第6話 ゆる確認ゆる検証ゆる構築
さて。次の項目を確認しよう。
無限収納、タップ。おお!
今度は全画面が切り変わる。
左端にメニュー表示があり、右側に無限収納の説明が書かれていた。
魔力 0
収納庫内時間停止
容量制限なし
但し、命あるものは収納不可(植物を除く)
メニューには、
<新規>の横に可愛いフォントの<NEW>が点滅。
その下に区切り線。
そのまた下に<新しい収納庫作成>。
一番下に<戻る>と書かれていた。
<新しい収納庫作成>タップしてみると入力欄と<収納庫名>という文字が表示された。
入力、食料、確定
と頭に浮かべると<食料>という文字が表示され<新規>の下に移動する。
あ、これ私好みのヤツ!
私はPCフォルダ整理が大好きなのだ。
いやいや。今は確認だけ。
<戻る>を押すと、最初のインベントリ画面に戻った。
半神スキル、タップ。
全画面切り替え。
左側に、
浄化
結界
再構築
奉納
戻る
とりあえず、想像できるのはいいとして何だかわからないのだけ見てみよう。
再構築、タップ。
右側に、
神力 100~600,000
物体、液体をナノ単位まで分解し、まったく性質の違う他の物体、液体、気体に再構築できる
地球の物体、液体、気体の作成も可能
但し、神子が見た、または触ったことがあるもの
命あるものは不可
これ、さっきピンクのサンダルつくったの再構築だ!神力が100減っているし。
なかなか便利だな。地球のものも作れるんでしょう?
私が見たか触ったことあるものって結構有利だよね。中年まで生きたんだから色んなもの見てるし触っている。
料理だって自分でしていたし、さまざまな調味料を使っていた。
再構築は食べ物や飲み物も作れるんだよね?これで空腹問題解決!
ふと、足元をみる。
土で食べ物は作りたくないけど…。ま、まあ海水でなら。
こんだけあるし作りたい放題じゃーーーん!
「やったぁー!ウルしゃま、ムゥしゃま、桃しゃま、ありあとぉー!」
空を仰いでピョンピョン跳ねる。
三神が見守ってくれている気がした。
さて。次に気になる奉納、タップ。
神力 0
レベル 1
舞や歌を奉納し小さき神や精霊たちに力を与える
ふぁっ!
舞や歌?!
歌は、まあ、褒められたことあるんだけど、舞って?
盆踊りとアイドルの振り付けをノリで踊ったくらいしかないんですが。
レベル1ってことは、頑張れば上手くなるってことかな?
と、とりあえずやってみるしかない。
小さき神や精霊たちに力を与えるのは、ウル様の言っていた使命のひとつだね。
よし、次。
戻る、インベントリ画面、半人スキル、タップ。
全画面切り替え。
左側に、
全言語習得
無限収納
複写
解体
鑑定
探索
地図
転移の門戸
戻る
小説や漫画の知識で何となく想像できるかな。後でいいや。
次。
戻る、インベントリ画面、魔法創造、タップ。
全画面切り替え。
左側に、
<新しい魔術を作成>とあり、あとは何もなかった。
一番下に<戻る>があるだけである。
後で何か魔法を創造してみよう。
最後、
戻る、インベントリ画面、神様ライン、タップ。
全画面切り替え。
左側に、
ウルちゃんライン
ムゥちゃんライン
桃ちゃんライン
皆でライン
戻る
たぶんウル様と連絡を取り合っていた無料通話アプリにそっくりなあの画面だろう。試しに<ウルちゃんライン>をタップすると右側に先ほどのやりとりが表示された。
<皆でライン>は三神と私で話をする時使うのかな?
無事に着いたことを伝えようと<ムゥちゃんライン>をタップ。
なんとなく神様にスタンプを使うのはちょっと…と思い文字でメッセージを送る。
『ムゥ様、お疲れ様です』
『無事に到着しました』
『色々と役立つ能力を与えてくださってありがとうございました』
すると、すぐに返事がもらえた。
『やっほぉ♪(スタンプ)』
『ムゥだよ☆』
『見てた見てた♪』
『無事に着いて良かったね(ハート)』
………。
…………え?
ム、ムゥ様だよね…?
あの、無表情、無口の超美女、ムゥ様だよね?
『あ~、今疑ったな?ひどいゾ(ノД`)・゜・。』
『プンスコ(スタンプ)』
イメージが激しく違いすぎて…。ギャップ萌えが追い付かないよ。
『疑ってませんよ!』
『本当~?ま、いっか』
『うんうん(スタンプ)』
『神子ちゃんちっちゃくて可愛い♪』
『可愛いは正義だヨ☆』
『ここから頻繁に見守ってるからネ』
『ありがとうございます』
『でもお忙しいのでは?』
『だいじょぶ(スタンプ)』
『だって時空の狭間って何にもないんだもん(>_<)』
『見守っていただけてとても嬉しいです』
『うんうん(スタンプ)』
『時々連絡するね☆』
『またね~☆』
『バイバ~イ(スタンプ)』
『ありがとうございました』
ム、ムゥ様…。
私、今、ちょっと混乱してます。
でも、見守ってもらえるのは嬉しいな。
次は<桃ちゃんライン>をタップ。
『桃様、お疲れ様です』
『無事に到着しました』
『色々と役立つ能力を与えてくださってありがとうございました』
『まだ容姿を見てませんが、桃様と一緒の黒髪で嬉しいです』
桃様からもすぐに返事が届いた。
『おお、無事のようじゃな』
『安心したぞ』
ああ、桃様だ。
『桃様とこうして連絡を取り合えるのが嬉しいです』
『そうじゃな』
『これはそなたがムゥ神の眷属となったからじゃ』
『ムゥ様のですか?』
『うむ』
『時空の狭間を司る神の眷属なのでな』
『こうして時空を超え連絡が取れるというものよ』
『われにとっては僥倖じゃな』
『私もこうして繋がっていられて幸せです』
『ところで、半神半人ということですが』
『思っていたよりすごい能力で驚いています』
『そうじゃな』
『そなたは上位神であるウルトラウスオルコトヌスジリアス神と』
『上位神に近いムゥ神の』
『神力で身体をつくられ』
『加護も与えられた』
『人より神に近い存在となったのであろう』
は…ははははは。
乾いた笑いが飛び出すよ。
ステータス見てると、半神半人というより八割神ニ割人って感じだもんね。
うん。うんうん。
安心して暮らせるって思うしかないかな。
人じゃなくなっちゃったっぽいけど。地球でいずれ眷属神になるはずだったしね。
『桃様からも神力と加護をいただきました』
『心強いです』
『ありがとうございます』
『うむ』
『遠くにいるそなたの姿を見る力』
『ウルトラウスオルコトヌスジリアス神からいただいてな』
『今後も見守っていけるよ』
『時々連絡するようにの』
『はい』
『では息災でな』
『頑張ります』
『ありがとうございました』
何だかホッと落ち着いてインベントリをいったん閉じた。
とりあえずザッと確認はできたかな。
空を見上げると太陽が真上より少し傾いていた。
椰子の下から出て島のだいたい中心に立つ。
ステータスで神力を確認。
神力 599,900
再構築は欲しいもののイメージと神力でつくれるみたいなので、ステータス画面のままにする。
砂を使い、海外旅行に行ったとき使った、プールサイドや海でよく見る白い大きなビーチパラソルと白いビーチチェア、ガラス製のローテーブルを砂浜の上につくった。
神力 598,400
いつも使用していたマグカップと白い平皿。
神力 598,200
マグカップに海水をくみ、それを使って近所の【まるまるベーカリー】でよく買ったアンパンとチーズクロワッサンを再構築。
マグカップの上にちょこんと出来上がったパンが何だか可愛い。
パンは平皿にうつし、もう一度マグカップに海水を半分くむ。そして冷たい牛乳とストローを再構築しローテーブルに乗せた。
神力 597,800
ビーチチェアが大きくて乗るのにちょっと苦労したけど何とか座ることに成功。
「海のみじゅ、ちゅくったにゅうにゅう。ちょっぱい?」
海の水でつくった牛乳、大丈夫かな。念のため、<鑑定>と心で唱えてみる。
鑑定対象品の横に文字が浮かびあがった。
名称 牛乳
品質 良質
説明 飲用可
日本で飲んでいた新しい牛乳
美味
美味しいらしい。
でも何となく海水だし塩辛いかもと覚悟しつつ、飲むぞ!
ちゅー。
あ!いつも飲んでた牛乳だ!冷たくて美味し~い。
アンパンとチーズクロワッサンも鑑定。
名称 アンパン
品質 良質
説明 食用可
まるまるベーカリーのパン
餡子にこだわって作られた焼きたてのパン
美味
名称 チーズクロワッサン
品質 良質
説明 食用可
まるまるベーカリーのパン
厳選されたチーズを使った焼きたてのパン
美味
こっちも美味だ~!
早速アンパンをひとくち。めっちゃ美味しい!あのベーカリーのアンパンで間違いない!
アンパンと牛乳で空腹を満たす。
でも、お腹が一杯でチーズクロワッサンまで食べられなかった。
まあ、幼児にしてはアンパン1個ペロリは多く食べられたほうかな。
お腹壊さないのはラッキーかな。
そんなことを思いながらラップをつくってパンの皿にかける。
神力 597,721
ラップは1本で神力100か。あ、端数が微妙に増えてる。
再構築は小さいものだと100、パラソルの大きさで500くらいの力を使用するみたい。
食べたり飲んだりで少し戻る、かな。
色々考えていたいけど、食べたら眠くなってきた。うう…抗えない、幼児の体。
とりあえず一休みしよう。
目が覚めたら本格的に色々いじってみるか。
私はポンポンのお腹をさすってビーチチェアに寝そべるのだった。
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