第2話 謎の真相

 それから十年以上の時がたち、俺達は高校生になった。あの日俺達は、警察に保護され、RANは俺の家で育った。それから連は、、、あれから行方不明だ。

 「行ってきます。」ある日の朝、RANは朝から買い物に出かけた。俺はまだ知らなかった。この日、10年間解けなかった謎が解けることを。「たっだいまー!」違和感はここらからだった。RANは母親を殺されてから、明るい声を出さなかった。なのにこの日、10年ぶりにRANの嬉しそうな声を聞いた。「あのHAKI、、、。」何か言いたそうな表情で、俺に話しかけた。「頼みがあるんだけど。」RANは俺にそう言った。俺はそんなRANに、「なんでも聞くよ。」と言った。RANは嬉しそうに、玄関に向かって「入っておいで。」と言った。カチャっと玄関のドアが開いて、その瞬間俺は、人生で1番の驚きを感じた。

 外から蓮が入ってきたのだ。しかも10年前のあのままの姿で。「え!?」その時俺は、何が何だかわからなくなっていた。「なんで蓮が?なんであのままの姿で?」俺は感じたことをとっさに口に出した。するとRANは、少し悲しそうに笑ってこう言った。「この子、蓮じゃないんだって、、、。」 え? 俺は何も話せなくなってしまった。「何言ってんだよ?だってこんなにそっくりなんだぜ?」俺はとっさに、RANの言ったことを否定しようとした。でも、俺の言おうとしていることの方がありえないことだったのだ。確かに蓮にそっくりだけど、そんなことがあるわけないのだ。10年前の事件で、警察は蓮について知っている人を、俺たち以外に見つけられなかった。子供の証言であったということもあり、蓮という少年は、俺たちの思い違いであり、実在の人物ではないということになった。そんな蓮が、この状況で現れるわけがないのだ。「この子ね、施設から抜け出してきたんだって。うちに来たいって言ったから連れてきたの。」そのRANの様子を見て、RANも俺と同じ、蓮であって欲しいと思っていたのだとわかった。「AISです、よろしく。」その子は俺に向かってそう言った。

 「HAKI、AISくんとお風呂入ってきてよ。」RANに言われて俺たちは、風呂に入った。俺は、AISに向かって、「お前、蓮だろ。」と言った。そしたらAISは、こう答えたのだ。「うん、、、。」 はぁ!? 俺はさっきと同じような気分を、半分くらい感じた。でも、なんとなく気づいていた気がする。見た目、雰囲気、別人にしては同じところが多すぎるからな。

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