第2話 幼き幼初期の日々②

私があの女から生まれたのは26年前の8月の暑い夜だったそうだ。私は陣痛が始まってすぐに意外とあっさりと産まれたらしい。当時不動産会社に勤めていた父は仕事を終え自宅に戻ろうとしたタイミングで陣痛が始まったという連絡を受けたらしく病院に向かっている途中に生まれてしまったそうだ。まだ頭がまともだったあの女に関してははっきり言って生前いい思い出は何もなかったので思い出したく無いが、どうやらあの女自身こんなにあっさり生まれるとは思っても見なかったそうだ。私が生まれた20分後に父が、1時間後に祖母が病院に駆けつけてくれたそうで、美晴と言う名前はこの私が小さい時に亡くなった祖母が病院に行く途中に考えてくれたそうだ。両親は美香と言う名前を考えていたそうだが、祖母が考えた名前を聞きたいそう気に入ってしまったらしく急遽美晴と言う名前を私に付けたらしい。

この名前の由来だが、父曰く名前の由来は、美しい晴れの日のように美しい女性になってほしいという思いが込められているらしく当時のあの女は祖母が考えたこの名前を父よりも気に入ってたそうだ。

残念な事にそんな美しい名前を考えてくれた祖母は私が3歳の時に病気で亡くなってしまったが私自身、美晴と言う名前はしんそこ気に入っていて生前一度たりとも祖母に感謝しなかったことはない。本当にありがとう。

そんなに美しい名前を付けてくれたのにこんな感じで死んでしまい申し訳ないと思う。

無宗教でイエスだが、仏陀やらアッラーは信じていないし当然死後の世界なんてたいそう有難い物は信じていないが、もし極楽浄土とかいうありがたくかつ馬鹿馬鹿しい妄想に過ぎない死後の世界がありそこで祖母に会えるならしっかり詫びる予定だ。

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