第4話 航

大学が始まる少し前から住んでいたのに、ちょっと前まで同じマンション、しかもお隣に、同じ学科の人がいるなんて全然気が付かなかった。

でも、気がついてしまうと、なぜか急によく会うようになった。

例えば朝学校に行く時、バイトのない日の帰り道やコンビニ、休日に近所のスーパーとか……



それで、お互いの友達も呼んで、たこ焼きパーティをしたり、餃子パーティをしたり、集まるようになった。

いつもメンバーは同じで、わたしの方は美波と二葉、雄大の方は総士と大輝だった。


夏休みにみんなでどこか遠くへ遊びに行こうという話になって、海の近くの一棟貸しのコテージに泊まる予定を立てた。

直前になって総士が夏風邪にかかってしまったことで、代わりに雄大の弟の航が受験勉強の気晴らしに参加することになった。




これが航との初めての出会い。

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