新たな疑惑
「兄さん、他の部屋も調べてみましょ」
麻雪に背中を押され、鈴音の部屋に足を踏み入れる。麻雪のそれとは違い、きれいに整理整頓された部屋だ。部屋を見回した僕は、ふと机の上に何かが置かれていることに気が付いた。
「『向精神薬
「スマホで調べてみましょ、どれどれ……」
僕も横から麻雪のスマホを覗き込む。ページの中に一つ、気になる記述を見つける。
「『禁忌。自殺念慮の既往のある患者には使用しないこと。自殺企図があらわれる可能性が非常に高い』……だって⁉」
「天才丸さんが言ってた薬って、もしかしてその『向精神薬X』のこと?」
「たぶん、そうだと思う。麻雪ちゃん、天才丸さんのお父さんは今どこに?」
「きっと病院よ! 話を聞きに行くのね?」
「もちろん。案内してくれるかい?」
麻雪は大きく頷くと、スマホで地図を調べ始めた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます