第20話 義務教育
小学校に着いた。
教室の中に入ると、既に半分くらいの席が埋まっている。日課のランニングもあって俺たちの登校時間は平均よりもゆっくりとしたものだ。
しばらくして、朝のホームルームが始まる。
内容は点呼に連絡事項と代わり映えがない。
一時間目、国語。
ひらがな、カタカナ、漢字の書き取りが辛い。教科書の音読は発声の練習だと思って受け入れたので比較的マシ。
二時間目、算数。
内容は主に足し算、引き算。一瞬で終わるので虚無の時間が長い。
三時間目、生活。
これはまだ、同じことの繰り返しにならないだけマシと思える。
四時間目、体育。
体を動かせて気分転換にもなるので一番好きな授業だ。
給食の時間。
近くの席でまとまって食事をする。
実は美月ちゃんとは学校で何時もくっついて行動している訳では無い。入学当時、微妙に席が離れていたこともあって、クラス内では女子同士のグループで話していることが多い。
俺も男子が集まったグループで何とかやっている。まあ、友人関係は広く浅くになってしまっているが。運動が得意ということもあって、どうにかハブられてはいない。
給食の後の掃除、長めの昼休みは外でボール遊びでそこそこの無双をする。大人げない? これも円滑なコミュニケーションのためである。
そして五時間目、道徳。
決まった答えがないこの授業は中々に苦労した。特に小学生っぽい答えを用意するのは骨が折れる。
こうして一日の授業が終わった。
放課後はテニスの時間だ。
やっぱり幼稚園生活と比べると自由時間が減って辛い。しかし、これもプロになるために避けては通れない道と諦めて、どうにか小学生生活を送っている。
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