第22話 九角武丸、以津真天と戦う
「いつまでぇぇぇーっ!!」
「アサルトダッシュ!」
タゲを取るために俺は突撃スキルでファーストダメージを与える。
「バッシュ! 旋風撃! ノックバックストライク!!」
相手に反撃を与える前に覚えている攻撃スキルをコンボで叩き込む。
相手がレアエネミーかサイズが大きいのかノックバック効果はなく、ダメージだけ与える。
「いつまで!」
「おっと!」
以津真天は状態を大きく後ろに反らすと、鬼の口が裂けるように開いて噛みついてくる。
それを横に跳躍して回避し、カウンターとして首筋を斬る。
「ダブルラピッドファイア!」
「ファイヤーアロー!」
「サモンモンスター! 爆破!」
ゼノビアがフリントロックピストルの2丁拳銃で連射攻撃を、アリスが炎の矢を、ラウラが石の狛犬を召喚して戦わせて、更に自分は炎の爆発魔法を以津真天に当てていく。
「いつまでっ!」
「そっちにはいかせねえ! アサルトダッシュ! バッシュ!!」
以津真天は離れた場所から攻撃を仕掛けるラウラ達に視線を向けるが、俺は跳躍して以津真天の鬼の顔部分に突撃し、落下しながら蛇の胴体にバッシュでダメージを与える。
石の狛犬も以津真天の足に噛みついてちまちまとダメージを与えていた。
「いつまでぇぇぇー!!」
「うおっ! ビーム吐きやがった!?」
「ギャン!?」
以津真天の口がまた開き、噛み付き攻撃かと構えると、直線上に地面を削っていくビームを吐き出し、運悪く避け損ねてビームに当たり、ヒットポイントが半分近く削られる。
ラウラが召喚した石の狛犬はビームの直撃を受けて一瞬で蒸発した。
「武丸ちゃん! 治癒の光! ライフシード!!」
「助かる! 旋風撃! ノックバックストライク!!」
ビームでダメージを受けたが、即座にラウラが回復力スキルを飛ばして傷を癒してくれたので、そのままタゲを維持するために以津真天に攻撃を続ける。
「スナイプショット!」
「アースバレット!」
「えいっ!!」
ゼノビアはマスケット銃に持ち変えて狙撃し、アリスは無数の岩の弾丸を叩き付け、ラウラは銀次からの報酬で手に入れた魔法の杖の光弾でダメージを以津真天に与える。
「いつまでええっ!」
「くっ! 空に逃げたかっ!」
以津真天は翼を羽ばたき、突風を起こして俺をノックバックさせると空に飛び、上空を旋回する。
「我々に任せろ。シャープショット!」
「ウィンドウカッター!」
ゼノビアとアリスは空を旋回する以津真天にスキルダメージを与え削っていく。
「いーつーまーでー!!」
以津真天は雄叫びをあげるとその場で激しく翼を羽ばたくと、無数の羽の刃が雨霰のように降り注ぎ範囲攻撃してくる。
「ぐわっ!」
「ちいっ!」
「あいたたたっ!?」
「きゃああああ!!」
雨霰のように降り注ぐ羽の刃に俺達は切り刻まれて大ダメージを受ける。
「マスヒール! 治癒の光! ライフシード!ごめんなさい、レベル低くて回復量が間に合いません!」
「残りの分はアイテムで何とかする! 回復スキルはヘイト値が高いからあまり連呼しない方がいい!!」
ラウラが範囲回復スキルを使うが、スキルレベルが低くて回復量が間に合っておらず、単体回復スキルで補おうとすると、ゼノビアがポーションを飲みながらそれを止めよう叫ぶ。
「タンク連れてくるんだったかねえ?」
「うちのギルドのタンクはリアルでぎっくり腰で入院中だよ!」
アリスもポーション飲みながらそんなことをいうと、ゼノビアがツッコミを入れる。
微妙にリアリティーのある話で俺は苦笑しながら薬師のクエストで手に入れた丸薬とネズミ退治で手に入れた般若湯を飲む。
「いつまでー!」
「うわ、気持ち悪いっ!」
空を飛ぶ以津真天は旋回しながら苦悶の表情を浮かべた人魂を戦闘機のミサイルのように翼に宿すと、その人魂を射出してくる。
「うらめしや」
「あたるかよっ!」
人魂は苦悶の表情を浮かべ、怨嗟の声を漏らしながら此方に向かって飛んでくるが、あまり速度はないので楽に回避できるが………
「うげっ! 地面にダメージゾーンができた!?」
人魂ミサイルが着弾したエリアに黒いコールタールのような水溜まりが出来上がり、そこに足を踏み入れるとスリップダメージを受けると説明ポップが表示される。
「いつまでー!」
以津真天は人魂ミサイルを飛ばして、足場を奪っていく。
その間もゼノビアやアリスが攻撃して、ラウラが様子を伺いながら範囲回復を行う。
「ダメージゾーンが数秒で消えるけど、回避範囲を制限されるのはきついなっ!」
俺も銀次からの報酬で手に入れた魔法の杖で攻撃を行い、以津真天にダメージを与える。
「スナイプショット!」
「ぎえええーっ!」
「お、ある程度ダメージを与えると墜落するのか! アサルトダッシュ! バッシュ! 旋風撃! ノックバックストライク!!」
スキルのディレイ時間が回復したのかゼノビアが狙撃すると、以津真天が墜落して起き上がろうと悶えている。
せっかくのチャンスを無駄にするわけにはいかないと、太刀に持ち変えて覚えているスキルを全て叩き込むが、残念ながら倒しきれず起き上がる。
「いいいつまでえええーっ!!」
「アサルトストラ───ぐえっ!?」
「武丸ちゃん!?」
起き上がった以津真天はまた翼を広げたので空を飛ぶのかと思い、アサルトストライクで突撃しようとする。
が、以津真天が翼を広げたのは空を飛ぶためではなく、その場で一回転して範囲攻撃を行い、突撃スキルで近づいた俺は運悪く直撃を受ける。
「くっ、首の皮一枚でたすかった………攻撃が多彩すぎるぞ! バッシュ!!」
「直ぐ回復するから!」
「ヒヤヒヤさせる」
「でもなかなか根性あるね。普通あんな大ダメージ食らったら離れるよ」
運良くヒットポイント一桁で生き残った俺はラウラの回復を受けながら攻撃を続ける。
ゼノビアとアリスは後方から攻撃を繰り出しながらそんな話をして入る。
「いつまでええええ!!」
「糞っ! また空を飛びやがった!」
「アリス! アルティメットゲージはたまったか!」
「もちろん! 何時でもいける!」
以津真天がまた空に飛び立つと、ゼノビアとアリスが知らない用語を口にする。
「アハト・アハト!!」
ゼノビアがポーズを決めてスキル名を叫ぶと、ゼノビアの後方に魔方陣が現れ、その魔方陣から高射砲が浮上する。
「ファイエルッ!」
「ギエエエエーッ!」
ゼノビアが叫びながら拳を振り下ろすと、高射砲から轟音と共に巨大な弾頭が発射されて、以津真天が撃墜される。
「ストームサンダー!」
「ぎぃやああああああーっ!!!」
撃墜した以津真天に追い討ちをかけるように アリスが魔法の杖を天にかざすと、以津真天の頭上に巨大で複雑な魔方陣が回転しながら展開され、無数の落雷の嵐が以津真天に降り注ぐ。
その雷の嵐が止めとなったのか以津真天は討伐されて、【レアエネミー以津真天討伐の実績が解除されました】と言うシステムメッセージが表示され、俺とラウラはレベルが上がる。
「よっしゃ! というか、そんな大技あるなら最初に使ってくださいよ」
「ん? あ、武丸は初心者でまだ9れべるだったな。アルティメットスキルを使うには格闘ゲームみたいに相手にダメージを与えてゲージを貯めないといけないんだよ」
以津真天が討伐されたのを確認して俺はガッツポーズを取りながら、ゼノビアにぼやく。
ゼノビアは一瞬何言ってんだこいつ?と言う顔をするが、俺がプレイ二日目と気づいてアルティメットスキルの仕様を教えてくれる。
「まあ、前提がしんどい分みての通りの威力だけどね。PVPではアルティメットスキルをいつ使うか、相手に使わせないかがキモだね」
「そうなんだ」
アリスも話に入ってきて、PVPでのアルティメットスキルの運用を教えてくれる。
「さて、それよりもドロップ品だよ。何が出たのかねえ?」
「ん? 交換時間制限?」
ゼノビアが以津真天のドロップ品を回収しながらそんなことを言う。
俺もドロップ品を回収すると、交換時間制限とチームメンバー名が表記されたテキストが回収したドロップ品の説明文に表示され、カウントダウンが始まっていた。
──キャラクターデータ──
名前:九角武丸
種族:人間
キャラクターレベル:9レベル(レベルアップ処理前)
クラス:ファイター12レベル
スタミナポイント:9レベル
パッシブスキル
刀マスタリー8レベル:武器種別刀を装備すると物理ダメージボーナス
豪腕:両手武器物理ダメージボーナス
獅子心:物理ダメージボーナス
剣禅一如:物理クリティカルボーナス
調薬:回復アイテムなどを作れる。
鍛冶:武器、重装防具製造可能
服飾:軽装防具製造可能
木工:魔法の杖、弓、盾、家具製造可能
装飾:アクセサリー製造可能
アクティブスキル
バッシュ3レベル:単体物理ダメージ
旋風撃3レベル:範囲物理ダメージ
アサルトダッシュ2レベル:敵に突撃する単体物理ダメージ
ノックバックストライク:対象を吹き飛ばす単体物理ダメージ、吹き飛ばした先に障害物などがあると追加ダメージ
名前:ラウラ
種族:人間
キャラクターレベル:9レベル(レベルアップ処理前)
クラス:魔法使い12レベル
マジックポイント:9レベル
パッシブスキル
調薬:回復アイテムなどを作れる
鍛冶:武器、重装防具製造可能。
服飾:軽装防具製造可能
木工:魔法の杖、弓、盾、家具製造可能
装飾:アクセサリー製造可能
回復量修練:回復スキルの回復量ボーナス
詠唱時間短縮:魔法スキルの発動時間短縮
アクティブスキル
治癒の光8レベル:単体HP回復
爆破:範囲魔法ダメージ
ブレス:単体魔法防御力ボーナス
守護結界:単体物理防御力ボーナス
魔力の刃2レベル:単体物理ダメージボーナス
マスヒール2レベル:範囲HP回復
ライフシード2レベル:単体に一定時間HP自動回復
サモンモンスター:味方モンスターを召喚して戦わせる。
ゼノビア
種族:エルフ
ギルド:フレッシュ! シルバーガールズ!!
キャラクターレベル:50レベル
クラス:ガンナー52レベル
スタミナポイント:65レベル
スキル:たくさん
名前:アリス・キテラ
種族:人間
ギルド:フレッシュ! シルバーガールズ!!
キャラクターレベル:50レベル
クラス:魔法使い53レベル
マジックポイント:65レベル
スキル:いっぱい
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