第142話 こだわりのビュッフェ!おいちいね♪
さて、地鎮祭の支度をしよう。
何もない広い土地の真ん中辺りに、2m四方くらいの四隅に青竹を立てる。その手前に祭壇を設置。日本の地鎮祭ではないから小さなお社はいらないかな。
ミルニルにお願いして、祭壇の横に柔らかい土を山盛りにしてもらう。この儀式に使用するのは木製の鎌、鍬、鋤だったっけ?とりあえず再構築しておく。
お供え物は何を用意すればいいんだろう?
お米と塩とお神酒、野菜は大根、胡瓜、キャベツで良い?ポニイモとウアライモもお供えするよ。
果物は林檎、梨、バナナ、パレパレポウ。あとは、昆布?あ、めでたい!の鯛かな?アカハマダイも供えちゃおう!
次に沢山の椅子を用意。
神々が鎮座されるので、旅館の窓際に置いてあったひじ掛け付き高級高座椅子を再構築。再構成で前が見えるよう背もたれを低めにした。
お供えと椅子は当日に並べる予定。
結界を張ったので当日雨でも雪でも問題ないし、タープテントの用意はいらないかな。
テント近くには帆布シートを敷く。
土地の表面を使って帆布シートを再構築、数十枚のシートを再構成で繋げ、大きな1枚に仕上げた。
シートの上に結界を張り、清浄と防塵・防砂を付与する。
そもそも神々に土埃などが付着するかはわからないけれど、私達も土の上を歩いたりするので念のためにね。
あとは食事。テントで色々と用意していくよ!
ウル様はビュッフェがご希望と言うことで、まずはビュッフェテーブルやプレートヒーター、フーズウォーマー、クールプレート、フーズクーラー、スープジャー、カップウォーマー等々を再構築。
あと、目玉として考えているアレも鳳蝶丸に魔道具化してもらおう。
その他にもステンレス製トレイやトング、スープレードル。カトラリーや大小のお皿、スープ用カップ、グラス、コーヒーやティーカップ等思いつくものは全部再構築した。
食べ物は、某高級ホテルの洋風メニューを用意。
ビュッフェトレイや大皿ごと再構築したのですでに盛り合わせてある状態です。後はテーブルに並べるだけだけなので、とりあえず無限収納で保管しておくよ。
魔道具化が終わった段階でビュッフェテーブルのディスプレイをしていく。
小さな棚や綺麗なトレイ、高台皿等を再構築すると、レーヴァがお洒落にセッティングしてくれたので、出来たそばからテーブルごと無限収納に収納。
取り皿、カトラリー、ワイン、ウィスキー、ブランデー、冷酒用、ソフトドリンク用などそれぞれのグラスも並べてもらいテーブルごと収納。
スープ用カップやコーヒーカップはカップウォーマーに並べ、ビールグラスとビールジョッキは冷え過ぎないよう温度調節をして4面硝子の冷蔵ショーケースに並べ収納した。
神々用のテーブルは、屋台の時に王族が使った真っ白いテーブルに金の模様を入れ更に豪奢にし、白いレースをふんだんに使ったテーブルクロスをかけ、真ん中に白い花々を飾って神秘的に。
もちろん白い椅子も豪奢にし、背もたれと座面には低反発のクッションを入れました。
食べ物に関しては、ホテルビュッフェメニューの他に、ランクの高い和牛の焼きたてステーキ(ミディアム)を再構築。
わさび醤油、レモン醤油、にんにくバター醤油、グレイビーソース、デミグラスソースなどお好みでどうぞ。
フフ、魅惑の霜降り肉を味わうがいい。フフフ………。
あとは某旅館で食べた豪快で豪華で新鮮な船盛のお刺身もご用意いたしました。
プリップリで甘いホタテ。マグロのオススメはとろける中トロ。甘えび、鯛、ハマチ、サーモン、アワビ、ウニ、イクラ。
たっぷり召し上がれ!
残るはデザート。ここは強くこだわりたい!
ビュッフェテーブルを4台用意してそれぞれのモチーフに飾るのだ。
まずは1台目。
ビュッフェテーブルを薄いペールグリーンに変更し、中央には白いテーブルクロスを敷いた。
テーブル真ん中に大きな高台皿を再構築し、再構成で和風の涼し気な硝子製に変える。そしてお皿の一箇所を少し凹ませた。
凹ませた場所の下、テーブルに四角い平型の結界4を張り、器から流れる出る水のみ清浄を付与しておく。
ミルニルにクラーケンの透明な魔石を砕いて欲しいとお願いする。
「おねだい、ちましゅ」
「うん。任せて」
右手を前に出すとパアッと光り、水晶の洞窟で見た美しい戦鎚が出現した。この鎚で魔石を砕くみたい。
「大きさはどうするの?」
「うんと、こえくやい」
1つだけ少しだけ大きめに、あとはかち割り氷の様な形にお願いする。
「わかった。ちょっと待って」
ミルニルが鎚を振るうと、キンッという音を立てて、小さな☆が飛散った。
キンッ☆
キンッ☆
キンッ☆
3回ぐらい振り下ろすと、魔石が理想の大きさに割れたのだった。
「ミユミユ、しゅどい!」
「そうかな」
ちょっと照れ笑いするミルニル、可愛いよ!
砕いてくれた中の大きめな魔石を高台皿の中央に置き、ミネラルウォーターが湧くを付与すると、魔石から綺麗な水が湧き、段々とお皿に溜まってくる。
やがて凹んでいる部分から水が流れ出して小さな滝となり、テーブルの上で水が消えていった。
うんうん、大成功!
そして、今回のために魔法創造でつくった魔法を使うよ。
[冷・温]
対象を設定した温度にし、持続する
残りの魔石を高台皿に入れ、全て[冷・温]0℃に設定。
指を入れるとお水がだんだん冷えてゆくのがわかる。
「ちべたいっ」
とても冷たくなったので、こちらも大成功だね!
次はパティシエが作った素晴らしい飴細工を再構築、再構成でエメラルド色の亀さんにする。それを高台皿に立てかけて、覗いているようなポーズにした。
あとは飴細工で作ったレインボーアコヤや白いお花を沢山飾りディスプレイの完成!
高台皿には蓋付きのデザート瓶に入ったフルーツのシロップ漬けやフルーツゼリーを入れて、冷たい水に浸して飾るんだ。
華やかで良いと思うんだけど、どうかな?
次は2台目。
白いビュッフェテーブルに白いテーブルクロスを敷き、同じテーブルクロスでドレープを作る。
ディスプレイサイズのコリント式古代ギリシャ建築柱を不規則に置き、結界でテーブルと固定して倒れないようにした。
下品にならない色味、かつカラフルな薔薇の飴細工を沢山複写して飾る。
この台のメインデザートは、ドーム型のチョコを被せたチョコレートケーキを置くよ。
次は3台目。
テーブルを桜色にして、薄いピンクのレース付きテーブルクロスを敷いた。
中央にディスプレイ用の鳥籠を置いて、止まり木には飴細工で作られた深紅の小鳥を止まらせる。
尾は深紅からオレンジ色に変化させ、長く垂れ下がりってテーブルの上にクルリと落ちているんじ。
あとは赤いハイビスカスの飴細工を沢山散りばめる。
この台のメインデザートは、ダークチェリーたっぷりのタルトだよ。
次は4台目。
ペールブルーのテーブルに白いテーブルクロスを敷き、飴細工の水晶クラスターを沢山設置した。
その間にマジパンの可愛いノーム達と、宝石に見立てた琥珀糖を散りばめる。
ミルニルにクラーケンの魔石を小さめに砕いてもらい、水蒸気を付与してあちこちに置いたので、白い霧に包まれたような、ちょっとだけ神秘的なテーブルになったよ。
この台のメインデザートは、カクテルグラスにジャム、コーンフレーク、バニラアイス、生クリームを層にして入れ、最後に金平糖を散りばめた可愛らしいスイーツを置くよ。
各台にはメインデザートの他に、プチケーキ各種、焼き菓子、ミニパフェ、ミニプリン・ア・ラ・モード、ムース、ゼリー各種を出す予定。
その他に、要望があれば屋台で出したクレープやアイスクリーム、シャーベット。かき氷も出すよ。
そして、デザートビュッフェの目玉はチョコレートファウンテン!
チョコレートファウンテンの機器はホテルで見た大きいものを再構築。鳳蝶丸に魔石で動くよう魔道具化してもらった。
機器中心部、チョコレートを汲み上げるパイプの根本に平面の結界4を張って、チョコレート以外の汚れ、不純物は清浄で消去を付与したので、チョコレートは循環するけれど安心して食べられるよ!
それを4台複写して、各テーブルに1台ずつ設置予定。
チョコレートは、甘すぎず、香り高く、美味しいと思ったもので、ミルクチョコ、ビターチョコ、ストロベリーチョコ、コーヒーフレーバーチョコの4種を用意。
細かく刻んだチョコレートを湯煎で溶かし、混ぜてから温めた牛乳と生クリームをチョコレートに加えて手早く混ぜる。
チョコレートファウンテンのスイッチを入れておき、作ったチョコレートを温めた受け皿に入れる。
ドキドキ………大丈夫かな?
しばらくにらめっこしていると、ちゃんとチョコの滝が流れ落ち始めた!
「わあ、でちた!」
「へえ、面白いね?」
「これをどうすんだ?お嬢」
「ちょと、待って」
私は全てのチョコレートファウンテンを無限収納に一旦仕舞い、複写してからそれぞれをテーブルに置いた。そして柄の長いフォークに刺さった苺を再構築、複写して皆に配る。
「こえ、ここに、ちゅてゆ」
「流れているチョコレートをつけるんですね?」
「うん」
ミスティルが、苺にチョコレートをつけて食べさせてくれた。
「んん!おいち!」
「では、わたし達も」
皆で苺にチョコをつけて食べる。
「美味しい!美味しいね、主さん」
「自分でつける量も決められて面白いな」
「噴水みたいで綺麗です」
「こんな食べ方もあるんだね?」
皆に待っていてもらい、イロイロなカット済みの材料を再構築する。
苺、バナナ、オレンジ、林檎、マンゴー、葡萄、パイナップル。パレパレポーも出そうかと思ったけれど、水分が多すぎるので止めました。
マシュマロ、クッキー、パウンドケーキ、シュークリーム。
細長くカットしたウエハースの半分に載せたナッツキャラメリゼはビターチョコと相性が良さそう。
絶対美味しいよね!
あとはミニサイズのクロワッサン、ワッフル、丸いドーナツを用意した。
材料それぞれをお洒落なトレーやお皿、籐籠に並べて複写する。
「こえ、ちゅてゆ」
皆に出して好きなものを食べてもらった。
「全部美味しいです。苺にミルクチョコが気に入りました」
「俺、このチョコレートファウンテン?大好き。全部好き。1番はドーナツとストロベリーチョコ」
ミスティルもミルニルも気に入ってくれたみたい。
「うん、美味いね。ウイスキーが合うかな?赤ワインもいけそう」
「俺はビターと珈琲が好みだな。日本酒や焼酎にも合いそうだ」
レーヴァと鳳蝶丸は通常運転だった。
チョコレートファウンテンでお酒を飲む人っているのかな?わからないけれど、自由に好きなスタイルで楽しんでもらえれば私も嬉しいです。
ちなみにナッツキャラメリゼとビターチョコは最高に美味しかったよ!
あとは、思いついた物を作ったり、色々と練習をして過ごした。
神々の皆さん楽しんでくれるといいな。もちろん、私も全力で楽しむつもりだよ。楽しみ!
ん?地鎮祭ってこんな感じだっけ?あれ?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます