第147話 わたちのお部屋、まぶちっ!
「わあぁ!」
昨夜は早く寝たので、早朝目覚めました。
「なんじゃ、とりゃあ!」
部屋中宝石だらけ!原石もあるし、宝飾品もあるみたい。
床にはハンドボール大のブルーダイヤモンド。そして、枕元には超希少なファンシーレッドのレッドダイヤモンドが大小3個も転がっている。
部屋中がキラッキラキラッキラしてとっても綺麗な光景だった。
でも、まぶちい………。
「あれ?」
私がボーッとしていると、ミルニルが入ってきて驚く。
「こんなに持ってきたの?」
ミルニルがそう言うとあちこちの宝石の影からピヨコちゃん達が現れた。
ピョンピョン跳ねたり、口元を手でおさえて笑っている素振りをしたり、わーい!と走り回ったり、万歳ポーズをしたり。
イタズラ大成功!
という雰囲気で喜んでから空間にすうっと消えて行った。
「ごめん主さん。ピヨコ達が金平糖のお礼がしたいと言うから」
「ううん、あにあと!でも、ちゅじ、何もいなない、あしょび、ちて、言って?」
「うん。次からは1個にするように伝える」
違うよ?手ぶらで良いんだよ?
それにしても凄い!
集めるの大変だったろうに……。
部屋がとても綺羅びやかで綺麗なので今日はこのままにしておくつもり。そして私が複写した宝石達を使い、宝石箱を作って飾るんだ。
ピヨコちゃん達、ありがとう♪
朝食を食べてから外に出ると、空が薄明るくなってきた。今日は快晴になりそう。
『おはよう(スタンプ)』
『おはようございます』
『それでは、神域を』
『おや』
『
『そのままだと壊れるかもしれん』
『内側にわしの結界を張ろうのう』
やっぱり?
私は完全に神と言うわけではないので、複数の神々の神気を受け止める結界を張るのは無理だと思ったんだよね。
『ぜひ、よろしくお願いいたします』
『ウムウム(スタンプ)』
フッと優しい何かに包まれた感覚になり、直後にドンッと言う和太鼓を叩いた時のような波動を感じた。
途端に空気が変わる。
鳳蝶丸達の鎮座していた空間と同じ、ウル様の神力に満ちた場所になったことがわかる。
「神域になったな」
「うん」
すると、空からサアッと光が差し込み、そこに見たことのある人物が現れた。
「ウユしゃま!」
「おお〜
テテテテテ〜ッと走って行くと、私を抱き上げる。
「随分とまあ、可愛らしくなったのう」
「あたたん、たや、やいなおしゅ、ちななかった」
赤ちゃんからやり直すとは知りませんでしたよ?
フォッフォッフォッ。
ウル様は笑いながら、私を降ろして頭を撫でてくれた。
「そなた達も
「とんでもございません」
「主との出会い、感謝申し上げます」
「毎日楽しく過ごしております」
「ありがとう存じます」
鳳蝶丸、ミスティル、レーヴァ、ミルニルがウル様の前に跪いた。
「ウムウム。これからもよろしくの」
お互い挨拶を交わしたところで、今日参加する神様の人数を確認する。
すると、ウル様が白いお髭に触れながらちょっと言いにくそうに口を開いた。
「参加する神々だがの。実は把握できんのじゃ。地上におる小さき神はわからんが、フェリアの天界にいる主神達はほぼ参加すると思っておくれ」
把握できないほど?!
「ウユしゃま、わたち、5人。たいない」
5人じゃ足りない。捌ききれないよ!
「主神には、世話をする眷属達を連れてくるよう伝えたんじゃが………」
その眷属神も参加したいと立候補が多く、主神のお世話係を交代制にした神々が殆どらしくてね、それで、それで…………。
ウル様。
何故その眷属神の皆様まで地鎮祭を知っているんですか?
「お主はフェリアで最も有名な半神なんじゃよぅ」
私の存在は異例中の異例であり、更に別世界からきた神子として注目されている………って、どういうこと!
「まず、お主の酒や食事が大注目の的なんじゃ。そして天罰の種類。フェリアの神々には思いつかん方法なので、そちらも注目を集めているんじゃよ」
プライベートも何もない。そういうことですね?
「取り敢えず、気にせんことじゃ。フォッフォッフォッ」
気になりますよ!
「皆、今日の食事をとても楽しみにしている。よろしくの」
「あい。だんばいましゅ」
はい、頑張ります。
もう、こうなったら、どうにでもなれぇ!
フンッフンッ!
鼻息荒く両手をブンブンしていたら、また空から光りが降り注ぎ20人ほどの神様が現れた。
真ん中に立つ神様は、それはそれは美しく優しそうな神様だった。
「お会いするのは初めてですね?昨日はありがとうございました」
昨日?……土地神様?
「フヨユ、フヨーエ、しゃま?」
「はい。
白い肌、いちごミルク色髪。大きなパステルグリーンの瞳。長いまつげ。ピンク色の唇。
そして特徴的なのは、髪に綺麗なお花が咲いていること。
なんて可愛らしい神様なんだろう。
「ちのう、あにあと、ごじゃい、まちた。ちょう、よよちく、おねだい、しましゅ」
昨日はありがとうございました。今日はよろしくお願いいたします。
「はい。よろしくお願いします。ああ、なんて可愛らしいのでしょう!」
「そうじゃろ、そうじゃろ」
何故かウル様が得意気に頷いた。
「この者達は我が眷属です。今日は貴女のお手伝いをいたします」
そ、そんな!
神様にお手伝いいただくなんて!
「大丈夫じゃ。今日は沢山神々が集う故、手伝ってもらいなさい」
焦っていたらウル様が許可をくださった。
「この15名に食べ物などを預けてください」
皆さん無限収納をお持ちらしい。
そうすれば、私達だけで手が回らない時も出してくれるんだって。
うーん。
それならば、共有が出来るマジックバッグの方が良いかも。
フロルフローレ様に共有にした方が補充しやすいと説明してみよう。
使っていただけるかな?
フロルフローレ様に共有バッグの話をすると、ぜひ欲しい!と言われた。
「お願いがあるのですが、良いですか?」
「あい」
「貴方がお持ちのフワフワで白い動物みたいなバッグが欲しいです」
モコモコ白うさぎちゃんバッグ?
無限収納から出してこれですか?と聞いたら、こんな感じの可愛いのが欲しい!とリクエストされた。
同じデザインじゃなくても良いとワクワクされたので色々と考える。うーん。
眷属神様は男神様も女神様もいらっしゃる。
ぬいぐるみみたいな可愛いバッグを作るとして、女性でも男性でも好きなタイプを持てるように2種類作ってみよう。
フワモコホッキョクギツネとフワモコアルパカバッグ!
ホッキョクギツネバッグは真っ白で可愛いけれどちょっとキリリッとしたお顔、アルパカバッグはクリーム色で大きくてつぶらな瞳の可愛らしいお顔にした。
「理想通り!可愛いですね。これは何という幻獣ですか?」
幻獣ではなく地球にいた動物だと説明する。
神々は大喜びでワクワクした表情を浮かべていた。
私は続けて[空間操作]で某ドーム内くらいの容量に、『収納庫管理』で仲間達と同じ設定を施して次は時間停………。
ハッ!
次は『時間操作の杖』でマジカルラブリンするんだった!
「目の前で魔法幼女が見られるのう」
「ラブリンですね!」
そんなキラキラした瞳で見つめないでください。
神々はマジカルラブリン萌えきゅんきゅん☆をご所望ですね!
ご所望なんですね!
泣きそうラブリンだよ……。
気を取り直して。
ウル様他、皆様がワクワクしているので、もうノリノリでやっちゃう!
「マイカユ、アブイン、萌えちゅんちゅん☆時間停ちになぁえ♪」
シャラシャラ〜☆
ミスティル達も大喜びだった。え?動画撮っちゃったの?
もう、うん、もう解禁しゅゆ。
これからは恥ずかしがらず、皆に楽しんでもらうね?
皆さんにフワモコバッグをそれぞれ選んでもらい、共有にして食べ物や飲み物を沢山入れた。
「あの、
フロルフローレ様はフワモコアルパカバッグをご所望で、モコモコの素材をにぎにぎしていたよ。
気に入っていただけて良かった。
「
「あい」
ウル様が差し出した羊皮紙を覗くとイラストが描かれていた。
え?もしかしてこれってまさかの私?私をデフォルメした、いわゆるちびキャラ的な?それにしても凄く上手。アニメとか漫画みたい。
「ふぁっ!」
「わしの眷属神の1人で芸術の神がおっての。最近地球の描画技法に感化され、趣味で
え?自分で自分のグッズを作るの?
私が戸惑っているとウルウルした瞳で私を見つめるウル様。
ギャグじゃないよ?
仕方がないので、その羊皮紙とオリハルコンバイパー(SSS級)の皮を使って、高級感溢れるクラッチバッグを再構築する。
どのあたりにちびキャラが?と言うと……。
な、何と!裏地にプリントされていると言う、ラグジュアリーなんだかチープなんだかわからない状態のクラッチバッグ爆誕です!
ちなみに内ポケット部分をマジックバッグ化したので、普通に物を入れることも出来るのだ。
高級感あふれるクラッチバッグに見せかけた、裏地ちびキャラ、内ポケットマジックバッグの『色々カモフラージュマジックバッグ』!
出来はどうよ!(ドヤァ)
ごめんなさい。ちょっと図に乗りました………。
ええと、まあ、それは置いておいて。次はアレをやりますよ?アレを!
マジカルラブリンしているちびキャラ
「マイカユ、アブイン、萌えちゅんちゅん☆時間停ちになぁえ♪」
シャラシャラ〜☆
「あい、どうしょ」
「おお!いいのう、これ」
クラッチバッグを眺めたり、蓋を開け裏地を見て喜ぶウル様。
「ありがとうの。あやつはさぞかし羨ましがるじゃろう。フォッフォッフォッ」
楽しそうで何よりです。
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