第6話事情聴取とドラフト
邪鬼と話しながら寝転んでいると病室の扉が開いた。
扉の先にはスーツで大柄のサングラスをつけた男とスーツの小柄な女性が入ってきた。
「あなたは?」
「私SWORDの大刀と申します。こちらは小鳥遊です。今回の事情聴取をするために参りました。」
「小鳥遊です。よろしくお願いします。」
「早速で申し訳ありませんが事情聴取を開始させていただきます。ないと思いますが聴取に虚偽があった場合こちらの小鳥遊のスキルでわかるのでおすすめはしないと進言しておきます。」
「わかりました」
俺は自身のジョブ修羅については伏せて事実の通り話した。
トラッシュだった事や天邪鬼と戦った事。
召喚士になってさらに剣士系統のスキルが使用できる事、仲魔の能力を少し使える事も報告した。
「嘘はありませんでした。【センサー】に引っかかることがありませんでしたので」
「厄介ですね。元々トラッシュで後天性覚醒ですか前例が1件しかいません。トラッシュからのイレギュラーですか」
「何が厄介なんですかね?」
「それは私から説明をさせていただきます。今回の事情聴取を含めてもう1件仕事があります。あなたの入学先の提言です。非常稀を見ないトラッシュだったあなたは学園に送るべきかどうか迷っていました。ですが覚醒したあなたの召喚術は支援職でもありながら魔法職でもあり更には剣士系統スキルも保有されているためどこの学園に提言するか大刀先輩困っていると、というのが厄介の原因です。」
「それは厄介ですね」
「なのでこの事情を学園長達に提言させてもらって学園長達に選んでもらおうと思っているのですが大丈夫でしょうか?」
「簡単に言うとドラフトです」
「ドラフトですか?」
「ドラフトとはダブルジョブやイレギュラースキルを保持していた場合学園長達がその生徒を押しつ、、失礼しました取り合う為の会議です。」
おいこの人押し付けるって言おうとしてなかった?!
「通知については1週間ほどで届きますのでではこのぐらいで私たちは失礼させていただきます。療養中に時間をとっていただきありがとうございました。」
こうしてSWORDの役員2名はそそくさと帰っていった。
俺はどこの学園に入るんだろうか。
side???
いきなりSWORD運営本部から緊急招集がかかった。
それぞれの学園から長が呼び出された円卓には私を含め剣、魔、支、生の4大御剣高の長だ。
定期的に月1の頻度でやっていて、つい5日前にやったばかりだ、なのにも関わらずこの短期間で招集されると言う事は絶対に厄介な案件である事は確定している。
「長の皆、様緊急招集に応じて貰いありがとうございます。今回の緊急招集【ドラフト】を仕切らせていただきます中泉と申します。」
「へぇ緊急招集でドラフトかぁ~面白いですね。」
「どんな面白い奴が来たのかのう?」
「緊急招集って事はウチの学園は関係ないんちゃうん?」
それぞれの長は面白がった発言をしている。クソッタレ
「ではドラフトの内容ですがトラッシュの覚醒です。生活学園に入学予定だった大空帝君ですが先日の朝工場地帯を走っているときにオークに遭遇危機に瀕した際にジョブの覚醒を果たしました。」
へぇ面白いじゃねぇか。
「すごいね!トラッシュから覚醒なんて聞いたことないよ!」
「うちに入学予定だったんか〜だから呼ばれたわけやねちなみにどんなジョブだったん?」
「召喚士です」
はぁ!?聞いたこねぇぞそんなジョブ
「聞いたことのないジョブですなぁイレギュラーかのう?」
イレギュラーそれは通常のジョブではなく特異な能力を宿す【剣聖】や【賢者】【錬金王】などそれぞれの上位のスキルを融合したジョブが稀に生まれる剣士と魔法で【魔剣士】魔法と支援で【マギクラフト・マイスター】剣士と支援で【バフナイト】などがある。
「おい。中泉召喚士なら魔か支だろなぜ剣も呼んだ」
「これは失礼しましたこの大空さんは召喚術はもちろんですが剣士系統スキル【閃】も持ってらっしゃいます。これが剣の長を呼んだ理由です。」
『!!!』
これは思わぬ拾い物だ、とそれぞれの長は思っただろう召喚術はおそらく支と魔の合同系統だが剣士スキルもあるなら魔と支の長年の問題である至近距離戦闘が解決する可能性がある。
さらに召喚士を育てて数を召喚させればお互いの肉壁として使用が可能となる。ここでいきなり口火を切ったのはあいつだ。
「剣のスキルがあるならうちで磨いた方がいいよねそちら方じゃ磨けないでしょ剣」
「いやいや面白い事言いますなぁ肝心の召喚術の練度を上げるならウチか魔法が妥当だとおもうがのう?」
「でも待ぃや肝心な事忘れとるで!オールマイティは一定以上、能力値が上がらんって事を!」
「でもそれは僕たちノーマルの話だよね?この子はイレギュラー常識じゃ測れないよ」
「拉致があかん進行役いつもので行こう。」
「承知しました。」
進行役の中泉がくじを持ってくる。
「赤い印がついたものが当たりです!皆様どうぞお引きになってください。能力遮断器付きのくじ引きです」
そしてそれぞれくじを引き赤の印があったのは私の割り箸だった。
「それでは大空帝君は魔術御剣学園の入学で決定しました!」
私はこの時は知らない最大の運をここで使った事を。
7話に続く!
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