地球は青かった

龍羽

地球は青かった



『彗星が超接近。衝突の心配はありません』

 そんなアナウンスがテレビから流れていた。



 自分は車を運転して住宅街を走っていた。

 何故か見える空。

 天候は『縹色の晴れ』。

 遥か頭上に一筋の虹色の光が見えた。


 そして真後ろから飛来してきた彗星。

 大気圏へ軽々と突入して来たそれは最早隕石となり、今や表面のゴツゴツした岩肌まで見える程地上に近付いていた。


 ———ぶつかる!


 そう思った瞬間過ったのは、先程のテレビのアナウンス。


『衝突の心配はありません』


 まるで予言のようだった。

 隕石は軌道を変え、弧を描いて地球から離脱するコースを取り始めた。


 高さにして数階建ての家屋の屋根の上。

 自分がいる住宅街の直線道路の真上を飛んで行く。

 危機一髪。隕石の衝突は回避された。


 しかし機首を上へ若干だけ持ち上げた隕石は、目に見えて速度を落とし、空中でピタリと止まってしまう。

 震え出す隕石。

 次の瞬間発光した。


 大爆発だった。


 光が消えて気が付くと、自分は地球の概形が判るほど高い所まで飛ばされていた。



 夢はここで終わっている。

 一月一日の朝だった。



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地球は青かった 龍羽 @tatsuba

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