第2話:尋ねてきたガイノイド。

契約後、僕の会社が休みの時お目当の子が僕のマンションに尋ねて来ることに

なっていた。

車かなんかで運ばれてくるのかと思ったらガイノイド自らテクテク歩いて

来るんだそうだ。


でもってそろそろ来るかなって時間・・・僕はそわそわして待ちきれなくて

玄関ドアを開けて外を見た。

そしたらエレベーターのドアが開いて、ポスターの子が現れた。


お〜めっちゃスレンダー・・・顔ちっちぇ〜・・・アイドルみたいじゃん。

おいおいこんな子と、半年暮らすのか?


ガイノイドちゃんは俺の玄関の前まで来ると


「こんにちは」


って言ってペコッと頭を下げた。

可愛い・・・髪は金髪のショート・・・笑顔がめちゃ可愛い。


「駅前で見たポスターのまんまだよ・・・」


手には中に何が入ってるのか知らないが小ぶりのトランクを持っていた。


「さあ・・・あがってあがって」

「僕んち迷わなかった?・・・ここすぐに分かった?」


「はい、大丈夫です、私ナビ搭載してますから」


「あ、そうか・・・はいはい、じゃ〜部屋の中に入って」


「お邪魔しますぅ」


僕は彼女をエスコートして部屋の中に案内した。


「そこの安物のソファにでも座っててよ」


僕は台所に行って冷蔵庫の中から飲み物を出して飲みながら言った。


「君は・・・飲み物は飲まないんだよね・・・人間じゃないから」


「飲もうと思えば飲めますけど・・・」


「え?・・・食ったり飲んだりできるの?」


「一応、排泄機能もちゃんと付いてますよ」


「そんなもの必要なの?」


「セクサロイドですからね・・・状況によっては必要になってくるんです」

「食事のお相手したり、お酒のお相手したり・・・エッチも含めてその他にも

いろんな趣味趣向の人がいますからね・・・世の中には・・・」

「だから変態さんとかも含めて全面的に対応できるようになってるんです」


「へ〜なるほどね・・・どんなシュチュエーションにも対応できるように

なってるって訳なんだね」


「ん〜じゃあ、何か飲む?」


「あ、今はいいです・・・」


「あのさ、君僕のところに来る前に誰かのところにもレンタルされてたの?」


「うん・・・でもリニューアルされてから、あなたんちが初めてです」


「ふ〜ん・・・そうなんだ」

「君、ほんとにガイノイドなの?・・・なんかさずいぶん人間っぽいよね・・・」


「一応ガイノイドです・・・」


「なんか調子狂うんだよな・・・思ってたイメージと違うから・・・」


「え?どんなイメージだったんですか?」


「なんかこう・・・もっとさアンドロイドとかガイノイドって動きがこう

ぎこちなくって言葉も事務的で・・・喜怒哀楽もなくて冷静で落ち着き

払っててもっと冷たい感じ?」


「すっごいイメージ悪いじゃないですか?」

「それって先入観でしょ・・・そういうのどこかで見たんじゃないんですか?

私、ロボットとか機械じゃないんですよ」


(え?中身は機械じゃないのかよ・・・)


「悪かった、ごめん・・・ガイノイドなんてはじめてだからさ」


「すぐに慣れますよ・・・」

「あ、そうそう一応あなたの生年月日とお名前登録しなくちゃ」


「え?生年月日?」


「登録しておかなきゃ私のオーナー、モニターさんにはなれませんからね」


「あ、そう・・・分かった・・・せいねんがっぴ・・・と」


「はい、どうぞ・・・」


「20○○年・・・2月22日・・・猫の日」

「僕の名前は長尾 修平ながお しゅうへい

「しゅうへいね・・・」


「はい・・・インプットしました」

「今日から、シュウヘイさん・・・もしくはシューちゃんってお呼びしますから」

「シュウヘイさんとシューちゃんどっちがいいですか?」


「じゃ〜シューちゃんで・・・」


「分かりましたシューちゃん」


「はい、次は私の名前ね・・・」


「え?・・・君名前ないの?」

「私の名前はオーナーさんになってくれた方がつけるんです」

「ご自分の好みの名前が付けたいってオーナーさんもいますからね」


「いきなりそう言われてもな〜」

「今日は3月25日か・・・それで決めようかな・・・なにかあったっけ?」


そこで僕はネットで調べてみた。


「あ〜今日は受胎告知の日って出てきた・・・そうか・・・マリア様か・・・

じゃ〜マリア・・・君の名前はマリア・・・でどうかな?」


「今日と言う日がちょうど君が僕のところにやって来た記念日だし・・・」


「分かりました・・・インプットします」

「今日から、私はシューちゃんのマリア・・・ナガオ・マリアです」

「よろしくねシューちゃん」


「ってことで、さっそく支度しますね」


「え?なに支度って・・・飯でも作ってくれるの?」


「なに、言ってるんです・・・エッチですよ、エッチ」


「そのために私を引き取ったんでしょ?」

「ノルマ果たさないとモニターさん失格ですよ」


「ま、まじで言ってる?・・・」


つづく。

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