5.リン屋台を出す所を見に行くぞ

 リンの要求に、何だかどっと疲れが出て来てる気がする。


「羽太弥、キッチンカーで料理を販売するなら商人ギルドで登録してギルドカード作らないといけないからね」


「はーい」


 さっきよりクリームが顔の至るとこについてるロゼッタが注意をしてきてるけど、クリームのせいで女神の威厳も台無しだ


「リン、まだこの時間ならぎるどに間にあうだろからギルドに案内してよ」


「何言ってるですかご主人様、今ここから離れたら残りのクレープ全部食べらてしまうじゃないですか」


 リンがこわい目つきで見ながら答えてるけどその間も食べるのを止めないし食い意地が凄すぎて怖い。


「良いから行くぞ」


 リンの首根っこを掴んで引きずって行くことにした


「何するんですかご主人様!私のクレープがー」


「それじゃ行ってくるんでロゼッタはゆっくりしててね」


「気お付けてな、後は羽太弥ここは元々私を信仰する教会だったからこの場所に居るあいだは、この場所は好きに使って構わないからな」


 そんな返事を聞きながら泣きそうなリンを連れて路地から表の方に出て来たが屋台なども多く城がある王都なだけあって栄えている。


「リン、あの周りより大きくて派手な趣味の悪そうな建物はなんの建物なの?」


「あれは、女神ベル様を信仰する教会ですね」


「ロゼッタの妹の教会か」


 派手で趣味が悪そうだし何なら城より金が掛かってそうだしあそこには近寄らない方が良さそうだ。


「リンあそこには近寄らないようにしとこうな」


「その方がいいなのですよご主人様、あの教会には良い噂は無いので」


「そんなに酷いの?」


「戦いと力の女神を信仰してるので孤児たちを教会が集めて戦闘訓練を施して最強の兵隊として育てあげて依頼があれば戦争に傭兵として兵を貸し出したり、暗殺家業もしてますから教会に来る人も真っ当な人は少ないですね、その分お金はかなり集まるみたいですけど」


 説明を聞いたら、絶対に近づかないし関わりを持とうなんて思わない。


「つきましたよご主人様この建物がギルドなのですよ、右側が冒険者で左が商人なのです」


 目の前には似た建物が隣合わせで建っていた


「何でこんなに建物は似てるの?」


「それは運営してるギルドの大本が同じなのですよ、元々一つの建物だったらしいのですが一緒だとトラブルが多かったらしく分けたそうなのです」


 説明を聞いて納得したのでギルドに入る事にして中に入ると結構な人の多さだ、受付のカウンターが奥にありどこの窓口も人の列ができている。


「どこの窓口も、混雑しててすぐには無理そうだなリン」


「ご主人様、奥の方の受付なら人が誰も居ないなのですよあそこに行きましょう」


 そう言ってリンはどんどん進んで行くがやばいものが見える、筋肉ムキムキのどう見てもオネェが居る、そこ以外は綺麗な女性か男性のひとが受付をしているのに、あそこだけ異様な雰囲気を醸し出している、絶対に関わりを持ってはいけないと告げているのにリンは、もう受付の目の前で待機してるし。


「ご主人様何してるのでか早くしてくださいなのですよ」


 震える身体を無理矢理動かしながら覚悟を決めるしかない、ギルドに来てる人達まで憐れみの目を向けてくるがもう覚悟は出来た。


「あらー初めて見る顔ね今日はどうしたの?」


「ギルドに登録に来ました」


「そうなのね、そっちの子も一緒に登録するのかしら」


「いえ、私はもうギルドカードは持ってるので登録情報の更新なのです登録するのはご主人様だけなのです」


「ならコッチのイケメンボーヤだけなのね分かったわそれならこの紙を書いてほしいのだけど文字は書ける?難しいならワ・タ・シ・が代筆するわよ」


「いえ、書けると思うので大丈夫です」


 そう言って、書類を見たが書けないとこは空欄で良いらしいしさっさと書いてしまうか名前は羽太弥登録目的は屋台販売所属は無しとこれぐらいしか書けないが良しと


「ありがとねなら最後にこの水晶に触れてね」


 水晶に触れると薄っすらと光ったと思ったらギルドカードが、出来ていた。


「はい、コレがギルドカードね失くさないようにね、もし失くしたらわたしが二人っきりで説教をするからね♡」


 絶対に失くさないようにしないと身の危険を感じる。


「ところで屋台販売なら今一緒に出店手続きもしていくから?」


「はい、お願いします」


「分かったわ、所で質問なんだけど二人は屋台でどんな物を販売するのかしら、二人からとても甘い香りがするのだけど、良ければ教えてくれないから」


「たい焼きって言う焼き菓子みたいなものです」


「たい焼きって初めて聞くわね」


「リン、たい焼きを隠し持ってるだろそれ出して」


「何でご主人様私がたい焼きを隠してるの知ってるんですか」


 リンが狼狽えてるがそれどころではない確実に実物を見せないと無事にココから出れない雰囲気を醸し出してるからここは安全の為にもリンのたい焼きには犠牲になってもらわないと。


「リン戻ったら別の作ってあげるからお願いだからたい焼きだして」


「あら実物が有るのね、それならここだとあれだから奥の方の部屋に行きましょうか」


 そう言って目の前の受付嬢に奥の部屋に案内された。


「コレがたい焼きなのですうぅ…私のたい焼き」


 そう言ってリンが隠し持ってたたい焼きが四個出てきた、以外に持ってて客に驚いた。


「これがたい焼きなのね初めて見るわ、なら一個貰うわね」


 目の前でたい焼きをかじってうっとりとしているが、怖いので早く帰りたい。


「優しい甘みがいいわねこれなら確実に売れるでしょうね、これは一個いくらで販売するのかしら」


「一個100レンで販売します」


 リンからお金の価値は聞いてみたら元いた日本円と同じだったので材料費もかからないので日本円で一個百円で売る事に決めていたので一個100レンだ。


「そんなに安くて利益はでるのかしら」


「これで利益は出てますよ、それに気軽に買って食べられるのがたい焼きですからね」


「心配しなくてもしっかりとした信念が有るのね、良いわね気に入ったわ、美味しい物食べさせてもらったし屋台を出すのに場所代がかかるけどわたしの権限でただにしてあ・げ・るそして場所は気軽に人が集まりやすい人気の広場の場所を用意してあげるからね」


 何やら、気に入られてしまって色々サービスしてくれたようだこれはラッキーだな。


「ちょっと書類を持って来るから待っててね」


 そう言い残して受付嬢は部屋の外に出て行った。


「リン色々サービスしてもらえたな、これで屋台が出せるようになるな」


「うぅ…私のたい焼き」


 リンは、たい焼きを生贄にだしたショックが大きすぎてたちなおれてないようだ


「お待たせーこの書類にサインしてね、あとコッチの木札は出店許可書ね」


 受け取った書類にサインをして木札を貰った。


「あとは、この地図を見てこの広場のこの場所があなた達が出店できる場所ね」


 地図を見て教えてもらった場所は拠点にしてる教会から離れた場所の広場だったが問題ないから良いだろうここを出たら一度確認に行ってから拠点にしてるに戻ろう


「はい、分かりました」


 返事をして部屋を出ることにした。


「困った事があったり寂しくなったら私に会いに来てね♡」


 次ここに来た時は別の人に対応をお願いしようそれだけを決心して、たい焼きが無くなってショックが大きいリンを引きずってギルドを後にする


「リン屋台を出す場所を見に行くぞ」


 その頃ギルドでは


「ギルマスこんな所でサボってないで仕事してください」


「サボってないわよちゃんと仕事してたわよ」


「なら何で部屋で一人で隠れてなにか食べてるんですか」


「これも仕事の一環なのよ、今度みんなの分買って来るからお願い許して」


「後は、ギルドに来てる人から苦情が凄いです」


「何かトラブルかしら?」


「ギルマスが受付カウンターに居るのが苦情の原因なんですよ」


「あら、皆して私の美貌に嫉妬してるのね」

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