすぎる。数字なんて無ければいいのに」
沢山の人々の切なる願いは女神ポンコッツに届いた。
女神ポンコッツ、緑色のストレートヘアー、白いドレスを身にまとい、金色のサンダルを履き、右手には木製の長い杖を携えている。容姿端麗ではあるが、いまは険しい表情を浮かべている。
「人間達が苦しんでいますね。この苦しみを取り除くのがワタクシの使命なのです」
だがこの女神、名前が示すようにポンコツである。
女神ポンコッツはこの国の人々を数字から解放する為、国中に神の加護を発動させた。神の加護は時間的制約を受けない、仮に発動者が死亡したとしても効果は永続する。
こうして、女神ポンコッツの加護は国中に行き渡った。
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