最終話:泣きたいくらい愛してる。

「え?・・・それって私を買い取るってことですか?」

「うそ・・・本気で言ってます?」


「本気だよ・・・僕はマリアのことが好きだし愛してるもん」

「君とずっと一緒にいたいって思ってる」

「僕がここで君を諦めたら一生後悔することになるよ」

「借金は一生払って行かなきゃいけないだろうけど、でもローンを組めば

充分払っていけるから・・・」


「マリアは?・・・嫌?」


「そんなことない・・・めっちゃ驚いてるし、めっちゃ嬉しい」

「そんなこと考えてもなかったし、言ってくれた人もいなかったから」

「シューちゃんが初めてだよ」


「マリアの答えを聞くまで勝手に決めちゃダメだと思ったから、これは

今のところ僕の中だけの決定なんだけど・・・どうかな?」


「どうかな?って聞かれて嫌だって答えたら私ってよっぽどバカ女だよね・・・」


「じゃ〜いいんだな?」


「でも、将来シューちゃんに彼女とかできたり誰かと結婚したらどうするの?」

「私はガイノイドだよ・・・」

「そうなっちゃったら人間じゃない私は、お邪魔虫になっちゃうよ・・・」


「僕は誰とも付き合わないし誰とも結婚しないよ・・・」


「なんでそんなこと言えるの?」

「絶対ないって言える?」


「絶対ないか?って言われると・・・」


「シューちゃんは将来、誰か素敵な女性と巡り合うかもしれないじゃない・・・」

「シューちゃんから愛されなくなったら私はどうすればいいの?」


「今は俺を信じてとしか言えないよ・・・」

「たしかに先のことは誰にも分からないけど・・・それを心配してたら前になんか

進めないだろ?・・・」

「マリアはこのまま僕と別れてもいいの?」


「そんなの嫌だ・・・」


「間違いなく変わらないのは僕のマリアに対する想い、愛だよ」

「僕にとってマリアは一番大切な存在だからね・・・」


「僕はマリアと別れたくない・・・」

「だけど残りの期間が過ぎてマリアが僕の元を去ったら君は僕のことを忘れて、

また誰かのところへ行くんだろ?」


「そういうこと想像しただけで僕は切なくて胸が苦しくなるんだ・・・」

「君には僕だけの彼女でいて欲しいって思ってる・・・」


「独占しようとか束縛しようとか、そういうんじゃないんだ」

「マリアが僕のところにいたくないって思うのなら、それはしかたのないこと

かもしれないけど、でもそうじゃないならずっと僕のそばにいて欲しい」


「それって私へのプロポーズ?」

「マリアを買い取るって言葉は聞こえが悪いけど、そう意味に受け取って

もらっていいよ」


「だからマリアも僕を愛して欲しい・・・マリアの愛で僕を包んで欲しい」

「僕のために・・・え?・・・なになに?・・・」

「うそ・・・泣いてる?」


「もう泣き虫だな君は・・・ほら笑って!マリア」


「だって・・・シューちゃん、私を泣かせるようなこと言うんだもん」

「そんな嬉しいこと言われちゃったらもうどこへも行けないよ」


「どこにも行かなきゃいいじゃん・・・ずっとそばにいてよ」

「マリアに出て行かれちゃったら僕は生きていけないよ」


「分かった・・・私、シューちゃんと生きてく」

「一生シューちゃんについてく・・・」

「だからもう、どこにも行かないし他の人のところへも行かない・・・」


「これで本気でシューちゃんと愛のあるエッチできるね」


「そうだね、やっぱり君はそこなんだ」


「私の心を愛で満たしていいんですよね・・・」

「私もシューちゃんへの愛が今心の中に満ち溢れて抱えきれないくらい広がって

ます」


「シューちゃん・・・愛してる」

「うん・・・僕も愛してる・・・その言葉を言って欲しかったんだ」


「私も言えてよかったです・・・」

「じゃ〜さっそく支度しますね」


「えっ?」


「シューちゃん・・・私と愛のあるエッチしたいでしょ?・・・」


「どうしてもエッチに持ち込みたいんだな?・・・」

「いいけどさ、今の俺は性欲より食欲なの・・・」

「慌てなくても飯食ってからでもよかないか?」


「エッチは逃げていかないだろ?」

「マリアとエッチしてて僕が途中でフェードアウトしたらどうすんだよ」


「なに言ってるの・・・そんな悠長なことしてたら気持ちが冷めちゃう

でしょ?」


「そうだけどさ・・・」


「だって私、1分1秒でもシューちゃんを愛してたいんだもん」

「泣きたいくらい、あなたを愛してるんだもん・・・」


そう、マリアはいつだって修平との幸せを夢見る愛に満ち溢れた

世界でただ一人のエッチが飯より大好きな最高のセクサロイドなのです。


おしまい。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

笑って!マリア。 〜 ぴゅあそりっど〜 猫野 尻尾 @amanotenshi

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ