4.ご主人様早くしてください

《《》》 あのリンがたい焼きを食べるのをやめてまで、隣にいた自称女神を見てリンがワナワナしてるけど大丈夫なのだろうか不安である。


「ご主人様!そこに立ってないでこっちに来て一緒に祈って下さい、ほら早く」


 そう言ってリンに、物凄い力で引っ張られリンの真似をして膝をついて祈りの態勢をとることになったが、目の前の自称女神はニコニコしてるだけねある


「そんな事せずに、椅子に座ってリラックスして話そうよ」


「分かりました」


 それを聞いた俺は、固まって動かないリンを持ち上げて椅子に座らせて自分もリンの横に座り目の前の女性と向き合う事になったが、リンがどうしても固まったまま動いてくれないので、たい焼きを手に取り口もとまで持っていって口につけるとみるみる消えるように無くなっていくのが面白くて何個か続けてやっていたら、女神様も興味をもったのかたい焼きを食べるのを止めてたい焼きを手に持って近付いてきたので変わる事にしたが、リンが正気を取り戻した時に女神様にたい焼きを食べさせて貰ってたと知った時どんな事になるのか楽しみだと思いつつ飲み物に緑茶を用意しようと急須に茶葉と用意して湯のみに人数分そそいで緑茶の香りがいいねとほっこりしていたらリンが「ホニャ」と反応しだして。


「これリンの分の緑茶ね熱いから気おつけてね」


 そう言いつつみんなの前に湯呑みをひとつずつ置いていって自分もたい焼きを食べつつ緑茶を飲んで楽しんでいたら、どうやらリンの好みにあったのか緑茶を飲みつつたい焼きを食べているのを見てそろそろ話が出来るかなと思い話しかけてみることにした。


「貴方が手紙やスキルをくれたロゼッタ様で良いんですかね?」


「はい、その認識で間違いありません、それと呼ぶ時はロゼッタで構いませんよ」


「なら、自分も羽太弥で良いですよ、ならリンも問題無いか?」


「はい、ご主人様」


「改めて羽太弥ごめんなさいね、貴方まで巻き込む形でこの世界に呼び出してしまって」


そう言いつつ頭を下げて謝るロゼッタに怒ってない旨を伝えアタマを上げてほしいと言ってようやく頭を上げてくれた。


「なら、勇者を呼んだのはロゼッタなのか?」


「いえ、勇者を呼んだのは私の妹のベルの方なの細い事が苦手で大雑把にやったもんだから、気がついたのがこの世界につく寸前だったから本当は呼び出す前に気が付かないといけなかったのに、それに羽太弥にはベルが何もスキルとかを与えてない状態だっから急いで私が羽太弥にはスキルとかを与えたのそうしないと、何も出来ない言葉もわからない状態で彷徨う事になったからね」


「ありがとうございます」


話を聞いていたら自然とお礼を言っていた、ロゼッタに見つけてもらわなけばこうやってリンと会う事も無いままトラブルに巻き込まれて命の危険もあったんだから今更ながら恐怖心が出てきた。


「だけど、羽太弥は勇者に選ばれなくて良かったわね」


「どういうことですかね?」


「この国の王様は色々と言ってたみたいだけど勇者の使い道は侵略戦争の使い捨ての道具として呼び出されてるだけだからね」


「使い捨ての道具?」


「そうよ、今頃勇者一行はそれぞれどんな使い道にするか城で話し合いが行われてると思うわよ、聖女はベルを信仰する協会が無理やり引き取って聖女としてチヤホヤして信者の獲得に使われる道具としてなるでしょうけど、残りの勇者を含む三人はスキルを持っててもそれを使いこなす為の技術が無いからあまり役に立たないと思われて奴隷にされて無理矢理命令によって動かされるかもね」


「何か怖い事言ってませんか」


色々聞いてみたら、スキルは持っててもソレを使いこなせるタメの元々の技術が無いと役に立たないらしく、勇者の聖剣召喚も召喚した本人しか剣を使えないので剣を使って戦うだけの技術が無いと役に立たないただの物置ね魔法もちゃんと魔法文字を読めないと使えないしね、異世界に来てから話したり文字を読んだり出来るのはそれぞれ女神の加護があるから出来るんだから、それらに魔法文字は含まれて無いから一から勉強して読める様にならないと、魔法なんて一生使えない、重い金属鎧に盾を持って戦うのだって日頃から訓練してるから出来るものだし、スキルを貰ったからその日から何でも出来ますってのは無理らしい。


「羽太弥のスキルは元々持ってた能力を良くするようなスキルだしね、たまに召喚される子達ってスキルさえ有ればすぐにでもなんでも出来るって思ってるこが多いのよね」


「うぅ・・ご主人様ロゼッタ様に加護を貰えて良かったですね」


横ではリンが話しを聞いて泣いていたので近くにあったタオルで顔を拭いておく事にした


「ねぇ羽太弥、リンちゃんに出してたイチゴのクレープ作ってくれない見た事はあっても食べる事なんて出来なかったからさ」


急に食べ物の要求をされて驚きつつ大量にあったたい焼きののったサラを見たがカス一つ無いキレイな状態になっていて呆れつつ作る為に移動を始めたら泣いていたはずのリンが泣き止んでコッチを見ていた。


「ご主人様私にもお願いしますね」


「かなりのたい焼きを食べたのにまだ食べるのか」


「泣いたらお腹が空きました」


ほとほと呆れつつクレープもあの二人で食べるならかなりの量を作らないといけないことに目眩をおぼえつつ準備を始めるのだった。


「そうだ、羽太弥は魔法は使いたくないのか?」


「興味が無いと言えば嘘になりますね、魔法文字を覚えないといけないのが大きな壁になりますからね」


「それなら話は早いな、わたしの加護で魔法文字をわかるようにしておこうついでにスキルで魔法の心得をオマケしておくぞ、ついでだからリンちゃんにもおなじのを付けとくからね」


「スゴイ気前が良いですね」


「そりゃあの見るだけしか出来なかったいろんな食べ物がこれからは実際に食べられる様になるんだから安いものだ」


どうやら食い意地がすごい女神様だ


「はわわ…ロゼッタ様私まで良いんですか?」


「構わないよ、羽太弥はリンちゃんが目から光線を出すのを見たいらしいし、魔法の心得は魔法を使いやすくる補助みたいな物だしな、魔法文字は読める様にしておいたからしっかり勉強しておけばどんな物でも使いこなせるぞ」


気を付けないといつか本当にリンが目から光線を出しそうだ。


「あと一つ羽太弥お願いしても良いかな?」


「何ですか?他の食べ物が欲しいんですか?」


「それもあるが、今後羽太弥が色んな所を旅するときに私の事を信仰する教会によった時に教会に居る人達ややって来る人孤児などに羽太弥の料理を振る舞ってほしいんだどうしてもわたしを信仰してくれる人達は乏しい人が多くてね、少しでも食事の楽しさや栄養をとって貰いたくてね無理にとは言わないが出来るようならお願い出来ないかな」


「全然良いですよ、戦ったりするのは無理だけど自分の得意な事でひとを笑顔に出来るんですから」


そう言うとロゼッタは優しそうな笑顔で笑ってるけど口の横についたクリームで何か締まらない。


「ご主人様早くしてくださいクレープが足りてませんよ」

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