第3話

 犯人は有希江しかいない。


 菊池邦子と阿川有希江は談話室で対面する。菊池は鋭い目つきで、有希江は動揺しつつも堂々とした態度を崩さない。


 菊池:「有希江さん、あなたが事件に関与しているという情報を得ました。何か言いたいことはありますか?」


 有希江:「私は無実です。何の証拠が私に向けられているのか知りたいわ。」


 菊池:「5人殺害の動機は何だったのか。あなたには何か秘密があるのではないか?」


 仲むつまじく食事をしていたのは有希江と愛人の恵比寿で、襲撃者は阿川一郎の方だった。彼は浮気を知り、外出する振りをして家に引き返してきた。一郎は助けを求める妻を背中から撃つが、恵比寿とは揉み合いになり、逆に自分が撃たれてしまう。有希江が不倫を隠すために重傷を負った身で内側から閂をかける。食堂に戻ってから倒れ、そこに佐藤圭一たちが雪崩込んできた。


 不倫の暴露を恐れた恵比寿は佐藤香美を時間差と死体移動トリックを使って殺し、佐藤圭一を撃ち殺そうとするが即死せずに密室に逃げ込まれる。圭一はまもなく死亡し、知らなかった恵比寿は毒を飲んだ。だが、小笠原の発見が早かった為に助かった。

 阿川一郎から浮気調査を依頼されていた小笠原が恵比寿を強請る。邦子は小笠原を見張っていたが、恵比寿はその見張りに加わり、隙を見て小笠原を殺す。


 恵比寿を殺したのは主人公である菊池邦子だったのだ。

 ずっと意識を失っていた有希江に邦子は罪を着せることに決めた。

  

   

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天間荘殺人事件 鷹山トシキ @1982

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