第183話 マカマカ製品についてと細々したこと。そして気合だあ!
数日は自由な時間を過ごす。
皆はダンジョンの様子を見に行きついでに狩りを、私はフォルダの整理や魔法創造をしたり、その時参加できる誰かと料理したりとのんびりしていた。
ラエドさんからのお手紙が来たよ。約5百人くらい味方が増えたんだって。
だからご飯を各5百、唐揚げセット1千個、飲み物、そしてポーションも大量に追加しておいた。ネックレスや魔石剣は初期メンバーの特典と言うことで、追加無しでいいかな。
何やら唐揚げでめちゃくちゃ士気が高まっているらしいよ。
わかる、わかるよ。だって美味しいは正義だから!
美味しく食べて、力をつけて、困難に立ち向かってね。
レッドホットワイバーンさんとクルコッコクイーンさん、ありがとう。
皆の力の源になっているよ!
それから【虹の翼】のお姉さん達からお返事が来てた。
師匠、どこにいるの?
砂漠?海?
あ、ミムミムお姉さんだ。
砂漠にいるよ。お魚はサンドサーモンって魔獣なの。砂なのに魚ってびっくりだよね。
手紙をありがとう。嬉しかった。
ゆきちゃんは絵が上手だね。もしかしてサハラタル王国のダンジョン?魚の魔物がいるって聞いたことがある。
とても君に会いたいよ。
ローザお姉さん、正解っ!砂漠のダンジョンだよ。
私もローザお姉さんに会いたい。会いに行っちゃおうかなあ。
どれくらい遠いのか想像もつかないよ。
どんな魔物がいるの?あたしの知らない魔獣なんだろうな。
沢山いるよ。サンドサーモンとかホットサンドスコーピオンがオススメ。
リンダお姉さんなら瞬殺に違いないよ。
美味しいお肉食べた?アタシも食べてみたいなあ。
あと、砂漠のダンジョン行ってみたい!
帰ってきたら話を聞かせて?
砂漠は過酷だよ。
でもイクラが美味しいんだ。お肉じゃないけれど、レーネお姉さんに食べてもらいたい。
お手紙を読んで安心いたしましたわ。
きっと旅を満喫しているのでしょうね?たくさん楽しんでくださいね。
ありがとう、エクレールお姉さん。
私達は皆元気に色々なことをしているよ。お姉さん達にお土産買わなくちゃ!
久しぶりに【虹の翼】のお姉さん達に会いたいな。
彼女達は転移の門戸を知っているからか会いに行っちゃおうかな。
善は急げって言うし、ミスティルにお願いして手紙を書いてもらった。
もしミールナイトにいるなら会いに行ってもいいですか?
お姉さん達からのお返事は、指名依頼を受けてミールナイトをしばらく留守にする予定なので今は難しい。でもぜひ会いたいので帰ったら手紙を書くと言うことだった。
残念だけれどお仕事ならば仕方ない。
お互い時間ができたらぜひ会おうね!
それからミールナイトの商業ギルドへ行った。
「お久しぶりですね、ゆき殿」
「ヒナヨ、ギユマシュ、こんにちは」
「今日はどうされたのですか?何か珍しいものでも?」
フィガロギルマスが目をキラキラさせている。
本当に珍しい物が好きなんだから~。
「エインボ、シャン、トヤウト、ちってゆ?」
フィガロギルマスにレインボーサンドトラウトを知っているか聞いてみる。
「もちろん知っていますよ。……もしかしてサハラタル王国方面に行っていました?」
流石商業ギルド長。御存じでいらっしゃる。
私はレインボーサンドトラウトのキングとクイーンの王冠を買い取ってもらえるのかを聞いた。
折角なので手元に置いておくつもりだけれど、もし使い道があるならば複写して売ろうかなと思っているんだ。
「ありますっ!ありますとも!見せていただいても?」
「うん、わたた」
ギルド長の部屋に出しちゃっていいのかな。結構大きいよ?
でもお部屋広いからいいかな?
ということで、比較的小さめなクイーンの冠を出した。
少しだけソファに乗っかっちゃって斜めになっているけどいいよね。
「おおおおお!」
フィガロギルマスの両手がワキワキしているよ。
「ありがたく買い取らせていただきます」
「あい。もいっこあゆ」
「主さんはキングとクイーンの王冠を持ってるよ」
「両方購入いたします」
今日はミルニル通訳です。
ホットサンドスコーピオンの甲殻とか、猛毒液とか、ターコイズスコピオンの魔石とか色々あるのでそれも見てもらう。
買取りの方向で考えたいけれど時間が欲しいとのこと。
話し合いの結果、以前みたいに1個ずつ預けることになったよ。
サンドサーモンやレインボーサンドトラウトの身は全部買取りしてくれるって。この辺りでは手に入らない珍しい品だもんね。
そうだ!
今回の分は全部売るとして、私の手持ちにあるものは【虹の翼】のお姉さん達やアスナロリットさんに声をかけて、食べたいって返事をもらえたらお裾分けしよう。喜んでくれるかなあ。
レインボートラウトの鱗はあるかと聞かれたので頷くと、レインボートラウトの鱗は神級ポーションの材料になると教えてもらった。
確かレーヴァもポーションの材料になると言っていたよね。
購入する?って聞いたら神級ポーションを作るだけの材料は貴重すぎて揃えられないので、今のところは買い取れませんと言われた。
「まあ、神級ポーションを作れる薬師もいないんですけどね」
「あと、何、いゆの?」
「材料はあと何がいるのって」
「レインボーアコヤの貝殻、ビャックの蕾、宝石樹の涙、ドラゴンの血液、そしてレインボートラウトの鱗ですね」
うん?すでに3つ所持しているな。貝殻と血と鱗。
他の2つは何だかわからないけれど、それを探す旅っていうのも面白いかも。
「わたた。あにあと」
「もしかしてすでに全部持っていますか?」
「ううん、まだ」
「まだ、ですか。集めたらぜひ教えてくださいね。買い取れる資金はありませんが見てみたいので」
「あい、いいよ」
全部揃ったら作ってみるんだ、神級ポーション。
私が作ると売れないような品質になっちゃうだろうけれど挑戦したいんだ。その時はレーヴァにも作ってもらおう。
それから磁器について。
皆が作ってくれたお皿やお茶碗などを見せて、何か登録が必要かを確認する。
「食器自体には登録の必要がありません。ただ自分達で作ったとおっしゃいましたよね?」
「あい」
「こちらは以前見せていただいたティーセットやその他の食器類と同じつくりです。あれは皆様で作成した物では?」
「ちあう」
あの食器類は私が以前住んでいた遠い国の品で職人製。
今回自分達で作った食器類と職人製の食器類とは、元となる材料が違うのだと説明した。
「そうなんですね。材料は何を使っていますか?」
「マタマタ……」
「マカマカクレイだよ」
「マカマカ製品ですか……。それですと、ミールナイトで情報料金などをお支払いするのは難しいですね」
前にもマカマカ製品は買い取れないって言っていたもんね。
磁器はマカマカクレイ以外でも作ることは可能。
詳しい配合はわからないけれど長石、その他の石を細かく砕いて練ったもの、だったかな?
でもマカマカクレイだと配合無しで作れちゃうから便利なんだよね。
やはりマカマカクレイに関してはマカマカの商業ギルドに行った方がいいのかなあ。面倒くさいことになるのは嫌だなあ。
「もし誰かに作成方法を教えるつもりならば、念のためその技法に登録があるか無いかだけでも確認した方が良いと思いますよ?」
誰かに教えようとしていることを見透かしていらっしゃる?流石フィガロギルマス。
ついでに面倒くさいって思っていることまでバレてそうだよね。
「わたた。マタマタギユド、行ってみゆ」
「そのことですが、お時間をいただけますか?」
「あい、いいよ」
フィガロギルマスを待つ間は買取りをしてもらうことになった。
エレオノールさんと一緒に倉庫へ行き、売れそうなものを片っ端から出す。
鑑定して最高級以外(それでも高品質だよ)のサンドサーモンやレインボートラウトの身、サンドジャーボアのもも肉、その他生ものは全て買取りで、それ以外の品は以前のように1つずつ渡して買取を検討してもらうことになった。
そして帰り際、フィガロギルマスからマカマカの商業ギルド長宛ての羊皮紙を預かった。ミールナイトのギルド長から預かったと言えばアポイント無しでも受け取ってもらえるって。
無くさないように無限収納に仕舞い、商業ギルドからテントに戻る。
マカマカに行ったら忘れないようにしなくちゃ。
マカマカに行く前に、今後どうするか皆で打ち合わせをしておきたいし、王都に行く予定も立てたい。
戴冠式が終わったらもう1人の伝説の武器に会いに行きたいし、他にも試したいことがある。
色々な予定があってワクワクするね。
楽しむことがいっぱいだし、健康に気を付けて頑張るぞっ。
(私も皆も病気にならないけれどっ)
おーーーーー!
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