自宅に戻って想う

 休みが終われば、自分の考えをまとめることも出来なくなると思うので、この作品にて少しだけ続けます。



 心配した津浪の影響もなく、電気・水道のライフラインも無事で、自宅に戻ることが出来ました。


 ここからは、今回の経験で感じたことの記録になります。これだけが正しいという答えはなく、個人的に感じたことになりす。



 避難中は、どうしても思考が悪い方向にばかり向いてしまう。最悪を想定して行動するのだから、仕方ないかもしれない。それでも悪い思考は、体調さえも悪くしてしまう。


 避難所では誰かがテレビを見ている。避難所で聞えるテレビの音も、全く違って聞こえた。絶え間なく続く地震速報の音と、被害状況を伝えるリポート。それが、さらに悪い方向へと思考を加速させる。


 しかし悪いなりにも、最悪な状況ばかりではなかった。


■休日だから、家族全員が揃ってた。バラバラじゃない。

■正月用に買った食材があり、食料の備蓄は多い。

■避難所が子供達の通っていた学校。全く知らない場所ではない。

■車のガソリンは満タンなどなど


 それだけでも少しは不安ではなく、明るい材料になったかもしれない。


 後になって思い出すのが、小学校に入った時の子供の第一声は「懐かしい」だったこと。短い時間かもしれないが、子供の不安は和らいでいた。階段やトイレの場所を聞いても、声はしっかりと、ハッキリとしていた。


 避難所の学校で支給された毛布とビスケット等は、全て私が取りに行っていた。避難中も同じで、率先して真っ暗な理科室の扉を開け、スイッチを探し明かりを点ける。安全だと思う場所を確保し、使えるものがないか探す。


 それは、父親であるという責任だけではない。じっとしていられず、気を紛らわすための行動。だからこそ、子供達と一緒にやれば良かったかもしれない。

 学校は、私よりも子供達の方が知っている。何かをやっている・頼られている間は、不安が和らいでいたはず。

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